◆本日の主な行動予定
・ゴールドコーストをチェックアウトする。
・昼の1時、現地在住の友人Gさんと、空港の東に新しくできたラーメン屋で昼食。
・夕方の6時半、現地在住の友人Sさんと、オーリーンズのオイスターバーで夕食。
・深夜、どこかのカジノで出発まで過ごす。
・明朝7時にレンタカーを返却後、空港に行き帰国の途につく。
以上。
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いよいよ最終日。朝9時ころに目覚める。バフェイで朝食の後、部屋に戻り荷物を引き上げて車のトランクに詰めれば残りの帰り支度は昼までにゴールドコーストをチェックアウトすることのみ。以降、明朝の出発まで宿無しの身となるが、どうせ最後の夜は一晩中カジノで過ごすので大きな支障はないし、そうやって寝不足状態を作り上げていれば、帰りの飛行機では眠って過ごすことがし易い。
Gさんとの待ち合わせ時刻にはまだ早いので、カジノでゲームをして過ごす。
Aristocratの、あまり見かけたことのない新しいスロットマシンがあったので試しに遊んでみたら、ボーナスゲームに頻繁に入ってくれて楽しい。最終的にお金はそれほど増えなかったが、十分に遊べた。
昼過ぎ、Gさんと待ち合わせている「
HANA RAMEN」へ。場所は、マッキャラン空港の東端に隣接するウォルマート・スーパーストアのある辺り。横浜家系を謳うが、塩や味噌、カレーラーメンなどもある。ワタシは13.95ドルと少し高い、店一押しの「
Meat Lover」ラーメンを注文。Gさんは別のラーメンの他に、「今夜の夕食用に」と、チャーハンと餃子を持ち帰りで注文していた。
(1)HANA RAMENの外観。 (2)店内。あまり広くない。 (3)卓上のメニューから、ラーメンの部分。 (4)Meat Loverラーメン。背脂もたっぷりの濃厚系は、ワタシの好むところ。
「Meat Lover」の厚切りチャーシューはさすがアメリカと思わされる。横浜出身だという日本人のあんちゃん店員もフレンドリーで良い。麺のゆで方が私の好みより柔らかめであったので、そこまで指定できればなおいいのだがと言ったら、Gさんは「言えばやってくれると思いますよ」と言う。リピートしても良いと思える店なので、次回来たときは「麺硬めでお願い」と注文してみよう。
Gさんと別れた後、「
Pinball Hall of Fame」に立ち寄って1時間ほど遊んでから
オーリーンズに行き、T本と合流する。ポーカープレイヤーのT本はポーカールームへ行き、ワタシはプログレッシブが溜まっているVPのトリプルプレイで、ディナーまでゲーム。しかし、どうにも良くない。お金が結構なペースでなくなっていく。
昨日も、ゴールドコーストに戻ってからいくらかゲームをしたのだがいいところがなかった。クラップスでは、最初にバイインした200ドルは4ゲームで全部溶け、リバイした200ドルもすぐに風前の灯火まで追い込まれた。その後は若干盛り返しもしたが、結局3時間ほど遊んで200ドルを失っている。それまでの収支は僅かにプラスだったのに、これ以降はずっとマイナス傾向となり、その趨勢を今日も引きずっている。そろそろ、
25セントデノミではロイヤル様の降臨でもない限り一撃で取り返すことが難しいくらいへこんできた。
そうこうしているうちにSさんとの待ち合わせの時間が近づき、T本もやってきたので、オイスターバー「
Big Al's」の前でSさんを待つ。Sさんがなかなか来ないと思ってSNSで連絡したら、「私も店の前にいますよ」と言うのできょろきょろしたら、数メートル離れたところにいた。お互い全然気づかなかったと笑いながら店に入る。
Big Al'sで注文したもの。(1)生カキ1ダース。 (2)ロックフェラー半ダース (3)クロウフィッシュ。大きくて食い応えがあった。 (4)ワタシが注文したクラムチャウダーは、ラーメンどんぶりほどの大きさの器に盛られていて、これだけで腹はかなり膨れる。
オイスターバーでの勘定は溜まりまくっているワタシのコンプダラーで支払い、SさんとT本にはチップ分だけお願いした。3人で
生カキ1ダース、
ロックフェラー(殻付カキにチーズ、ガーリック、ほうれん草などを乗せてオーブンで焼いたもの)半ダース、
クロウフィッシュに、それぞれがアラカルトと飲み物を注文して120ドル弱はそれだけで安いと思うが、感覚的には実質タダなのでなおさらお得感がある。
Sさんと別れたのち、T本もワタシもゲームに戻る。T本が言うには、最近のラスベガスのポーカールームでは「
ルーズ・アグレッシブ」スタイルのプレイヤーが多いらしく、そうなるとほとんど運任せのスロットマシンを引くようなゲームになり易く、ツイていないと簡単に軍資金が減ってしまうとのことだった。そしてT本も今のワタシ同様、良い流れに乗れずかなりお金を失っていると言う。
カジノで遊んでいられるのも残すところあと10時間ほどしかないので、いっそこの辺で勝負を大きくしてみようと思い立ち、
$1シングルプレイのDDB・Aces & Facesに移動した。DDBは分散が大きい、ハイリスク・ハイリターンの機種だが、「Aces & Faces」は
A及びJ~Kのクワッズにボーナスが付くので、同じペイアウトスケジュールなら、通常のDDBよりもPO率は高くなる。
それにしても、キャシーの世話になっていた頃は$1デノミのVPを打つのは当たり前だったし、だからこそコンプも比較的簡単に得られていたのだろうが、ローカルやダウンタウンを定宿とするようになってからは殆ど25セント機ばかり打つようになっていたので、若干緊張感が高まる。昔はよくこんなおっかないゲームを平然と打っていたものだ。もっともあの頃は、ニューヨーク・ニューヨークにも、その他のストリップエリアのカジノにも、フルペイのピッケムやDBが普通に転がっていたということもあったのだけれども。
運よく、最初に投入した$100ドルがなくなる前にレギュラーのクワッズが出てくれた。そしてさらにあまり間を空けずに再びレギュラーのクワッズが出て、クレジットは500ドルを超えた。これで少し楽になると安心しかけたが、その後は鳴かず飛ばずとなり、残りクレジットが200を切って不安が頭を持ち上げてきたころ、デルトストレートフラッシュが出た。
デルトストレートフラッシュ。ワタシがデルトストレートフラッシュを引くのはこれが生涯3度目だが、先の2回は最高峰であるロイヤルフラッシュで、レギュラーのデルトストレートフラッシュは初めての経験となる。そう考えると、ワタシはツイていると言うべきだろうか。
起死回生のストレートフラッシュで息を吹き返したと思ったのもつかの間、その後もクレジットは着々と減り、またもやクレジットが200を切ったところでQのトリップスが配られた。クワッズに発展すれば最低でも400ドル、キッカーが絵札以上なら800ドルになる手だ。祈る思いでドロウボタンを押した結果がこれ。
Qのクワッズ。キッカーがJなので800ドルになる。
しかし、クレジットが1000にわずかに届かなかったので、欲を出して続けていたらまた少し減ってしまい、結局800ドルでこのセッションを終える。それでも収支は原点を僅かに上回る程度に回復した。
資金の余裕ができたワタシは、プログレッシブ目当てで再びトリプルプレイに戻るが、依然として手に恵まれない。いや、それどころか、今回の旅で最悪のコールドストリークに突入し、さっきAces & Facesで得たお金の大半を失うと言う
ドイヒーな展開となってしまった。
カジノを発つまでの残り時間は3時間ほどに迫ってきた。ワタシは夢よもう一度と、再び$1のDDB・Aces & Facesに移ったところ、比較的あっさりレギュラーのクワッズがでて、更にその僅か2分後に、Aces & Facesならではのビッグハンドが降臨してくれた。
クズ手の場合、絵札を残すのはJB系ポーカー共通のセオリーだが、Aces & Facesではさらにそこからクワッズに発展する期待が膨らむ。このようなクワッズは、まさにAces & Facesに期待する結果の典型例。
二度の危機を乗り越え、もう残り時間も少ないのであとは流して過ごそうと思っていたところにT本がやって来て、全くつかず結局有り金を使い果たしたと言う。いくらか融通しようかと申し出たが、散々打ちのめされて心が折れたし時間もあまりないので、あとは24h営業のフードコートで夜食でも食べてのんびり過ごすと言うので、ワタシもハンバーガーのファドラッカーズでコーヒーを付き合う。
最後の1時間ちょっとでは、ワタシはトリプルプレイに最後の勝負をかけたが、結局ロイヤル様が降臨することはなく、若干お金を減らして時間切れとなった。それでも財布の中のお金は、この旅に出発した時よりもわずかに増えていた。T本と共にレンタカーセンターで車を返却し、シャトルバスで空港に向かった。
しかし、旅はまだ終わらなかった。飛行機に乗り込んですぐに眠りに落ちたワタシがふと目を覚ますと、飛行機はまだ地上にいる。いくらか寝た気がしていたのに束の間まどろんだだけだったのかと思って時計を見たら、出発予定時刻を1時間半ほども過ぎている。これが、この後に起きるもうひと騒動の前兆であったとは、この時点ではまだ想像できなかった。
(以下、最終回につづく)