二畳庵庵主の戯れ言

一輪の桜に従い野に。ついに2015年、人生の第三ステージの場・高知に立つ。仁淀川に魅せられたオヤジの戯れ言日記。

うつせみ

2011-07-25 21:11:43 | 徒然に想う
こうやってぶら下がりゆっくり現世に出て来る。なんてきれいな緑なんだろう。まるでヒスイ。いつ見ても、何度見ても魅せられる。

この時、どうしても美しさの裏にどこか投げ遣りな態度を感じてしまう。顔立ちはいっぱしなんだが、羽根が丸まっている。これがキチンと伸びないと、せっかく外にでたのに全てが台無し。これからをかけた大切な時間帯なのに、緊迫感がまるでない。なんでこの世に現れなくてはならないのかとでも言いたげだ。

そういえば、先日、神社の階段に羽根が伸び切らぬ前に手足を滑らせたのがいた。もうキチンとセミの色をしていたから…。庵主の足音にジジッ、ジジッ、と反応し階段面を転がり回わるだけだった。

木々を飛び回るのと地面の上を回転するの、どちらが良いか、わからぬ。しかし、庵主がごときに未来を左右されてはたまったもんじゃないだろう。これからのつかの間の現世、飛び回る生活をせいぜい楽しんでよと、脅かさぬようカメラを近づけた。







今日の一枚:雑木林の中、ロープの向こうがカワセミの川。4時45分頃。