オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

コインマシンやギャンブルゲームやカジノの歴史的エピソードとか、時々カジノ旅行記とか、たまにスポーツやマンガとか。

【追加・訂正】「カナダからの手紙 with オールドゲームコレクション」に情報追加(その1)

2021年01月31日 16時31分19秒 | 訂正・追加等
カナダのオールドゲームコレクター、Caitlynさんのグレートなコレクションをご紹介した前回の記事「カナダからの手紙 with オールドゲームコレクション」では、メーカーや製造年など不明が多くありましたが、この記事を読まれたCaitlynさん自身から、いくつかについてフォローの画像と情報をいただいたので、今回は前回記事の補足を記録しておこうと思います。

(1)メーカー、名称不明のパチンコ機


前回、「メーカー、名称不明」としたパチンコ機。

この画像のパチンコ機は、筐体に付いていた銘板には、「DAIWA」というメーカー名と1964年の日付が入っているとのことです。この時代には「大和製作所」と言うメーカーがあったようなので、おそらくそれではないかと思われます。

この機械は、台枠の彫刻の他に、ハンドルの左上にコインスロットを取り付けるという改造が施されています。


コインスロットの部分の表と裏(赤枠内)。裏面のホットボンドで固められている下端には外国の銅貨の一部が見える。

これらの改造から、この台はCaitlynの手に渡るまでの間に、一旦別の外国人コレクターが所有していたのではないかと想像されます。

(2)FILL'EM UP



FILL'EM UPは、英国Ruffler & Walker社の、1953年の機械です。いつもお世話になっている「pennymachines.co.uk」によると、同社の設立は1934年で、少なくとも1960年代までは存在していたようです。

(3)名称不明(**ALT


前回「名称不明(**ALT)」としていた機械。

ラックの支柱に隠れて全容が良く見えなかったこの機種は、ドイツWulff社の「RIALTO(1964)」とのことでした。遊び方は、ボールを3回弾き、その組み合わせによってペイアウトがあります。1ゲームは10秒の時間制限があるそうです。

Wulff社はドイツで1950年に創立されたゲーム機メーカー・ディストリビューターです。1980年代に米国Ballyの子会社「Bally Wulff」となりましたが、日本のパイオニア製カラオケシステムやセガ・ピンボールもディストリビュートしていました。現在も「Bally」を名乗っていますが、本家Ballyは同社を売却していたはずだと思います。

(4)CASCADE


Cascadeの拡大画像。

Cascadeは英国Bell Fruit社の機械で、1971年製です。同社は欧州ではそれなりのゲーミング機械メーカーで、現存するようではあるのですが、欧州の業界再編が進んだ結果、現在は「INSPIRED」というグループ会社の一部門なんだか子会社なんだか、よくわからない状態になっています。

(5)Skill Roll


Skill Rollの拡大画像。

米国Bally社、1956年製です。Caitlynはこれが日本の10円ゲームに強い影響を与えていると考えています。これにはワタシも同意できるのですが、日本の10円ゲームのメーカーとこのSkill Rollとの接点は謎です。

画像が多くなってきましたので今回はここまでとして、残りは次回にしようと思います。
(その2につづく)

カナダからの手紙 with オールドゲームコレクション

2021年01月24日 21時37分49秒 | ピンボール・メカ
しばしば拙ブログにコメントをくださるカナダにお住いのCaitlyn Pascalさんは、メカを伴うオールドゲーム機を幅広くコレクションされています。その中の、スマートボール、ラッキーボール、パチンコ、アレンジボールなど日本のゲーム機は、日本人であるワタシが見ても驚愕するほどです。最近は大洋産業の「サーカス」の美品を日本のネットオークションで入手したと知らせてくれました。


Caitlynが購入した大洋産業のサーカス(1978)。日本から機械を購入するのはこれが4回目だとのこと。

そのCaitlynが、最近ご自分のコレクションルームの画像を送ってくれました。


画像:Caitlyn'sコレクション画像1

★Caitlyn'sコレクション画像1
・上段手前から奥へ
パチンコ機(名称、メーカーなど一切不明)
FILL'EM UP
名称不明(**ALT?)
Cascade 一切不明


このパチンコ機は、単発式でチューリップがあるので1960年以降1969年以前のものであることはわかりますが、台枠に彫刻が施されているところが謎です。ワタシはかつてこんな台枠のパチンコ台を見たことがありません。玉の投入口もオリジナルではなさそう見受けられます。

「FILL'EM UP」以降のウォールマシンについては、ワタシは詳しくありません。ワタシが持っている書籍類は米国製の機械に関するものが殆どですが、パチンコのハンドルによく似た機構を持つ機械は欧州に多く、米国製ではあまり見かけることが無いため、資料が無いのです。ただ、これらのような機械は20世紀の初めに日本にも持ち込まれ、「日本娯楽機」という日本最古の娯楽機メーカーがこれを手本としてゲーム機を製作し、日本のAM業界の嚆矢となりました。

・下段手前から奥へ
アポロ1号(タイヨーエレック、2004年)。
名称不明パチンコ(平和、1970年代半ば以降)。
CIRCUS(大洋産業、1970年代)


「アポロ1号」はアレパチです。調べると、大当たり確率は1/149.5、最大出玉は2016個とのことですが、ワタシはアレパチは全くわかりません。

名称不明パチンコについては、連発式であることと、センター役物から、1970年代半ば以降のものと思われます。連発式は1969年に解禁され、これと同時にセンター役物の自由開発が許されるようになりました。その当初のセンター役物は円形だったのですが、70年代半ばころからからダルマ型の中に様々な仕掛けを仕込むようになっています。

「CIRCUS」は、最近Caitlynが購入した日本製プライズ機です。別の筋から聞くところでは、昨年末頃にデッドストックの未使用品が相当量放出されたようなのだそうです。コレクションを考えている人は、常日頃ネットオークションをウォッチしておく必要がありそうです。ただ、中には状態が悪いものをとんでもない値段で出品する人もいるので、注意は必要です。ゲームとしては三共の「パスボール」によく似ていますが、小型化されており、また景品の払い出しは乾電池駆動のモーターで行っています。


画像:Caitlyn'sコレクション画像2

★Caitlyn'sコレクション画像2
・左から右へ
KICK OFF(Bally, 1977)
JURASSIC PARK (Stern, 2019)
REGATTA (Williams, 1955)
SKILL ROLL (Bally, 製造年不明)


KICK OFFはサッカーテーマのピンボール機です。当時のアメリカではサッカーはあまり人気があるスポーツとは言えなかったはずなのですが、実はこの機械は米式蹴球テーマの「QUALTER BACK (1976)」をヨーロッパ向けにスキン替えしたものだそうです。

JURASSIC PARKは、Caitlynの趣味には珍しい、比較的新しいSS機です。

SKILL ROLL は、確かラスベガスのPinball Hall of Fameにあったような気がします。日本の駄菓子屋ゲームとして良く知られている「新幹線ゲーム」の元ネタなのかもしれません。

この画像には他にも、シュートレーンへのボールロードが手動だった時代のかなり古そうなピンボール機と思しきものが「KICK OFF」と「REGATTA」の下に見えます。また、壁にはビデオゲームのマーキーや、ピンボールのバックグラス及びプレイフィールドが目を引きます。


画像:Caitlyn'sコレクション画像3

★Caitlyn'sコレクション画像3
・上段手前から奥へ
パワールーレット (西陣、19801978)
グローリーボールデラックス(メーカー、製造年不明)
アレンジボール(さとみ、1970年代半ばころ)


パワールーレットは「電ヤク」ものです。天穴に入ると電光ルーレットが廻り、台枠左のボタンを押すと止まります。最終的に止まった数字の数だけチューリップが開きますが、目押しが効いたので、上手な人は効率よく出玉を増やせました。1978年から79年にかけてのインベーダーブームでビデオゲームに客を取られたパチンコメーカー各社は、なんとか客足を取り戻そうと、さまざまな電気仕掛けの役物を搭載した機械を開発しており、これもその一つで、ずいぶん普及していたように思います。しましたが、このパワールーレットはまだパチンコVSインベーダーの戦いが本格化する前に出ており、デジタル技術がパチンコに導入されるくらいまで普及してきたことを指し示す例と思います。

グローリーボールデラックスは全くわかりません。筐体左にあるメダル投入口から、アレンジボールと同様の風俗営業機と思われるのですが、ワタシは市場で見たことがありません。どなたかご存知の方はいらっしゃいますでしょうか。

アレンジボールが風俗営業の認可を受けたのは1972年ですが、このアレンジボールはセンターのチャッカ―が初代のものではありません。

それにしても、アレンジボールのメダルラックにメダルがセットされているのはたいしたものです。

・下段手前から奥へ
コリンスボール(ラッキーボール)
ダイスゲーム(メーカー、製造年不明) 
ゴールデンポーカー(ボナンザ?、1980?)
ピンボール機2種(メーカー、製造年不明)


コリンスボール(ラッキーボール)は、お祭りなどの露店でよく見られるもので、Caitlynのお気に入りの一つです。しかし、この個体は若干損傷があるとのことで、彼女は完全な個体を欲しがっています。ワタシもちょいちょい心当たりを見ていますが、リプロはすぐに見つかるものの、オリジナルはなかなか出てきません。どなたか50年代から60年代のオリジナルを入手できる機会をご存知でしたらご教示いただければ有難く存じます。

ダイスゲームは、この種のものをどこかで見た覚えはあるのですが、名称やメーカーは思い出せません。ガム自販機とTILTが付いているので20世紀初頭のものと思われます。

ゴールデンポーカーは、カウンタートップ筐体と言うことは、おそらくGマシンとして売られていたものと思われます。そして、日本でポーカーゲーム問題を起こしたボナンザの製品かもしれません。

ピンボール機2種は、おそらく1930年代から40年代の機械と思われますが、機種を特定できません。

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Caitlyn自身も、主にオールドゲームに関するブログを公開されています。英語表記ですが、オールドゲーム(特にメカ・エレメカ)に興味がある方には楽しめると思いますので、よろしければ覗いてみてください。
so I bought a pinball machine

また、日本にもコレクターはいるはずと思うのですが、Caitlynのように個人でコレクションルームまで作ってしまっている人にはあまり出会ったことがありません。住宅事情の違いもあるのかもしれませんが、もし皆さんの中でコレクションを披歴してみたいと思われる方がいらっしゃいましたら、画像をお送りください。喜んでご紹介させていただきます。そしてできれば、オールドゲームの情報を広く世界に広めましょう。

【追加・訂正】二つの過去記事への情報追加メモ

2021年01月21日 22時27分39秒 | 訂正・追加等
二つの過去記事で、不明としていたいくつかが判明したので、記事を修正したのでメモ。

(1)大阪レゲエ紀行(7・最終回)) DAY 2・その2:大阪駅前第2ビルB1「ZERO」(2019年4月14日掲載)
ウルトラガン」について 「メーカー、製造年不明」 → 「関西精機、60年代半ば」 出典はアミューズメントジャーナル2018年8月号 P.51。
ホームランゲーム」について 「メーカー、製造年ともに言及無し」 → 「日本展望娯楽機、1969年以前」 出典は遊戯機械名鑑’69。
バッティング」について 「メーカー、製造年ともに言及無し」 → 「日本自動販売機、販売時期不明」 出典は頂き物フライヤー。

(2)ユニバーサル@1977 (2020年11月1日掲載)
ユニバーサルの出世作「Time80」を、日本自動販売機株式会社が販売していた件について
→ 当時の日本自動販売機はタイトーの子会社になっていた。その日本自動販売機には、ユニバーサルの社長である岡田和生氏の実兄、岡田正生氏がTime80の販売拡大のために移籍しており、Time80を販売していた。なお、Time80は、1万台以上売れた初のAM機と言われている。 出典はアミューズメントジャーナル2017年1月号 P.70。

長年の謎が明らかになるのはうれしいものです。

IPDB、こまやなど日本製5機種をリストに追加

2021年01月17日 20時14分40秒 | ピンボール・メカ
前回の記事で、ワタシはピンボール関連ウェブサイトの世界最高峰である「The Internet Pinball Database(IPDB)」に、タイトーの「アポロボール」についての情報をメールでタレ込んで以降、情報の交換を続けていると述べました。

そのやりとりの中で、IPDBから、「Caitlynが彼女のブログで言及している『ビート&スパーク』と『ジャンボキック』について教えてもらえまいか」とのご質問がありました。

この「Caitlyn」とは、拙ブログにしばしばコメントをくださっているカナダのCaitlynさんのことです。今月2日、彼女はご自分のブログで「exploring the arcade in ずべ公番長 ざんげの値打もない 」と言う記事をアップしました。そこには、「ずべ公番長~」というタイトルの邦画(調べたら東映が1971年に製作したものだった)に登場するゲーセンのシーンがいくつか掲載されていました。

Caitlynさんはよくこのように古い日本のTVや映画からゲームセンターのシーンを拾い出して、そこに登場するゲーム機を同定しようとされています。ご本人は「自分は日本語はまったく解さない」とおっしゃっていますが、それにしてはどこからこんな情報を得るのか不思議です。というのはともかくとして、キャプチャ画像には、ワタシが一昨年の夏に大阪駅前第2ビルの「ZERO」というゲーセン(その後惜しまれつつ閉店)で見た「ホームランゲーム(日本展望娯楽、1960年代)」(関連記事:大阪レゲエ紀行(7・最終回)) DAY 2・その2:大阪駅前第2ビルB1「ZERO」)と、「ジャンボキック」及び「ビート&スパーク」と読めるバックグラスを持つゲーム機などが見えます。




Cailtynさんのブログに掲載されている、映画「ずべ公番長 ざんげの値打もない 」画像の一部。1枚目には「ホームランゲーム」が、2枚目にはバックグラスに「ビート&スパーク」と「ジャンボキック」の文字が見えるゲーム機がある。

実はワタシは、IPDBからご質問をいただく前に、Caitlynさんからこれらのゲーム機について何か情報を持っていないかと言う内容のメールをいただいていました。残念ながらワタシは、そこに見えるゲーム機のメーカーや製造年などがわかる資料を持っておらず、せいぜい「ジャンボキック」と「ビート&スパーク」の2機種は、日本娯楽機の「ウルトラアタック」(関連記事:初期の国産フリッパー・ピンボール:ウルトラアタック(日本娯楽機、1970年代?))と類似または一致する特徴が見られると指摘するのが精一杯でした。

また、IPDBからは、「Caitlynから聞いた」として、拙ブログの過去記事「初期の国産フリッパー・ピンボール:こまや製作所製の2機種」のリンクを示して、「ここに掲載されているフライヤー画像でもっと解像度が高いものを入手することはできるだろうか」との問い合わせもいただきました。このフライヤー画像は、「ナムコチラシ研究所」というブログを運営されているニャームコ2865さん(Twitter ID:@discbar)からご厚意で送っていただいたものですが、ブログに掲載するにあたっては推奨サイズに縮小していたので、縮小前の画像を送りました。

こうして何度もやり取りを重ね、遂にIPDBに以下の日本製ピンボール機5機種が新たに追加されました。

*Beat & Spark (ビート&スパーク)* - https://www.ipdb.org/machine.cgi?id=6771
*Jumbo Kick (ジャンボキック)* - https://www.ipdb.org/machine.cgi?id=6772
*Let's Go Moon! (レッツゴームーン)* - https://www.ipdb.org/machine.cgi?id=6773
*Indy Game (インディゲーム)* - https://www.ipdb.org/machine.cgi?id=6774
*Crazy 15 (クレイジー15)* - https://www.ipdb.org/machine.cgi?id=6775

IPDBは日本製の古いピンボール機を掲載することにも積極的ですが、ただ、今回追加された5件は、「存在が確認されている」くらいの情報しかなく、まだまだ十分と言うにはほど遠い状態です。もし、拙ブログをご高覧くださっている皆様の中で、メーカー情報、筐体画像、フライヤーなどの資料、エピソードなどご存知の方がいらっしゃいましたら、IPDBにご寄稿下さるか、または拙ブログにてお知らせいただければお取次ぎいたします。

また、上記以外の初期の国産ピンボール機についても、提供しても良いという資料がございましたらお知らせください。皆様のご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。

IPDBと「アポロボール(TAITO, 1971?)」

2021年01月10日 15時02分05秒 | ピンボール・メカ
The Internet Pinball DataBase IPDB)」と言えば、世界中のピンボールファンであれば知らない人はいない、神とも言うべきウェブサイトです。ワタシも拙ブログを書く上だけでなく、単なる趣味としてもしょっちゅう参照させていただいています。

ワタシは最近、このIPDBのオーサーと、連日のようにメールでやり取りをしています。話の発端は、IPDBのリストの中に「Apollo Ball」の名を見つけたことにありました。

IPDBにおけるApollo Ballの記述

そこには、「Ballyがモデル番号860として69年9月25日にリリースした6カードタイプのビンゴピンボール。その後どうなったかの情報は無い」としか述べられておらず、画像資料もありません。

アポロボール?
6カードビンゴ?
なんか見たか聞いたかした覚えがあるぞ?

と思って手持ちの資料をひっくり返していたら、拙ブログをご高覧くださっている方から以前いただいた膨大なフライヤーのデジタルデータの中に発見しました。




上はアポロボールが掲載されているタイトーのフライヤー。最下段の中央にあるのが「アポロボール」。下はアポロボール部分の拡大図。他に掲載されている機種などから、頒布時期は1971年以降1972年以前に絞られる。頂きもの画像をドヤ顔で掲載してしまうのは気が引けるが、今回は話の流れで乞うご勘弁。

このフライヤーの裏面には「太東貿易」の社名が印刷されています。「太東貿易」が「タイトー」に変わったのは1972年のことです。また、やはりアポロボールが掲載されている同形式のフライヤーは他にも2つあり、そのうちの一つには新たな社名の「タイトー」が記載されていることから、アポロボールは遅くとも1972年、早ければ1971年かそれ以前から販売されていたことになります。

ほぼ同じ時期に、セガは「スキルボール」と言うやはり6カードタイプのビンゴ機を売り出しています(関連記事:スキル・ボール(初の国産ピン・ビンゴ)と大岡山のオリンピアセンターの記憶)。セガとタイトーは、やはり風俗営業機である「オリンピア」で既にコラボしており(関連記事:オリンピアというパチスロの元祖についての謎)、アポロボールもひょっとするとその延長線上にあるものかもしれません。




スキルボールのフライヤーの表紙部分(上)と筐体部分の拡大図(下)。本来は横に長い1枚を折り畳んで両面6ページになっている。

オールドゲームの記録を残しておくという共通の目的を持つ者としてこれをIPDBにお知らせしておくのも務めであろうと思ったワタシは、極めて不得手な英文メールを苦労して作成し、上記画像と共にIPDBに送りました。

「拙者nazox2016と申すものでござりる。ニッポンのジャパンからお送りしているある。これが貴殿のIPDBリストにある『Apollo Ball』と同一のモノかどうか定かではないあるが、ニッポンのジャパンのタイトーが1971年頃に「アポロボール」という6カードタイプのビンゴ機を販売しているます。実はセガの「スキルボール」がほぼ同じものと思料されりる。この頃、セガとタイトーはパチンコ市場の機械でコラボっていたので、アポロボールはスキルボールのOEMかなんかの可能性もありる。
*注釈*:アポロボールとスキルボールはゲームのトークンを賞品と交換可能なパチンコパーラー向けの機械なり。
この情報から何か新たにわかりることがあるれば幸いです。よろしき。」


ワタシのメールは、ネイティブにはきっとこんな感じで読まれていると思いますが、大意は伝わったようで、翌日には「タイトーのアポロボール」と「セガのスキルボール」2機種のリストがワタシが提供した画像とともにIPDBに追加されました(素早い!)。

IPDBの「Apollo Ball (アポロボール)」
IPDBの「Skill Ball (スキルボール)」

IPDBからは丁寧な返信のメールをいただきました。その後、日本製のピンボール機に描かれている日本語の記述について質問されたり、こちらからはその回答や追加の補足資料を送ったりなどのやり取りが現在進行形で続いています。その中で聞いた、IPDBのオーサーが子供時代を過ごした1960年代の沖縄での話は、ワタシにも懐かしく、郷愁を誘われます。沖縄在住時代は彼にとって人生の上で極めて想い出深い期間だったそうで、「当時の話ならいくらでもできる」とおっしゃっています。

かつて敵と味方に分かれて戦っていた日米の市民が、今は趣味を通じてこうやって交流できる平和が本当にありがたいです。彼からは現在も新たな質問をいただいているので、本記事をアップした跡で、また大汗をかきながら英文の返信メールを書きます。

なお、アポロボールのゲーム内容については、上述「関連記事:スキル・ボール(初の国産ピン・ビンゴ)と大岡山のオリンピアセンターの記憶」の「スキル・ボールの遊び方」をご参照ください。その中の「ブラボー賞(ボーナスゲーム)」は、アポロボールでは「アポロ賞」と称しているようです。