前回の続きで、設置してある機種のごく一部をご紹介します。
◆ATARI
Le Man(1976年)。このタイトルは何と読むのかわからなかった。今見ると牧歌的と言っても良い、なぜこんなゲームが面白かったんだろうと思うドライブゲームだが、当時は大ヒット作品だった。
Asteroids(1979)。ワタシは下手だったのであまりのめり込まなかったが、これも大ヒットし、ATARIの代表作の一つとなった。オマケの「Star Wars」は1983年。
Centipede(1981)。日本ではあまり流行らなかったが、アメリカでは今もビデオゲームが置いてある所にはこれ、もしくは「Milipede」がほぼ必ずと言っていいほど置いてある超定番機種。
720°(1986)。「2回転」を意味するタイトルは、スケートボードで技を決めるゲームであるため。回転操作しかできないジョイスティックは唯一無二だった。日本にはごく少数しか入ってきていないのは時代が早すぎたのか。
APB(All Point Bulettin)(1987)。パトカーで街を走行し、違反者を見つけて取り締まる。アメリカのパトカーのような筐体はカッコ良かったが、これも日本にはあまり多くは入ってきていなかったと思う。
Toobin(1988)。大きなタイヤのチューブに乗って川下りをする(チュービング)。これもやはり日本にはごく少数しか入ってきていないが、この頃のATARIはいわゆる「バカゲー」が多かったと思う。
S.T.U.N. Runner(1989)。ニチブツの「チューブパニック(1984)」からシューティング要素を除いたようなレースゲームで、日本ではそれほどヒットしなかったが、「コインいっこいれる」の名セリフで超有名タイトルとなった。
◆SEGA
Carnival(1980)。ワタシもかなり遊んだが、凡庸なゲームとの印象しか残っていない。一体何が楽しかったのだろうと今では不思議にさえ思うのだが、遊んでみると当時の心象が蘇ってきて、良い。
Pengo(1982)。過去記事「セガが破格の扱いを行ったビデオゲーム(1)「ペンゴ」(1982)」で触れたように、日本では「名作」と評価されているのにアメリカではあまり聞かなかったように思っていたが、ちゃんとアップライト筐体で輸出されていたのだなあ。
Zaxxon(1982)。斜めスクロールシューティング。斜めスクロールは高低がわかりにくく最初は手間取ったが、弾を発射して着弾点で高度を確認する技を覚えてからはそこそこ遊べるゲームとなった。Zaxxonはアメリカで大ヒットし、コンシューマやPCに移植されるだけでなく、「スーパーザクソン」や「フューチャースパイ」の続編も出た。
◆NAMCO
New Rally X(1981)。ナムコのゲームはパックマンシリーズほか多数あったが、最も衝撃を受けたのがこれだった。なんと画面縦使いで、英文も縦書き! 確かにゲームとしては縦横関係なくできるはずなのだが、90度回転するだけで激ムズになった。
◆SNK(新日本企画)
Vanguard(1981)。実に40年以上ぶりの再会! 今回のPLAYER 1探訪の最大のハイライト! 過去記事「1981年の新日本企画」でも触れたが、背景が縦、横、斜めにスクロールするシューティングで、前後左右4方向に弾を発射する孤高のゲームシステムで、往事はそこそこ上手にできたのだが、今は1面クリアさえできなくなっていた。
◆TAITO
Jungle King(1982)。ワタシの印象では、この頃のタイトーのビデオゲームは「粗製乱造」の時代だった(繰り返しますが、あくまでもワタシ個人の印象です)。Jungle Kingもその一つで、相当に単純なプラットフォームゲームだった。しかしそれでもワタシは懸命にプレイしていたおめでたいプレイヤーで、BGMは40年以上を経た今でも時々脳内で繰り返し再生される。左隣の「RYGAR」は、テクモの「アルゴスの戦士(1986)」のこと。
◆Bally/Midway
Tron(1982)。過去記事「TRON(Bally/MIDWAY, 1982)」でも触れたとおり、史上初のCG映画を謳った「TRON」をゲーム化したもの。ビデオゲームとしてはそれほど面白いものではないはずなのだが、映画の成功も手伝ったのか、そこそこヒットしたようだ。日本では大阪の「シルバーボールプラネット」で絶賛稼働中だが、ここで現存が確認できる2台目の発見となった。
なお、筐体の上の壁には映画に登場する「認識装置(Recogniser)」のネオンサインまで設置している。オーナーが熱烈なTRONファンなのかもしれない。
Recogniserのネオンサイン。
今回ご紹介したのは、繰り返しますが、設置されている機種のごく一部です。数十年の時を挟んで対峙すると、昔遊んだビデオゲームに当時の感覚がまざまざと蘇ります。それはカーペンターズの名曲「Yeterday Once More」の歌詞にあるように、全ての絵が、音が、今も輝いています。レゲエファンなら、ラスベガスに行かれる機会があればぜひ立ち寄るべき名スポットでした。