最近のTwitterで、「メダルゲームリストの同人誌でも作ったら需要あるのではないか」と言う趣旨のつぶやきを見かけました。そんなものがあればワタシもぜひ欲しいと思いますが、この分野の愛好家はピンボールやビデオゲームほど多くはないと思われ、望みは薄そうです。ならばワタシが作ってしまうかとも思いかけもしましたが、自称マニアにすぎないワタシでは網羅性や正確性を期待される資料を作成する自信はありません。
しかし、2000年ころまでのセガのメダルゲーム機に限定すれば、完璧とは言わずとも95%~最大98%程度の網羅性、正確性を伴うリストを作れるかもしれません。それでも良ければと同人誌の作り方を調べてみたところ、やはりそれなりに費用はかかり、そしておそらく製作費を回収できるほど売れるとも思えず、近日中に歯科治療で結構な出費が見込まれる身としては二の足を踏みます。
拙ブログでは「初期の国産メダルゲーム機」というカテゴリーを設けて、これまでに1974年から1977年ころまでにロケーションで見られた国産メダル機に言及してきました。そこで、完璧なメダルゲーム機リストは無理でも、これらに限定したリストならできそうだと思われるので、そのリストを今回から何回かに分けてご紹介していこうと思います。
************ 1974年の国産メダルゲーム機リスト (ハイパーリンクのあるタイトルは、クリックすると関連記事に飛びます)
# タイトル タイトル(英文) ジャンル 人数 メーカー 備考
1 ファロ FARO 電光ルーレット 5 セガ 初の国産マスメダルゲーム。
2 シルバーフォールズ SILVER FALLS プッシャー 6 セガ 6Pプッシャー。ファロと同時期に発売。
3 ウィンザーシリーズ WINDSOR メカリール 1 セガ 海外向けスロットの転用機。全5機種
4 ボーナス・ライン BONUS LINE メカリール 1 セガ 米Bally社・EXTRA LINEのコピー。
5 ラッキーダブル LUCKY DOUBLE メカリール 1 セガ 米Bally社・ARROW LINEの模倣品。
6 ボーナスツイン BONUS TWIN メカリール 1 セガ 米Bally社・5LINE PROGRESSIVEの模倣品。
7 ファイブスター96 FIVE STAR 96 パチンコタイプ 1 セガ アレンジボールに似るゲーム性。
8 ダブルアップ DOUBLE UP メダル弾き 1 セガ
9 アスコット ASCOT 電光ルーレット 1 セガ 米Evans社・Winter Bookのコピー。
10 ハーネスレース HARNESS RACE メカ競馬 10 セガ
11 ジャンボダービー JUMBO DERBY 電光ルーレット 6 フジエンタープライズ 米Evans社・Winter Bookの模倣品。
12 クォーターホース QUARTER HORSE メカ競馬 1 MAX おそらく国産ではないと思われる
13 スーパーボナンザ SUPER BONANZA メカリール 1 アムコ/ダックス貿易 米Bally社・CONTINENTALのコピー。
14 エキサイティングレース EXCITING RACE メカ競馬 1 アムコ/ダックス貿易
1974年には以上14機種が作られています。メダルゲームの国産化が始まった最初の年ということで、そのほとんどはセガ製品で占められますが、現存しない小さなメーカーも頑張っています。
■注釈
・10番の「ジャンボダービー」はゲーム性は米エヴァンス社の「ウィンターブック」を多人数用に翻案したもの。
・11番の「クォーターホース」は、おそらく国産ではないと思われるが、詳しいことはわからない。アミューズメント産業誌74年10月号にその広告が見える。
・ユニバーサル社の「ウィンターブック」は、ゲームマシン紙1974年11月20日号にディストリビューターによる広告が見えるが、ユニバーサル自身は1975年に広告を出しているので、ここに入れていない。
・これら以外に、米国Evans社の「Winter Book」の模倣品を、少なくとも7社8機種を把握しているが、拙ブログでは一人用のそれら模倣品は原則としてメダルゲームとして扱っていないため、このリストには含んでいない。
■筐体画像
リスト1及び2の「ファロ」(右)と「シルバーフォールズ」(左)。
リスト3のウィンザーシリーズ。これらは本来海外のゲーミング用だが、メダルゲームにも転用された。また、筐体はオリンピアマークIIIにも流用された。
リスト4~6の、左からボーナスライン、ラッキーダブル、ボーナスツイン。
リスト7及び8の「ファイブスター96」(右)と「ダブルアップ」(左)。
リスト9のアスコット。これもEvans社「Winter Book」の模倣品だが、メダルゲーム総合カタログに掲載されているので、例外的にメダルゲーム扱いとしている。
リスト10の「ハーネスレース」。
リスト11の「ジャンボダービー」。ゲーム内容はEvansの「Winter Book」だが、多人数用のためメダルゲームとみなしている。
リスト12の「クォーターホース」。アミューズメント産業誌74年10月号に、風営機「ジェミニ」を開発したMAX社がこの広告を出しているが、おそらく国産品ではないと思われる。
リスト13と14の「スーパーボナンザ」(左)と「エキサイティングレース」(右)
次回、初期の国産メダルゲーム機リスト(2)1975」につづく。
1975年になると、タイトー、ユニバーサル、任天堂などが参入してきて、リストが大きくなりそうな予感がします。とりあえず1976年まで続けようと思っていますが、きちんとまとめられるかどうか、既に不安です。
これは素晴らしい!
1975年以降も楽しみにしております。
次週も楽しみにしています。
nazoxさんでしたら、「メダルゲームリストの同人誌」を作られるだけの情報量をお持ちでは?
いつの日か、"▼▼の場所"で。。。