(1)8月9日は6日の広島に続いて長崎にも米国による原爆が投下された「原爆の日」だ。長崎市長は同平和宣言で今年4月の80か国が賛成した核兵器使用禁止の共同声明に唯一の被爆国の日本が参加しなかったことを強く批判(TV news)した。
今日同じく原爆の日祈念式典に参列した安倍首相は、しかしこれに応じずにしゃあしゃあと核兵器撲滅への誓いを訴えてみせた。
経済には光と影はつきものだが、政治には光と影はあってはならない。政治家の行動、発言がこうも理不尽(unreasonableness)であっては、尊敬もされないし信頼もされないだろう。
(2)政府は秘密保全法案を秋の臨時国会に提出する。10年の尖閣諸島沖中国漁船による海保巡視船への衝突事件の全容について公表せずに、政府(当時民主党政権)は日中外交関係のこれ以上の悪化を考慮して一旦は逮捕した中国漁船船長を審査不十分のまま帰国させたことについて、元海保庁職員が事件現場映像をネット上に流出させ政府の対応が社会問題化したことを受けて、政府の都合のいい秘密保護政策のために制定を目論んだものだ。
外交や防衛などに関わる秘密を漏えいした公務員への罰則を強化し、政務三役(政治家)も対象(報道)とするオールラウンドの秘密保全法案だ。
(3)政治の重要課題の交渉プロセスを当事者が勝手自由に漏えいすることは、方法論として政策秩序、パラダイム(paradigm)を損なうものではあるが、その前提として政府、政治が責任を持って情報公開(disclosure)に努めることが民主主義政治だ。
国民の信託を受けた議院内閣制政治にそもそも機密などあってはならずに、その必要性を訴えるのは政治野望、独断、独占、既得権益保護を目論む野合政治集団の自己防衛論にすぎない。
主権者の国民に隠さなければならない政治方法論などあっては、民主主義政治とはいえない。
(4)内閣法制局長官に駐仏大使の小松さんの起用が決定した。これまでの法務、財務、総務省中心の同長官(報道)に外務省キャリアが就任するのは異例の人事だ。
小松さんは報道によると外務省きっての国際法に精通して、集団的自衛権(collective self defense)の行使容認派といわれている。
これまで一貫して憲法上、集団的自衛権の行使を否定してきた同法制局のトップを代えることによって、憲法改正によらずに現憲法下で解釈上集団的自衛権の行使容認に踏み切ろうという安倍政権の目論みだ。
(5)官房長官は建前論で憲法判断は内閣全体の責任を強調するが、内閣法制局の憲法解釈変更は機関性質上大きな力になる。
組織的にこれまで憲法解釈上否定してきた同法制局の立場、議論、解釈論を変えるのは簡単ではないという意見もあるが、安倍政権には日銀総裁強制交代によるそれまで日銀が導入に消極的であった大胆な金融緩和策を一気に実行させるという、独断「実績」があるからそうともいえない。そのための再現人事の布石を打ったのだ。
8月8、9日の政治の流れはわずか二日間のことではあるが、安倍政権の野望、独断政治の果て(to the result of scheming dogmatism politics)にこれがあまりに露骨に出てきた証しだ。
今日同じく原爆の日祈念式典に参列した安倍首相は、しかしこれに応じずにしゃあしゃあと核兵器撲滅への誓いを訴えてみせた。
経済には光と影はつきものだが、政治には光と影はあってはならない。政治家の行動、発言がこうも理不尽(unreasonableness)であっては、尊敬もされないし信頼もされないだろう。
(2)政府は秘密保全法案を秋の臨時国会に提出する。10年の尖閣諸島沖中国漁船による海保巡視船への衝突事件の全容について公表せずに、政府(当時民主党政権)は日中外交関係のこれ以上の悪化を考慮して一旦は逮捕した中国漁船船長を審査不十分のまま帰国させたことについて、元海保庁職員が事件現場映像をネット上に流出させ政府の対応が社会問題化したことを受けて、政府の都合のいい秘密保護政策のために制定を目論んだものだ。
外交や防衛などに関わる秘密を漏えいした公務員への罰則を強化し、政務三役(政治家)も対象(報道)とするオールラウンドの秘密保全法案だ。
(3)政治の重要課題の交渉プロセスを当事者が勝手自由に漏えいすることは、方法論として政策秩序、パラダイム(paradigm)を損なうものではあるが、その前提として政府、政治が責任を持って情報公開(disclosure)に努めることが民主主義政治だ。
国民の信託を受けた議院内閣制政治にそもそも機密などあってはならずに、その必要性を訴えるのは政治野望、独断、独占、既得権益保護を目論む野合政治集団の自己防衛論にすぎない。
主権者の国民に隠さなければならない政治方法論などあっては、民主主義政治とはいえない。
(4)内閣法制局長官に駐仏大使の小松さんの起用が決定した。これまでの法務、財務、総務省中心の同長官(報道)に外務省キャリアが就任するのは異例の人事だ。
小松さんは報道によると外務省きっての国際法に精通して、集団的自衛権(collective self defense)の行使容認派といわれている。
これまで一貫して憲法上、集団的自衛権の行使を否定してきた同法制局のトップを代えることによって、憲法改正によらずに現憲法下で解釈上集団的自衛権の行使容認に踏み切ろうという安倍政権の目論みだ。
(5)官房長官は建前論で憲法判断は内閣全体の責任を強調するが、内閣法制局の憲法解釈変更は機関性質上大きな力になる。
組織的にこれまで憲法解釈上否定してきた同法制局の立場、議論、解釈論を変えるのは簡単ではないという意見もあるが、安倍政権には日銀総裁強制交代によるそれまで日銀が導入に消極的であった大胆な金融緩和策を一気に実行させるという、独断「実績」があるからそうともいえない。そのための再現人事の布石を打ったのだ。
8月8、9日の政治の流れはわずか二日間のことではあるが、安倍政権の野望、独断政治の果て(to the result of scheming dogmatism politics)にこれがあまりに露骨に出てきた証しだ。