いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国民主権と秘密保全。 parliamentary responsibility & secret integrity

2013-08-23 19:34:58 | 日記
 (1)今秋の臨時国会で成立を目指す秘密保全法案では政府の指定した「特定秘密(specified secret)」を漏えいした公務員と不正な手段で入手したものに対して、最高で懲役10年とする(報道)ことがあきらかとなった。

 現行の国家公務員法の守秘義務違反の最高懲役1年に比較して破格の重量刑を科すことになる。安倍政権の情報統制強権性が露骨となってきて、都合の悪いことは国民、社会に隠し通そうという非民主主義(anti democracy)的政治手法のあらわれだ。

 (2)事の発端は、10年の尖閣諸島沖中国漁船による海保庁巡視船への衝突事件の全容について、政府(民主党政権)は実態(映像)を公にせずに中国との政治かけ引きで逮捕した中国漁船長を審議不十分のまま帰国させて収めようとした事案について、現場海保庁の当時職員が事件映像をネット上に流出させて事の深刻さ、重大さが社会問題化したことだった。

 一旦中国漁船長を逮捕しながら(それほどのくり返し強行衝突悪質性がありながら)審議不十分で帰国させた政治的措置が適切だったのか、また事件の全容映像を公開することの必要性、必然性も国会議員から指摘されもした。
 政府としては事件全容映像公開は、措置正当性上都合の悪いことであったのだ。

 (3)米国では国家安全保障局が米国民間人の通信情報を無断で傍受して、また国際会議での同盟関係国までも対象にして無断で通信情報を傍受していたことがCIA元職員の情報漏えい(leakage of a secret)で発覚して驚くとともに、被害関係国(日本も含む)から強い批判を受けていた。

 ウィキリークスによる米国外交文書の無断流出で、関係国とのやり取りで国益に対する反政治的行動が暴露されもしていた。

 (4)これらは最近の特徴的な国家機密または特定秘密として政府が国民、社会をあざむいて隠して独断と独善、独占と野望のもとに行っていた政治的道理、条理に背(そむ)いた国家不利益行為だ。

 こんなものを国家機密、特定秘密として指定されてもしたら国民、社会もたまったものでもない。しかもその不利益国家からそれの知り得るべき情報開示で処罰されるなどということがあっては、国家の善良な管理、統治者倫理、パラダイム(paradigm)に反した本末転倒もはなはだしい厚顔無恥行為だ。

 (5)議院内閣制政治で国、政府に国民、社会に知らされない、隠さなければならない国家機密、特定秘密など本来あってはならないことで、交渉相手の利益配慮、自国の国益保護のためなどと理由をつけて国民不利益を正当化するのは、双方それぞれの独善、独断、独占、野望政治以外の何物でもない。

 国民主権(parliamentary responsibility)は、国民に知らされることのない権利を議員、政治に付託しているのではない。

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