二畳庵庵主の戯れ言

一輪の桜に従い野に。ついに2015年、人生の第三ステージの場・高知に立つ。仁淀川に魅せられたオヤジの戯れ言日記。

「うつせみ」のこと

2011-07-27 20:41:44 | 徒然に想う

先日の「うつせみ」って単語、辞書で調べると面白い。まず、うつせみ【現身】 。「この世の人。また、この世」のこと。字からしてわかる。だが、うつせみ【空蝉】 となると…。哲学的と言うか、なんというか。意味は「セミの抜け殻。または、セミ」だそうだ。

「空」なんだから脱け殻を思い浮かべる。いやいや、そうじゃない。大「空」にいる蝉だ。「空」はカラッポのことじゃない、なるほど。もちろん、空っぽにならなければ、空を飛び回れない。抜け殻と空を飛びまわれるセミは、同時に一つには存在しえない、別物だ。

円錐形は円形か三角形か。それは見方が違うだけ。その実一つの「円錐形」を指すから、どちらででもある。おそらく、二次元の生き物にはそのような属性を同時に合わせもつようなものは考えられないだろう。しかし、我々には一つの立体、実体を持つ。

同じことか…。脱け殻だろうが、セミだろうが、実は同じ一つの実体を指し示す。ところが、我々には違ったものにしか映らない。もし、二次元の生き物に対して三次元の我々のように、高次の生き物からしてみると、「空蝉」は一つなんじゃないだろうか。ちょっと迷惑な単語、でも素敵である。

 




今日の一枚:間もなくマンションというところの畑に咲いている、芙蓉(?) 目一杯近付いてマクロ撮影。5時半過ぎのこと。