(1)中東の領土の小さい国イスラエルの戦闘、攻撃拡大が止まらない。ガザ地区に地上侵攻してハマスを攻撃して1年がたつ。さらに今、隣国レバノンを大規模空爆、攻撃し、敵対するヒズボラ指導者を殺害し、地上侵攻も始めた。シリアのイラン大使館を攻撃し、イラン、ヒズボラの報復戦闘も始まり、中東に戦火は拡大している。
(2)小さい国のイスラエルが同時にどうしてこれほど戦闘、攻撃能力を維持し、中東に戦線を拡大できるのか、米国の支援が考えられるがバイデン大統領はイスラエルの自衛権は容認しているがイスラエルの一般市民の犠牲者が増える非人道的攻撃に対しては否定的な考えを示して、イスラエルに自制を強く求めている。
(3)にもかかわらずにイスラエルのハマス、ヒズボラ、これを支援するイランへの攻撃が止まることがない。世界に広がるユダヤ人組織、経済、社会の結束、支援が大きいと考える。ユダヤ人(jewry)組織、社会は米国大統領選でも大きな経済力、影響力を持ち、バイデン大統領、ハリス副大統領・大統領候補も無視できずに、イスラエルの非人道的攻撃、戦闘の拡大に対して直接的な抑制、反対行動に出れない事情がある。
(4)近年は米国の中東からの撤退、影響力は薄れイスラエルも米国の意向に従わずに、イスラエルの意向を優先してハマス、ヒズボラ、イランとの対決姿勢を一方的に強めている。米国の支持、支援が薄れてもイスラエルの戦闘能力、攻撃を支えるのが世界に広がるユダヤ人組織、社会の経済力、結束、支持、支援の強さだと考える。
(5)米国は中東エルサレムを巡る領有権問題でイスラエル、パレスチナの2国家共存論を支持しているがイスラエル、ユダヤ人組織、社会はパレスチナ排除を譲らずに、国連決議でも米国はイスラエル擁護に回って棄権の立場をとっている。
国際政治では米国の二重基準(double standard)が問題を複雑にしており、米国覇権国家としての指導力、影響力の低下が問題解決を拒み、混乱、不安を増幅させている。
(6)その米国がイスラエルにはユダヤ人組織、社会の存在が大きく立ちはだかり、核開発に反対して経済制裁を強めるイランとの関係回復、改善をはかれるのかが中東情勢には大きく作用する。
日本はイランとの独自の良好な外交関係もあり、果たすべき米国、イランとの多面的な役割もあり、発揮すべき立場にもある。