いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

8月は尊厳の月。 august is augustness

2013-08-17 19:49:54 | 日記
 (1)8月6日からの1週間余りは近年の酷暑と相まって日本にとっては厳しい歴史を考えさせられる週間となる。
 広島、長崎への原爆投下に終戦の日、靖国参拝を迎えて68年前の惨禍に反省と平和への強い思いを蘇(よみがえ)らせるとともに、一方ではお盆の亡き先祖霊者に対する供養の行事も静かに執り行われる。

 亡き霊がひと時の下界からあの世に帰る慣習の「送り火」の京都五山の大文字焼きも16日に荘厳に(august)執り行なわれた。

 (2)政治と伝統文化(traditional culture)はかっては「まつりごと(政)」として思想として一体になってそれぞれが中庸なものとして精神性の高い日本歴史を刻んできたものだが、近代化の流れの中で伝統文化は古典としてまつられて、政治、社会の日常性の中から消えていってかなり時代は殺ばつとしてきた。

 亡き霊者の供養も靖国参拝にこだわらなくても、家々のお盆の仕来たりでとむらうことが日本の伝統文化としてはふさわしく、霊者も浮かばれるというものだ。象徴としての京都五山の大文字焼き行事もある。
 日本の伝統文化のすばらしさ、日常化に目を向けることも必要だと考えさせられる夏8月でもある。

 (3)少子高年令化社会を迎えてひとり暮らしの高年令者の病死、自然死対策も社会問題化しているが、60年代ぐらいまでは隣近所の付き合い方も上手で共同体意識、互助精神性が自然に芽生えていたものだが、人口移動社会になってその先導として企業人間意識が他者への気配り余裕を奪って生活共同体意識を遠ざけて暮らしにくい社会をつくり上げてしまった。

 (4)回顧主義(右傾化思想でなはい)というわけではないが、日本の伝統文化のすばらしさもよく認識して忘れ去られた現代社会に日常性として取り入れていく「度量」が試されている夏8月でもある。

 回顧主義は原理主義にも通じて現代世界紛争の排他的な原因にもなっているが、それはほとんど一過性の年間行事に取り替わった日本の伝統文化の存在とまた両極に位置する過激性があるからだ。

 (5)日本は戦後、欧米近代化を積極的に取り入れる経済成長をとげて経済国として先進国に仲間入りしてきたが、世界各国との違いは伝統文化、価値観の放棄による「軽さ(take light)」だ。
 欧米諸国はじめアジア、中東、アフリカ、南米と伝統的な宗教、文化、歴史を重んじて精神性の支えとして国民の一体感、継続性を生んできた。それが排他的な紛争を誘因してもいるが、ゆるぎないものだ。

 (6)日本はそのレベルからは「軽く」見られている。安倍首相も「日本を取り戻そう」というならその「軽さ」であって、右傾化思想ではない。
 日本は先端的科学技術、経済では研究開発力、生産力にすぐれて、人類社会への貢献も著しいが必ずしも見合った国際社会からの信頼、評価、尊敬を得ているとはいえない。

 特に貧困な政治力を夏8月に試される中で、酷暑の中で「日本」に考えをめぐらせてみる。

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