オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

コインマシンやギャンブルゲームやカジノの歴史的エピソードとか、時々カジノ旅行記とか、たまにスポーツやマンガとか。

新ラスベガス半生中継2024年(3) DAY 3:例によって(主に)ゲーセン巡り+Sphere

2024年11月03日 17時45分40秒 | 海外カジノ

◆本日の行動予定(「再」は昨年も訪れている場所、「初」は今回初めて訪れる場所)
①(再)ギャンブル関連グッズ店「ギャンブラーズ・ジェネラル・ストア」
②(再)ギャンブル関連グッズ店「スピネッティス・ゲーミング・サプリーズ」
③(再)ノース・プレミアム・アウトレット
④(初)コストコ
⑤(再)ラウンド1・メドウズモール店
⑥(初)SASUKE的「スパイ・ニンジャ・HQ」 屋内テーマパーク。
⑦(再)スフィア 球状劇場。
⑧(初)「Player 1」 ビデオゲーム・バー。
⑨(再)Jerry's Nugget カジノ(目的はカフェ)。

三日目の巡礼地図。

**************** 第3日目

①現在地に移転後のギャンブラーズ・ジェネラル・ストアはどうも活気が無いように思われる。90年代からラスベガスに行けばほぼ毎回立ち寄って来たし、おそらく今後もそうするだろうとは思うが、以前ほどの期待は感じられない残念な店になってしまった。

②「スピネッティス・ゲーミング・サプリーズ」は、ギャンブラーズ・ジェネラル・ストアと同種の店だが、客がいなくても店内にヤる気が感じられる。昨年は「パンチボード」がいくつか陳列されていた(関連記事:新ラスベガス半生中継2023年G2Eショウ(2) DAY 2・その1:今日もゲーム三昧、のはずが
ので今年は一つ買って帰ろうと思っていたが、なくなってしまっていた。同行者の一人が古着コーナーから4年前にクローズしたカジノ「テキサス・ステーション」のロゴが入った上着($30くらいだったか)を買っていた。テキサス・ステーションは25年くらい前に一度だけ行ったことがあり、スロットマシンで少しお金が増えたので記念にロゴ入りのバスタオルを買って帰った思い出のカジノだった。

「テキサス・ステーション」のロゴ入りジャケットを試着する同行者。サイズが合えばワタシが欲しかったものだった。

ノース・プレミアム・アウトレットで買い物だが、円安のためおトク感は殆どない。ワタシは長年使ってすり切れた定期入れと財布の代替品と、女房への土産にロクシタンでハンドクリームの大きいチューブを買う。リーバイスでは特に買うべきものがなかった。

④同行者の一人が「コストコ」の会員で、出発前からラスベガスのコストコに行ってみたいと言っていたので、プレミアム・アウトレットの近くにある店に行ってみた。「コストコ」は会員制だがビジターを二人まで同伴できるので、我々も入ることができる。だが、店の規模は思ったほど大きくない。日本では格安のホットドッグが大人気だが、残念ながらこの店にはフードコートが無かった。それでも外国のスーパーを見るのは楽しい。

①コストコの入り口。②~③肉売り場の肉は5kg、10kg、あるいはそれ以上のボリュームで売られている。④巨大なソーセージに見えるものはひき肉の真空パック。脂肪の含有量によって単価が異なる(脂肪分が少ない方が高い)。

⑤昨年も訪れた「ラウンド1・メドウズモール店」。初日に行った「サウス・プレミアム・アウトレット店」のゲームカードが共通して使える

左上:こちらは8レーンのボウリング施設があるが、この時は誰もプレイしていなかった。もともとガチなボウラーが来るところではない。 左下:ここにも99¢アイスクリームがあったので三人でいただく。だって食べないとソンだし。 右:ここもジャパニーズスタイルのタコ焼きや餃子を看板に掲げていたが、我々が行った昼ころはノットアヴェイラボーだった。

⑥「スパイ・ニンジャ・HQ」は、1500万のチャンネル登録者数を持つユーチューバーが今年の3月にサハラ通りの西にオープンした施設で、「全年齢向けアクション+アドベンチャーパーク」を謳っている。ゲーム施設もあるが、スポーツ要素のあるアトラクションやバーもあり、従来のゲームアーケードとは一線を画す。

2階には「RETRO BAR」というバーがあり、その周辺には70~80年代のビデオゲームがたくさん置かれている。ここでは画像が紹介しきれないので、近い将来に別の記事「ラスベガス・レゲエ紀行」として記録しておこうと思う。

①外観。 ②店内の一部。1階のゲームコーナーの頭上にアトラクションのコースが見える。 ③トイレのサインは共感力が高くてよい。 ④2回にある「レトロ・バー」。この周辺には70-80年代のビデオゲームがプレイヤブルな状態で置いてある。

2階の「レトロ・バー」と、その周辺のオールドビデオゲーム。本シリーズ終了後に「ラスベガス・レゲエ紀行」として記録するつもり。

⑦「Sphere」。昨年よりも中央に近い良い席だったにもかかわらず、同じプログラムだったので、およそ$120も出したのに不覚にも眠気を催してしまった(関連記事:新ラスベガス半生中継2023年G2Eショウ(7) DAY 5・事実上の最終日)。とは言え、初めての二人は相応に感銘を受けているし、一度は観ておいても良いものだとは思う。

⑧「Player 1」は、ストリップの東を南北に並行するメリーランド通り沿いの、サハラ通りに近いところにある。モノレールのサハラ駅から約2kmの距離は歩けないことは無いが、やはり車で来るべきところだろう。しかし、この店の売り物はレトロゲームとビールで、「Video Game Bar」を謳っている。

ワタシは今まで、カジノで負けが込んで泣きそうになった時は、だいたい「ピンボール・ホール・オブ・フェイム」に逃げていたものだった。しかし「Player 1」の存在を知った今、逃げる先の有力な選択肢が一つ増えた思いが強い。車があるのでビールこそ飲めないが、入場料(たしか8ドルくらい)を払えば場内のレトロなビデオゲームが遊び放題(ピンボールは別料金)で、時間制限もない。「ジャングルキング(タイトー、1982)」や「ヴァンガード(SNK、1981)」を40年以上ぶりに遊んだらめっきり下手になっていた。次回巡礼でもきっとまた訪れたい。

①外観。 ②ピンボールコーナー。こちらは別途料金を要する。 ③コンシューマーゲームも遊び放題。 ④たくさんのビールのタッパーが並ぶバー。

①シカゴ・コインのエレメカ機「DEFENDER」(1971) ②Punch Out (任天堂、1984) ③アタリの「アステロイド」と「スター・ウォーズ」(1979、1983) ④TRON(Bally, 1982)

⑨夕食は、アメリカに来たのだからやはり肉を食べようということで、昨年に続いて今年もJerry's Nuggetのカフェ。ワタシは昨年はハンバーガーを食べているが、今年はプライムリブの「Thick Cut(厚切り)」をいただく。$46.99とはずいぶん高くなったと思うが、今後何回来れるかわからないので体験できるうちにしておこうと思い切った。一応メニューには「28-30オンス」と書かれており、2ポンド未満なら余裕だと思っていたが、食べ終わったらかなり苦しくなっていた。

①セットのサラダ。 ②軟らかくておいしい厚切りのプライムリブ。ワタシは塩で食べるのを好む。 ③前回記録し忘れていた、二日目の昼食。中華街の「Pho Kim Long」でいただいた「ビーフ&ミートボール」のフォー。

【本日のゲーム】
ホテルに戻り、今回初のクラップスに手を出した。ミニマムは$10。オッズベットは3-4-5。最初にバイインした$200は3プレイで溶け、続いて$200をリバイするがこれも3プレイで溶けた。こんなはずはないとまたもや$200をリバイして、2プレイ目でやっとポイントが出たが、その後の2プレイで全部溶けた。

あっという間に$600を失い、手元に残った$15のチップをどうしようかとカジノ内をうろついていたら、中年の男性東洋人が一人しか付いていないブラックジャックテーブルをみつけたのでそこに座る。1ゲーム目は勝ち、パーレイしてまた勝った。$60になったので以降$30ずつベットしていたら、$200くらいまで増えていた。

一緒にプレイしていた東洋人はベイシック・ストラテジーを守る好ましいプレイヤーで、ゲームの合間に「あなたのプレイスタイルはベイシック・ストラテジーですね」と話しかけてみたら、よくぞ理解してくれたとばかりに喜ばれた。「ディーラーのアップカードが10なのに自分の手が16だとスタンドしてしまう人が多いんだけどね」などと話が弾んで、そう言えばテーブルゲームにはこういうコミュニケーションを楽しむこともあったのだなあと思い出した。そこに一人の気のいい白人のあんちゃんが入ってきて、互いに名乗り合った。東洋人は「ボー」と名乗り、「どんな字を書くのか」と尋ねたら、「波、サンズイにカワです」と日本語で答えられた。やはり世の中、油断してはいけない。

一時は$300まで増えていたものが$100くらいまで減ったのでやめて、本日最後の一勝負のつもりでビデオポーカーのDDBAFをやったら、Aces & Facesならではの大当たりが出てくれた。

Aのペア残しから、4As+絵札に発展、500ドル。Aces & Facesならではの大当たり。

クラップスで溶けた$600ドルは、ブラックジャックとビデオポーカーで僅かなマイナスで済むまでに取り返すことができた。しかし、これが今回の巡礼の最初で最後の輝かしい結果になるとはこの時点では思っていなかった(こともないか?)。

(つづく)


新ラスベガス半生中継2024年(2) DAY 2:今日も今日とてゲーセン巡り

2024年10月27日 18時20分46秒 | 海外カジノ

◆本日の行動予定(「再」は昨年も訪れている場所、「初」は今回初めて訪れる場所)
①(再)サーカス・サーカス内のマンガ関連グッズ店「VEGAS MANGA」
②(再)同じくサーカス・サーカス内の娯楽施設「The MIDWAY」
③(初)珍しいゲーセンらしいゲーセン「GAME NEST」
④(初)クレーンゲーム機専門店「THE Claw」
⑤(再)Pinball Hall of Fame
⑥(初)NYNY内のアーケード「Big Apple」
⑦(初)エクスカリバー内のアーケード「Fun Dungeon」

二日目の巡礼地図。

**************** 第2日目

①本日の皮切りは、ラスベガスのサブカル事情を覗くつもりでサーカス・サーカスのマンガ関連グッズ店「VEGAS MANGA」。昨年も訪れており(関連記事:新ラスベガス半生中継2023年G2Eショウ(3) DAY 2・その2:本日のゲーム三昧)それから大きな変化があったわけでないが、初ラスベガスの二人のために今回も来た。まだ朝10時過ぎと早いせいか盛況と言うほどではないが、少なくともこの1年維持できているのだからそれなりに人気はあるのだろう。アメコミ系より日系マンガ及びゲームの関連商品が豊富で、特に鬼滅の刃、NARUTO、ワンピースが目立つ。

②続いて同じくサーカス・サーカス内の「The MIDWAY」。こちらも昨年に続く来訪(関連記事:上記「VEGAS MANGA」と同じ)。ヘッドマウントディスプレイを備えたVR系のAM機器がいくつもあったり、ロボットアームを操作してリデンプションチケットを取るプライズ機など、日本では見られない機種が多い。

ロボットアームを操作するプライズ機。アドバタイズ中は近寄ってきた客の方を向いて営業トークをかましてくる。

主たる商売相手が観光客であるせいか、リデンプションの景品には家庭用ゲーム機のような高額なものはあまり無い。

The MIDWAYでの景品交換所。④はここで最も高額と思われる40インチテレビ。

③サーカスサーカスを出て「GAME NEST」へ。ラスベガスの「スプリングマウンテンロード」沿いには「中華街(チャイナタウン)」と呼ばれる一角があり、「GAME NEST」はその西の方のマーケットプレイス「HOTAI PLAZA(和泰広場)」の中にある。奥まったところで表通りからは見えず、通りに面したテナントの看板にその名前が見えるだけなので見つけにくい。しかし駐車場はいっぱいで停めるところがないと思ったが、ちょうど1台の車が出て行ったのでそこに滑り込ませて店に入った。

The NESTの外観(上)と入り口付近(下)。壁の絵の意味するところを解いていくのも面白い。

アメリカのゲームアーケードにしてはリデンプション機が無く、それ以上に驚いたのが設置されている機械の多くは日本語表示のまま稼働していることだった。「電車でGO」や「星と翼のパラドクス」のように操作が難しいゲームも画面に表示されるインストラクションは日本語のままで、これでは在ラスベガスの日本人か、米国人なら余程のヲタク属性の人でなければ遊べないのではないかと心配になるが、一杯の駐車場や店内の賑わいを見るとそれも余計な心配なのかもしれない。

店内の様子その1。リデンプション機が無く、本当に日本のゲーセンのよう。

店内の様子その2。④の日本語で「アーケード」と書かれた垂れ幕がかかった筐体は中に入って記念撮影ができる。

④次に向かったのは我々が宿泊する「ゴールド・コースト」の並びのマーケットプレイスにあるアーケード「THE CLAW」。その名が示す通りクレーンゲーム専門店で、ビデオゲームもリデンプション機もなく、本当にプライズ機しかない。しかも今どき珍しいことにコインレスではなくトークンを買って遊びたい機械に投入する。景品は全てぬいぐるみ類で、ポケモンのようなメジャーなものもあるが、何がモチーフなのかわからないものもある。昨今の日本のゲーセンのような阿漕な営業はしていないようで、大きな袋にたくさんの獲得した景品を詰め込んでいる客が何人も見られた。

THE CLAWの入り口。看板には「TOYS CLAW MACHINE ARCADE」と、その直訳と思われる「おもちゃ爪機連アーケード」と書かれているが、「連」が何を指しているのかはわからない。「関連」とでも言いたかったのだろうか。シンボルマークらしい猫(のぬいぐるみ?)はかわいい。

店内の様子。日本のゲーセンより密度が高いと思われる人の入り。①は入り口から奥を臨む。②は中ほどから入り口に向かってのアングルで、店員(全員女性)はハロウィンの飾りつけをしていた。③④店が提供する、獲得した景品を入れる袋にたくさんのぬいぐるみを詰め込んだ客が何人もいた。

⑤やはりラスベガスに来たら一度は「Pinball Hall of Fame」を覗かなければならない。同行者二人はピンボール世代ではないが、だからこそ、この風景に彼らなりの感動を覚えたようだ。昨年久々の出会いで感激した「Bazaar」と「King Tut」は無くなっていた。機械の入れ替えはそれなりに頻繁に行われているようだ。ただ、設置機種の半分近くは稼働不能で電源が落としてある。それらは多くがワタシが最も遊びたい、3インチフリッパーが登場する60年代終わり頃から70年代の機械なので、たいへんに残念なことである。物販コーナーでロゴ入りのベースボールキャップを買った。税込$20。

遊びたいのに電源が落とされていて遊べない機種の一部。奥から「Solids and Stripes (Williams, 1971)」、Lucky Ace (Williams, 1974)」、「EXPO (Williams, 1969)」。

⑥カジノホテルニューヨーク・ニューヨークは、ワタシが毎年ラスベガスを巡礼するようになる1990年代の終わりから2000年代初めにかけてワタシの定宿だった。その象徴であるローラーコースターは日本のトーゴ製。「風と砂で偉く苦労した」とは元トーゴでこのコースターの設置に関わった人から聞いた話だが、トーゴなき今どこがメンテナンスしているのだろうか。コースターの乗り口は「Big Apple」というアーケードの中にある。昔は利用価値の高いカジノホテルで思い出も多いが、現在は特筆するようなことがない。残念なことである。

カジノフロアからエスカレーターで2階に上がるとBig Appleの入り口がある。

アメリカのゲームアーケードは照明を落としているところが多く、ゲーム機はその中で目立つために良く光る。日本だとコストを抑えるために極力削るところだが、暗い中でカラフルに光る筐体はそれだけで魅力的に見える。

⑦本日の活動の最後はエクスカリバー内のアーケード、「Fun Dungeon」。その昔、エクスカリバーの経営母体は「サーカス・サーカス」と同じ「サーカスサーカスエンタープライゼス(後にマンダレイ・リゾートに社名変更)」で、ストリップエリアの北と南のそれぞれで「家族連れウェルカム」なカジノホテルを経営していた。MGMリゾーツに買収された後もその方針自体は維持され、従って「Fun Dungeon」のコンセプトはサーカスサーカスの「The MIDWAY」に似て、係員が付くいわゆる「カーニバルゲーム」が多い。

この後、同行者の一人がエクスカリバーの並びにあるマンダレイベイでナイトショウ「ONE」を観に行くことになっていたのでここで散開し、ワタシともう一人はホテルに戻った。この「もう一人」は車が好きだとのことなので、簡単な移動では一部運転を任せることもあったので、車のキーはこのものに渡して好きにさせ、ワタシはビールを飲みながらゲームをすることにした。この日は2回、4ロイヤルが配られたが、どちらもロイヤル様に発展することは無かった。

この日にディールされた2回の4ロイヤル(上段)とその結果(下段)。残念なり。

ワタシからキーを受け取った同行者は、その後ゴールドコーストの並びにあったカナビス(マリファナ)の店に行ったそうだ。「店員さんはみんな丁寧で優しかったですよ」言っていた。その後、マンダレイベイまで行ってショウを観終えたもう一人を迎えに行き、無事に戻ってこれたとのことだった。

(つづく)


新ラスベガス半生中継2024年(1) DAY 1:入国~ゲーセン巡り

2024年10月20日 17時46分44秒 | 海外カジノ

10/5(土)から10/11(金・帰国は10/12(土))まで、ラスベガスに行ってまいりました。今回からしばらくの間、この旅行の記録を残しておきたいと思います。

◆旅程
出発:10/5(土)17時成田発、同日14時半ラスベガス着。
帰国:10/11(金)朝8時ラスベガス発、12日(土)16時半成田着(6泊8日)。

◆目的
・ギャンブル業界の世界的な見本市G2E(Grobal Gaming Expo)の見物。
 →・昨年と比較して変化はあるか。
 →・トレンドと言えるものはあるか

・ラスベガスのゲーセン(もしくはゲーセンに準じる施設)巡り。
 →PHoFなど定番ばかりでなく、未経験のゲーセンやアミューズメントスポットへの潜入。

・同行者2人のアテンド。
 →ラスベガス教、カジノゲーム教、エア上級会員教の布教。

**************** 第1日目

・同行者2人と2時に成田空港で待ち合わせ。のはずが、1時前の段階で参加者の一人から予め作成しておいたTeamsの連絡用チャットに「早いですが羽田空港に到着しました」との連絡が入る。「え? 羽田? 成田じゃなくて羽田?」と返したら、本当に羽田だった。幸い早い時間だったので、成田で3人が集合したのは予定より30分程度の遅れで済んだ。

・今回の航空会社はユナイテッドなので、ワタシのゴールド会員資格が使える。同行者の荷物にもプライオリティタグが付き、更に一人をラウンジに連れて行く。こうして上級会員の特典を教え込むことも今回のワタシのミッションの一つだったが、ラウンジに連れて行った者は「カレーうまかったっす。上級会員いいですね。なりたいっす」とうまうまと乗ってきた。

今回はANAラウンジを利用。焼きそばは日本人には苦手な人もいる八角が効いている。中国人客への対応だろうか。

・離陸後、しばらくして夕食。昔のユナイテッドの機内食はテリブルだったが、その頃よりはいくらかマシにはなっている。とはいえやはりうまいと思うものでもなく、他社と比較すると悲しい。

機内食。なぜか添えられている大福はうれしい。

・ユナイテッドは米系航空会社なので映画に日本語対応していないものが多い。吹き替えのある「Joker」を観たが、途中で以前に見たことがあることに気づいた。しかし他にろくなものが無く、内容も忘れていたので結局全部観てしばらく寝る。着陸前に配られる朝食の音で目が覚め、十年一日のオムレツをいただく。

機内食その2。

・ロサンゼルス空港で入国手続き。ユナイテッドのターミナルの入国審査場はトム・ブラッドレー国際線ターミナルと比べて暗く陰気な感じ。昨年は「カメラを見て」としか言われなかったが、今年はパスポートを一応提出した。10秒程度で終わる。これだけ簡略化されていれば、結構な行列にも拘らずさほど待たずに通過できる。

・荷物をリチェックし、国内線ターミナルに徒歩で移動。眠かったせいか殆ど記憶なし。ラスベガス行きの飛行機では乗り込むなり眠り、着陸時の衝撃で目が覚める。

・ラスベガスのレンタカーセンター【地図①】で車を借り、まずは「シルバートン・カジノ」【地図②】に併設されている「バスプロショップ」へ。初ラスベガスの2人はこの巨大なアウトドアのホームセンターのような店に驚いていた。20年近く前にここで買った鹿狩り用の防寒着がいい加減ヘタって来ていたので新しいものを買い、$250をキャッシュで払う。

カジノとの境にあるバスプロショップの看板。超大型アウトドアグッズショップ。

・シルバートンを出て、かつての「ベルツ・アウトレット」で現在「サウス・プレミアム・アウトレット」となっているショッピングモール内につい最近できた「ラウンド1」【地図③】へ。これは日本にもあるあの「ラウンド1」の系列で、今では全米に51店舗を展開している。ただ、このラウンド1には珍しくボウリング施設がない。クレーンゲームの設置台数が多く、そこだけ見ると現在の日本のゲーセンのよう。料金はクレジットをチャージしたICカードを機械に据え付けられているカードリーダーに読ませて支払う完全キャッシュレス。

ラウンド1の店内その1。音ゲー、ビデオゲーム、リデンプション機、ピンボールなど。④は、貯まったポイントを景品に替えるなどするキヨスク。


ラウンド1の店内その2。全フロアの中央部分を膨大なプライズ機(クレーン機)が占める。


ラウンド1の店内その3。フードコート。TAKOYAKI、KARAAGEなどの「Japanese Style」フードや、99¢のアイスクリームが看板メニュー。このアイスクリームは今では貴重な食べなきゃソンと思えるおトクフード。


ラウンド1の店内その3。コナミ製の、メダルゲームのプッシャーを流用したリデンプション機が3機種あった。コナミのリデンプション機は米国では今のところラウンド1でしか見られないらしい。

・ラウンドワンの次に、タウンスクウェア内にあるゲーム場「ベロシティ・eスポーツ」【地図④】へ。業態としてはラウンド1と同業だが、対象年齢がやや高めまでカバーする。昨年も来ているが、大きな変化はない(関連記事:新ラスベガス半生中継2023年G2Eショウ(3) DAY 2・その2:本日のゲーム三昧)。

・夜も7時を過ぎたので本日の活動を終え、宿泊するダウンタウンの「フォー・クィーンズ」に向かうが、その前に空港の東端にある「ウォルマート・スーパーセンター」【地図⑤】で、ボトルウォーター40本入り(3人分)と、朝食用のパンなどを買っていく。物価高に円安の昨今、1本5ドルの水や1食2000円もかかる外食では費用がかかりすぎるのでこうして出費を抑える。なお、40本入りの水は5.5ドルほど。

翌日の朝食。ハムとチーズを挟んだブリオッシュ・ロールとソーセージに、チョコレート味のミルク。

・フォー・クィーンズに近づき、パーキングチケットを取るために走行中の車の窓を開けると、なんだか変なにおいがする。同乗者の一人が「これ、マリファナですね」と言った。その者によると、近辺でフェスのようなものをやっていたようだったので、そこでキメている連中がいるのではないかとのこと。そう言えばラスベガスでは最近になって大麻の規制が少し緩んだとは聞いた気がする。一度嗅いだら忘れないほど特徴的な臭いで、決して芳香とは言えない。「クサ(草)」との隠語があるとおり、確かに乾いた植物が燃えている感じではあるので、ひょっとして馬糞、牛糞を燃やしたら似たような臭いになるのではないかと思った。

・4クィーンズでチェックインしようとしたら、「エージェントからこの予約はキャンセルされている」と言われた。思い当たる節があるとすれば、「クレジットカードへの課金は10月2日に行う」とされていた予約でクレジットカードの承認が下りなかった可能性だが、そのような知らせは受けた覚えがない。急遽SNSを通じて日本の親分に相談し(便利な世の中になったものだ)諸条件を確認した後、その場で今後の活動になるべく支障がなく、かつ予算内で収まるホテルとして「ゴールド・コースト」【地図6】を予約し、事なきを得た。

・ゴールドコーストのチェックインでも、3部屋を予約したのに1部屋のキーしかくれないという小さいトラブルがあったが、これは簡単に解決した。明日も朝から活動があるので居眠り運転などしないようしっかり寝ておかなければならないので、カジノは控えめに。

初日のカジノでの一番の大当たり。この機種は「ダブルダブルボーナス・エイセスアンドフェイセス(DDBAF)」で、通常のダブルダブルボーナスとは違って絵札及びAのクワッズにボーナスが付く。キッカーがAの4Qで$200の当たり。でも全体の収支はごくわずかなプラスで終わる。

(つづく)

【初日の行動マップ】

赤い破線はストリップの繁華街エリアを示す。フォー・クィーンズがあるダウンタウンはこの地図には示されていないが、北の方にある。


さよならミラージ/ミラージの想い出

2024年07月28日 18時04分22秒 | 海外カジノ

ラスベガスの大型カジノホテル「ミラージ(Mirage)」がオープンしたのは1989年11月のことでした。まだラスベガスがマフィアに支配されていた時代からほとんど変わらない風景の中で、ストリップに面して造成された人口火山による噴火ショウをシンボルに「南の島の蜃気楼」をテーマとした高級メガリゾートは新時代の到来を予感させるものであり、そして実際、これを境にラスベガスは変わっていきました。

しかし、その変化に乗って続々と建設される他のメガリゾートホテルの台頭によりミラージの地位は相対的に地盤沈下して、2010年前後くらいからの宿泊料は中級ホテル並みに下落していました。そして老朽化もあって再開発計画が持ち上がり、長い間ラスベガスのアイコンだった高級ホテルは、ついに2024年7月17日、その35年の歴史に幕を降ろしました。

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ワタシは、ミラージには1998年4月に一度だけ宿泊しています。

ミラージのスタンダードルーム。30万画素時代のデジカメなので画質は悪い。

ラスベガス随一との評判の割には、部屋の様子は他の大型ホテルとさほど差を感じるものではありませんでした(もちろんスタンダードルームだからとは思いますが)。ただ、バスルームにはシンクが二つあり、更にバスタブがジャクージ仕様であるところはさすが高級と謳われるだけのことはあると思いました。また、洗面台の小さな鏡は拡大鏡になっており、お肌が気になる人には嬉しかろうと思いました。

バスルームの洗面台。一般的なホテルではシンクは1つのところ、ミラージは2つある。また、右手の丸い小さい鏡は拡大鏡になっている。

ミラージのバスタブ。ジャクージ(いわゆるジェットバス)になっている。

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ところでこの頃、ラスベガスでは新興の「カジノ・ウォー (Casino War)」と言うカードゲームが流行りつつありました。これは、プレイヤーとディーラーにカードを1枚ずつ表向きに配り、ランクの高い方が勝ちとなるゲームです。

この、スキルも選択もないあまりにも単純極まりないゲームが本当に面白いのかとワタシは疑問に思っていたのですが、ミラージのカジノで発見したので、一度くらいはやってみるかと気まぐれを起こしました。既に2人の先客がいるテーブルに着席し、持っていた$5チップを賭けようとしたのですが、迂闊にもそこはミニマムが$25のテーブルでした。エンドラ(「奥様は魔女」のサマンサのママ。わからない方はこちら)のような風貌の女性ディーラーが「今回だけはいいわ」と言ってくれましたが、そういう事ならちゃんとやりますと言って$100札を出して4枚の$25チップにしてゲームを始めたところが。

エンドラは負け続け、ワタシと他の客のチップは増え続けました。エンドラはたびたび「さあ、どんどんチップを持って行ってちょうだいね」と言うようなしぐさをして、我々プレイヤーをいい気分にしてくれます。周りで様子をうかがっていた他の客も入ってきて満席となってもこのストリークは続き、ついにピットの親分が出てきて、「このテーブルはクローズします。別のゲームで遊んでください」と言い、ゲームは終了させられました。

$100で始めた「カジノウォー」での最終結果。ここに見える以外に、ディーラーへのチップとして$80くらいを支払っている。

これだけ勝てれば「カジノ・ウォー」も面白いと思えますが、こんな幸運はめったにあることではないことは承知しているので、ワタシはその後「カジノ・ウォー」を遊んでいません。

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ミラージのカジノでは、スロットマシンで初めて税金を支払う大当たりを出した幸運も忘れられません。

ミラージでのジャックポット。機種は「TRIPLE CASH」。まだビデオスロットが席巻する前のリールマシン。

白の7は3つ揃いで300コインの当たりですが、これに賞金が3倍になるワイルドシンボルが2つ入ってその9倍、2700コインのジャックポットとなりました。しかし、マシンゲームでは$1200以上の当たりには30%の税金が課せられるので、手取りは$1890でした。

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ワタシがラスベガスに毎年行くようになるごく初期のうちにこのような経験をしたミラージが無くなってしまうことには、いかに天邪鬼気質の傾向があるワタシであっても寂しさを感じずにはいられません。なお、跡地には宿泊棟がギターの形をした「ハードロック」が建つと言われています。これはラスベガスらしいというよりもむしろマカオっぽい感じで、個人的にはあまり歓迎できない変化です。


【小ネタ】ラスベガスで大当たりを当てた時の税金の話

2024年01月21日 20時48分33秒 | 海外カジノ

拙ブログは2021年6月、「プログレッシブ・ジャックポットの進化の話」の中で、歌手の田端義夫さんがラスベガスで29万ドルの大当たりを引き当てたエピソードをご紹介して、「(当時のNHKの報道では)アメリカと日本の両方でかなりの額が税金に消えそう」と報じらている、としましたが、具体的にどのくらいのお金が田端さんの手元に残るのかは明言されておらず、下々としては気になるところでした。

先日、国会図書館でアサヒグラフのバックナンバーを眺めていたところ、偶然にもこの大当たりの記事を発見しました。

アサヒグラフ1979年9月14日号の、田畑義夫さんのジャックポットを報じる記事。モノクロだが見開き2ページで紹介されている。

この記事によると、田畑さんの奥方はメリーさん、ご息女はジャニスさんとおっしゃるとのことで、田畑さんは当時はまだ一般的ではなかった国際結婚をされていることを知りました(ただし、ウィキペディアによれば田端さんは3回離婚、4回結婚しているとのことで、これが何回目の結婚かは不明)。

それはさておき、問題は税金でいくら引かれるか、です。記事本文を読むと、「日本の国税庁によると、一回分の賭け金と50万円を引いた額の二分の一が税金となる」とあり、さらに「既に現地で三十パーセントほど差し引かれたということも聞いており、もちろんそれを引いた額に課税させていただく」と続いています。

さて、田端さんが当てた大当たりは29万ドルです。アサヒグラフによる邦貨換算では「約6400万円」とされているので、当時の為替レートは1ドル≒220.7円です。
ネバダ州では、海外からの旅行者がマシンゲームで1200ドル以上の当たりを引くと30%の税金が徴収されます。田端さんが大当たりを引いた機械はプログレッシブなので1万ドル未満の端数もあったはずですが、ここはざっと29万ドルで計算することにすると、ネバダ州での税額は8万7千ドルとなり、残るは20万3千ドル、邦貨換算で4480万2100円になります。

日本国内での税金の計算は、前述のとおり一回分の賭け金と50万円を引いた額の二分の一ということでした。1回の賭け金3ドルは662.1円ですから、4480万2100円から50万662円を引いた残りは4430万1438円で、この半分の2215万719円が日本国内で収める税金額となり、つまるところ田端さんの手元に残るお金は2265万1381円で、元の半分以下になってしまいました。

この大当たりが出た1979年当時、日本では「ジャンボ宝くじ」と称する大型宝くじが始まり、1等前後賞を合わせた賞金額は3000万円でしたから、それよりも低い金額となってしまいました(スロットマシンの確率がわからないので厳密な期待値の計算ができないためどちらが有利かは判断しません)。

現在の税制はこの当時とは違って、税金を払うのは日本国に対してだけで良くなっているはずなのですが、カジノでの税務処理は必ずしも統一されておらず、1200ドルを超えるジャックポットを出すたびに税金を取られている女房は少し憤慨しています。

関連する情報として、昨年、課税点となる1200ドルは何十年も前の基準であって現在なら5000ドルに相当するはずであるから法律を変えるべきだとの議論が行われているとの報道があったのですが、残念ながらまだ法改正があったとの報道は見ていません。次回の巡礼までに改正されていれば良いのですが(←大当たりが出せるつもりでいる目出度い人)。

24.01.22追記:SNSで、「現在の税額計算は、 『一回分の賭け金と50万円を引いた額の二分の一が税金』ではなく、 『一回分の賭け金と50万円を引いた額の二分の一に他の所得金額を加えて、その額に応じた税率で課税される』ではないか」とのご指摘をいただきました。ワタシは税金には詳しくありませんが、とりあえず本文の計算は、他の所得を考慮しない、あくまでも29万ドルだけを考えたものとの前提での計算とご承知おきいただければ幸いです。

コメントをくださった方、どうもありがとうございました。またお気づきのことがありましたらご指摘ください。