写真は、先週末うかがった佐木島の釣り船です。
漁師が一人もいないという人口900人余りの島に、釣り船が80隻もあるそうです。
もちろん、野菜は自分の畑でつくってその日に食べる分を庭先から摘んできます。魚も、自分の船で釣りに出る。瀬戸内の海は、湖のように波が静かです。
商品経済は、旧来の共同体の隅々まで浸透し、商品化・商品交換・貨幣による購入を前提のシステムに変容させていきます。それは、旧来の共同体を破壊する力をもっている。昔、漁があれば、浜辺にでたすべての人に少しでも魚のわけまえがありました。あるいは、いまでもわずかな島にのこっているように、みんなで協力した田んぼの収穫は、島民全部に共有されていました。基本に助け合いがある社会が、すべて貨幣で購入する社会に再編されていったのです。
野菜や魚を自給する世界では、助け合いも復活します。とれた野菜や魚は、いつでも自家消費をうわまわるので、もらったりさしあげたりすることにもなります。また、天候に左右されることがあっても、景気にはあまり影響されません。
日本の近い将来に予想される国債バブルの崩壊による経済破綻にたいしても、地方は、以外にしぶとい耐える力をもっているかもしれません。あるいは、そのようなしぶとい地域経済をつくりあげる必要があるのかもしれません。
未来の可能性を、地方に期待しています。
佐木島は、人口10万人の三原市の中心部まで、毎日30便ほどある定期船で、20分ほどでついてしまう交通の便利さがあります。夕日が絶景な別荘地も人気だそうです。