二畳庵庵主の戯れ言

一輪の桜に従い野に。ついに2015年、人生の第三ステージの場・高知に立つ。仁淀川に魅せられたオヤジの戯れ言日記。

(ひととき)

2014-09-29 18:27:34 | 徒然に想う
しまったぁ、朝にこんな一声。嫌な感じ…。畑に出るのに朝ご飯の用意がない。仕方ないので、五時頃コンビニに向かった時のこと。朝の光がまだ青くアーチ型に残っている。あと三十分早いと確実に青の一時間(ひととき)に違いない。

畑に佇むと草の、土の香りだけじゃない。金木犀の香りが確実に取れる。風もサラサラ、気持ちいい。ナガネキの土寄せ、土が乾いて乾いてガチガチ、一向に進まない。すぐに嫌になって手をとめる。何度目? その度に気持ちよい一瞬間(ひととき)。ちっとも能率的じゃないと、顔がほころぶ。

ヤレヤレ、土まみれの地下足袋、爪を外してゆく。足が軽くなって、今日の終わり。太陽もずいぶん低く、どんどん気温が下がる。上半身裸で汗をふく。あったまったタオルが、実にいい、汗がひく。1ヶ月前には、ふいてもふいても無駄、無駄、無駄。あれまぁ、一季節(ひととき)が代わってしまった。明後日は衣替え、作業着も長袖か…。

バスを待つ。陽がゆっくり山々の向こうへ沈んでゆく。大して捗らなかったが、いい“ひととき”が集まったら、いい一日になった。鴉が、二羽頭の上、飛び去った。

《一羽飛ぶ 一羽追いかけ 柿揺るる》





今日の一枚:朝九時過ぎ、畑にて。小松菜の葉、細かく朝露が残る。この世の宝石。