先週、高知に出かけてきました。「母なる土地」探しの為です。経験上車を借りだし走り回ったところで見つけることはままならないので、最近出席している講座の主催である高知県の農業研修機関の方にお願いし短期の研修をくんでいただいたのです。研修といっても、農家見学を主体にしたもので、三原村でのユズ青果を使った取り組みや四万十町に入られた方のところなどを見てきました。
三原村に出かけた翌日、28日のことです。お世話になった研修先で研修を終えられ四万十町に移住された方を伺いました。午前中、話を伺いながらトウモロコシの後片付け。その方は神奈川県出身で、慣行で生姜とお米を作る一方、有機で野菜を作られています。夏野菜の後片付けを手伝い始めて、あぁこれがいいとホッと、いや、正確には確信しました。
実は、お世話になったところは、県の機関。到着した日、圃場を案内してもらいました。いろいろな施設が何棟(一棟の広さは一反ははるかに超えていたと思います)もあって、さすがに、県の施設。栽培技術の展示をするとのことで、設備が充実しています。温度センサーで施設内温度を監視し自動で天井部分が開閉装置、温熱消毒の為の可動式の大型の加温機なぞいうに及ばず。県として環境保全型農業を目指しているので、土着天敵を使った防除法の展示用の施設と実践。もちろん農薬での防除技術も実践という形で展示、などなど:
- 大きなニラの施設の中で農薬散布の実習をされていました。
- 加温機が作動していたのですが、これは半日ぐらい重油を焚くらしい。環境保全にはそぐわないと苦笑いしてました。重油代が馬鹿にならないとも。
- トマトを定植する施設の中での作業を少し手伝ったのですが、ゴマを蒔きました。なんでも、そのゴマは土着天敵の棲みかとなるとか。
農薬で防除しているという露地のオクラが、ボロボロ。恐らく、その農薬に対する展示に強く抵抗感をもったのでしょう。夕食後や作業の合間に長期研修の方たちと話しすると、農薬がなければという感想も多く、なおさらのことだったかもしれません。小川町のオクラは、虫の多さや種類が違いすぎて比べれようもありませんが、あれなら農薬なぞ使わなくていい。さらに、同じ町内にありながら手伝いに行ったところのオクラがずっとしっかりしているのを目の当たりにしたわけです。目の当たりにし、二つを並べて見る。何度も経験しているはずですが、これほど明快になるとは思いませんでした。別な言い方をすれば、読むだけでは何ともなりません。目の当たりにすることではじまるんです、と再確信できました。残念ながら、「母なる土地」は予感はすれども見つけることは出来ませんでしたが、大いに得たものがありました。
今日の一枚:ベランダの朝顔。今年はあまり花付きがよくない。去年が当たり年だったのかもしれません。8時頃。
追加:29日仁淀川町にも足をのばしました。その時に撮ったものです。