オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

コインマシンやギャンブルゲームやカジノの歴史的エピソードとか、時々カジノ旅行記とか、たまにスポーツやマンガとか。

大阪レゲエ紀行:エレメカ研究所(大阪・北区中崎町)その1

2023年04月09日 20時42分20秒 | ロケーション

大阪は阿倍野区文の里に、60年代(もしくはもっと古い)のコインマシンが遊べる「エレメカ研究所」があることを知ったのは、今から3年ほど前のことでした。これはいずれ訪れなければと思いつつも、何しろ東京からではそう気軽に行けるものでもなく、もたもたしている間にコロナ禍による「ステイホーム」が始まって、ますます行くチャンスが遠のいてしまいました。

文の里での「エレメカ研究所」は入場料制で運営して「博物館」を謳い、風俗営業(風俗第5号営業=ゲーセン)の許可を取らずに営業していたのですが、警察はこれを認めず、そして当時の所在地は風俗店の営業許可が下りない地域であったため、閉鎖のやむなきに至ったのが昨年の初めころでした。
警察がどんな経緯でエレメカ研究所を把握し、どのように接触してきて、どんなやり取りがなされたかには興味が惹かれますが、何にせよ、無許可営業で引っ張られるまでには至らなかったのは不幸中の幸いでした。

文の里閉鎖後もオーナーは不屈の精神で北区中崎西に移転先を見つけ、苦労の末に風俗営業の許可も取って再オープンにこぎつけたのが昨年(2022年)の暮れでした。オーナーの頑張りには大きな賛辞を贈りたいと思います。

SNSで再開を知ったワタシは、3年前のように逡巡ばかりしていては結局行かずに終わってしまうと一念発起して、遂に先月念願の訪問を果たしてまいりましたので、今回から何回かに分けてその時の記録を残しておこうと思います。

**************************

新大阪に到着したのが午前11時半頃。最寄り駅は谷町線中崎町とあったので梅田駅で乗り換えるルートを考えていたところ、SNSで「新大阪からなら、梅田駅の手前の中津駅から徒歩だと乗換えもなく早い」とアドバイスくださる方がいたので、それに従って現地に到着したのが12時15分頃でした。

エレメカ研究所の入り口。開店間もない時間だが、早くも中に数人の姿が見える。

店頭には場内での遊び方や看板、それにオバQのキディライドと、かつてキディライドのトップだったと思しきパンダの置物があります。

店頭の様子4枚。①場内での遊び方の説明と、手指消毒用アルコール。コロナ禍はまだ収まっていないのだ。 ②文の里時代から看板となっているオバQのキディライド。 ③エレメカ研究所の看板。 ④かつてキディライドの乗用部分だったと思しき部分。中村製作所(後のナムコ)が1973年にリリースした「ささぶねパンダ」と似る部分があるが形が異なる。謎。

オバQのキディライドは、文の里の頃からエレメカ研究所の看板として店頭に設置されていました。体重70㎏まで利用可能とのことです。キディライドの乗用部分と思しき部分は地面に固定されておらず、ワタシが滞在中に女子が一人、乗ろうとしてバランスを崩していました。もしかすると危険かもしれないので、固定するなり「乗らないでください」の注意書きを添えるなりした方が良いのではないかと思いました。

入り口の掲示にある通り、エレメカ研究所では硬貨(現金)とメダルを併用した運営が行われています。メダルは10円ゲーム用と100円ゲーム用の2種類があり、10円ゲーム用のメダルはメダル貸出機がありますが、100円ゲーム用のメダルは遊戯料金が100円のゲームのプライズとして払い出される以外には入手できません。

機械によっては硬貨とメダル共通の投入口を持つものもありますが、殆どの機械は現金の投入口の他にメダルの投入口を取り付ける改造が施してあります。今回は設置されている機種の中から、シングルロケ向けの、いわゆる「駄菓子屋ゲーム」と呼ばれるタイプを主としてまとめておきます。

店頭には表通りに向けて4機種が設置されていました。

店頭を飾る4機種。①タッチ! アクション(こまや 1980-81?) ②カエルのうた(こまや 1990) ③山のぼりゲーム(こまや 1981) ④ロボリング(阪急工芸 1972)

過去記事「初期の国産フリッパー・ピンボール機:こまや製作所製の2機種」でも述べましたが、こまやは安易な模倣に走ることなく、創意工夫に溢れた味のある機械を数多く作ったと思います。

店内はゲーム機の配置によって二つの通路が作られています。

入り口から見て左と右それぞれの通路。左の通路の壁側には接客カウンター、右の通路の壁沿いには比較的大型の機械が並ぶ。

駄菓子屋ゲームその1。①キャッチボール(メーカー不明、1998*) ②名称不明(メーカー、製造年不明) ③ロボット(KアンドU商会、1979) ④パイパイ45(メーカー、製造年不明) (*は、斯界では有名な「駄菓子屋ゲーム博物館」のウェブサイトによる情報)(③ロボットのメーカーと発売年が判明につき修正・23/4/10)

駄菓子屋ゲームその2。①森のゆうびんやさん(メーカー、製造年不明)  ②キセノン(サミー工業、1983-84) ③スーパーカーズ(メーカー、製造年不明)  ④スーパーカーズ(メーカー、製造年不明)

駄菓子屋ゲームその3。①日米対抗試合 (トークエレクトロニクス、製造年不明) ②W・ATTACK (メーカー、製造年不明)  ③Super Flight (三共、製造年不明) ④アイスホッケー (メーカー、製造年不明)

「駄菓子屋ゲーム」は、業界紙誌で紹介されたり広告が掲載される例が少なく、またワタシ自身も駄菓子屋ゲームにはあまり馴染んでこなかったため記憶に残る機械は数えるほどしかありません。そのためメーカー名や製造年どころか本来の名称すら不明のものさえあります(上記画像「駄菓子屋ゲームその2」の③と④などはその好例)。もし、上記画像に見える機械のうちメーカーや製造年をご存じの方がいらっしゃいましたら、コメント欄などでぜひともご教示いただけますようお願い申し上げます。

(つづく)


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
games (caitlyn)
2023-04-20 03:04:38
キャラバン (Caravan):
このゲームに関する情報はありません。 所有者に会社名またはシリアル番号の銘板を確認できるかどうか尋ねるように依頼する必要がありました。 :)

ゲーム構成はほぼ同じ
1978 A級ライセンス (Class A license) by 昭和遊園機械 (Showa Amusement Park Machinery)
ただし、キャビネットは少し異なります。 この同じレイアウトは多くのゲームで再利用され、誰もが新幹線ゲームをコピーしました.

Pai Pai 45 のエントリがあります。
1978 パイパイ45 (Pai Pai 45) by 柿崎計器 (Kakizaki Keiki)

柿崎計器は変わった会社です。 彼らは、1970 年代後半に、他の会社によって作られたかもしれない多くのマシンを販売しているように見えますか? または、彼らはメーカーであり、他の会社がゲームを販売していました。 彼らのゲームの多くは異なるアートワークを使用しています。あるゲームのアートワークが不足し、別のゲームの残りのアートワークを使用しているように感じます.
これは、1970 年代後半に駄菓子屋ゲームを作った他の会社からも見られました。 新幹線のゲームのようにhttps://earlyarcadesjapan.blogspot.com/2022/11/1977-shinkansen-game-ii-space-by-kyuho.html

例えば、「パイパイ45」には「トリプルチャンス」という別バージョンがあります。
1978 トリプルチャンス (Triple Chance) by 新晃商事 (Shinko Shoji)

バイクアートを使った「パイパイ45」もあります。

2 つの「Super Cars」ゲームは、アートワークを再利用したもう 1 つの優れた例です。 最初のゲーム、広告があります。
1978 Super Cars - スーパーカー by 柿崎計器 (Kakizaki Keiki)

これは、以前のゲームと同じゲーム レイアウトです。
1977 Vanishing Point - バニシングポイント by 豊栄産業 (Hoei Sangyo)


スーパーカーのスパイラルバージョンのゲームは、
1977 ブラックパンサー (Black panther) by ウコー (Uko)
しかし、それはコピーではありません!! スーパーカーのバージョンの方が優れています。 中央にミニパチンコのプレイフィールドがあると、よりエキサイティングなゲームになると思います。
スパイラル ゲーム デザインは、1920 年代に日本のメーカーによって最初に作成されました。 :)


より多くのゲーム情報:
1982 森のゆうびんやさん (Mori no Post Office) by 友栄 (UA)
1980 日米対抗試合 (Japan-US competition) by トークエレクトロニクス (talk electronics) & K アンドU 商会 (K&U company)
1978 W•Attack - ダブルアタック by 三友商事 (Sanyu Shoji)
1976 Super Flight - スーパーフライト by 三共 (Sankyo)
1977 アイスホッケー (Ice Hockey) by コインゲーム (coin game)
Unknown (nazox2016)
2023-04-20 23:03:07
Thank you so much Caitlyn!
I will update the article with your information in the near future.

Kakizaki Keiki (柿崎計器) seems made some 10 yen games. But the company name doesn't suit the amusement industry.
I wonder what is their main business?

コメントを投稿