いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

根底から変える復興。 fundamentally changing renaissance

2013-08-31 20:08:00 | 日記
 (1)今朝の新聞記事で大阪出身の作家司馬遼太郎さんがむかしから東北への深い思い入れがあった話題を書いていた。
 司馬さんが書いた東北紀行6編を題材にして「(明治政府が)『白河以北、一山百文』という言葉そのままに東北をほとんど見捨てたも同然の状態に置きざりにした。~有史以来の東北経営を根底から変えてしまうといった構想がなぜ思いつかれなかったのか。」(司馬・陸奥のみち抜粋)と示唆に富んだ東北思い入れを記していた。

 (2)戦後日本は高度経済成長期を迎えて、列島改造論による全国新幹線・高速道路網整備による都市と地方の経済、社会、文化、人口格差是正がはかられて、地域開発の代償としての地価高騰社会を招いて狂乱物価高時代、バブル(bubble)経済社会にと突入し、その動力源(dynamism)となるエネルギー政策として日本列島を取り囲む54基もの原発が建設されていく。

 (3)11年3月11日発生の前代未聞クラスの巨大な東日本大震災は東北太平洋側一帯を壊滅して、福島第一原発事故は帰宅困難地域をつくり出し廃炉まで40年、事故収束の見通しも不透明で「復興」は「カラ回り」状態で、行き着くパラダイス(paradise)も見えない。

 自然の脅威による破壊は、また人間が危機管理不足で招いた人災でもあり、壊滅的な「ゼロ」からの復興には統治機能(道州制)改革による行政、経済、文化、社会、教育の計画的、持続的な構造改革が必要だし、実施すべき環境に東北は置かれていると書いたが、政府の復興構想会議が示したものは災害からはまず逃げることと、せいぜい高台移転の貧弱な提案だった。

 (4)司馬さんも言うように「東北経営を根底から変えてしまうといった構想がなぜ思いつかれなかったのか。」の思いは現代でも強い。
 統治機能、行政改革の見直し指針のない復興計画は、政府と被災地自治体・被災者との意識、時間のズレを生んで効率性、一体性を失い、復興予算の目的外使用、未執行効果という緊張不足を生んで国民投資効果のカラ回りで復興は進んでいない。

 東北の復興をデフレ不況脱却のエネルギーに変えていく「根底から変えてしまうといった構想」(司馬)が求められていたのだ。

 (5)東北の農業、漁業、第一次産業の再生には時間がかかるだろうが、政府の過保護政策から脱却して自ら国際化競争に立ち向かう「機会」でもある。
 その高い潜在能力はあるのだから、東北復興、TPP交渉参加とあわせて即効性のある海外に生産活動を展開すべきだ。

 あたらしい東北農業の構造改革を示すとともに、あたらしい産業の進出、開発の産業改革による東北復興計画だ。

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