オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

コインマシンやギャンブルゲームやカジノの歴史的エピソードとか、時々カジノ旅行記とか、たまにスポーツやマンガとか。

新ラスベガス半生中継2019年G2Eショウ(6) DAY 3:キャシーと再会

2019年11月24日 22時05分37秒 | 海外カジノ
3日目。朝、ゴールドコーストの隣にあるリオ・スイートに行って、シーザーズグループのプレイヤーズカードを発行してもらう。今日は夕方4時にシーザーズグループのホストをしているキャシー(仮名)と会う約束がある。そのキャシーから、ワタシのカードを新しく作っておいたから取得しておいてねとSNSを通じて言われていたからだった。

キャシーとの付き合いは20年くらい前まで遡る。当時ラスベガスに駐在してい元同僚が、ワタシをニューヨーク・ニューヨークのホストの部屋に連れて行き、こいつのために部屋を取ってやってくれと頼んだ結果、部屋の中にジャクージが付いたやたらと広いスイートがタダで与えられた。まだラスベガスは数回目の駆け出しだったワタシはビビったものだった。

次にワタシがラスベガスに行くとき、前回世話になったホストに宛てて、部屋の予約をお願いするFAXを送った(まだFAXが現役だった時代だった)。すると、「そのホストは退職した。以降は私がお相手する」と始まるEメールが届き、部屋を確保した旨が書かれていた。そのメールの発信者がキャシーだった。

これをきっかけに、ラスベガスに行く計画が建つたびにキャシーに部屋の予約をお願いすることになった。キャシーの返信は常に素早く、1両日以上待たされたことは無い。その上、頼んだわけでもないのに空港からの送迎リムジンを手配してくれたり、こちらのつまらないリクエストにも親身になって対応してくれるので、2回目に世話になった時の帰り、部屋にあったコメントカードに、「キャシーは実に全く素晴らしい、ワタシが知る限りラスベガスで最高のホストである」と褒めまくるコメントを記入して、空港のポストから投函した。それが関係しているのかどうかはわからないが、キャシーはその後もずっと親切丁寧に、ワタシからのリクエストに何かと応えてくれた。

そのキャシーがストラトスフィアに移ったとき、ワタシに連絡をくれた。それ以降ワタシの定宿もストラトスフィアに代わり、4回か5回、ストラトスフィアのスイートをリムジンの送迎付きで利用させてもらった。

キャシーはその後アラジン(現プラネットハリウッド)に移った。この時も2~3度世話になったが、この期間は短かった。その後キャシーはしばらくカジノビジネスから離れたが、日本で大きな事故や事件が発生すると、安否を気遣うメールをくれたりはしていた。

それから数年経ち、久しぶりにキャシーから連絡が来たと思ったら、今度はヴィニーシャンのホストになっていた。今までで一番の高級ホテルであるが、このころのストリップエリアのコンプポリシーは、ワタシが初めてNYNYでコンプを受けた頃と比べるとずいぶんと渋くなっていたように感じていたし、そしてまた、ワタシのプレイスタイルが以前よりもお金を使わないようになっている自覚があるので、あまり図々しいお願いはできないなあと思ったものだった。実際、ヴィニーシャンでキャシーの世話になったのは1回だけ、実際に会うのもその時が最後になっていた。それが10年くらい前のことだ。

そのキャシーから、今はシーザーズ・エンターテインメントで仕事をしているので泊まるときには連絡をくれとメールが来た。今回は既にBoyd系で宿を取っていると返信したところ、ではシーザーズパレスのダイヤモンドラウンジに招待するから会いましょうと言われて約束したのが今日の4時だった。

成田空港で買っておいた手土産のカステラを持ってシーザーズの噴水前に約束の時間ちょうどに行くと、キャシーは既に待っていた。ほぼ10年ぶりの再会で、互いに長い無沙汰の挨拶をした後、ダイヤモンドラウンジに案内された。

ダイヤモンドラウンジは、プレイヤーズカードのステイタスが一定以上の上客に対するサービスで、本来ならワタシに受ける資格はないが、キャシーのゲストとして入れてもらった。中ではいくらかの飲食物がセルフサービスで揃えられており、ウェイターがテーブルに飲み物の注文を取りに来る点を除けば、空港の航空会社のラウンジのようだ。

ラウンジで、「500年前にポルトガルの宣教師が日本に伝えたトラディショナルケーキだ」と言って渡したカステラは、喜んで受け取ってくれた。その後、互いの近況を報告したり、ワタシのラスベガス仲間をキャシーに紹介するなどして1時間ほど過ごし、ワタシが次回ラスベガスに来るときはまた連絡すると約束して別れた。

キャシーと別れた後、せっかく来たのだから少しシーザーズのカジノを見物していくことにする。VPはやはり渋くて手を出す気にならないので、スロットマシンの新製品をいくつか遊んでみるが、もともと本腰を入れて遊ぶつもりがあるわけではないので気持ちのノリも悪い。小一時間ほどうろつき、僅かにお金が増えたくらいのところで帰ることにしたら、駐車場料金として15ドル取られた。キャシーには悪いが、昨今のストリップエリアのホテルの強欲は許し難い。

■本日の夕ごはん
リニューアルしてからまだ行ったことのないオーリーンズのバフェイ「medley」に行って見る。サファイアメンバーの17.99ドルは、他のBoyd系列と比較しても高い印象を受ける。オーリーンズのバフェイは、以前はクロウフィッシュが常に置いてあるのがウリだったが、リニューアルを機にやめてしまったのだろうか、今回はなかった。残念でならない。


medleyバフェで食べたもの。(1)プライムリブ、BBQスペアリブ、ローストビーフ盛り合わせ。 (2)中華めんがあったので、フォーの代わりのつもりで。 (3)デザートはスイカ多めに。

(DAY 4につづく)

新ラスベガス半生中継2019年G2Eショウ(5) DAY 2:G2Eショウその3 & ゴールドコースト

2019年11月17日 17時29分14秒 | 海外カジノ
◆◆今回のG2Eのワタクシ的ハイライト (その3) その他印象に残ったもの◆◆

【デジタルサイネージ付きバンク】
・昨年のショウで全盛だった、スロットマシンのバンク自体にデジタルサイネージを組み込んでアピール性を高めようというシステム(関連記事:ラスベガス半生中継・2018年10月 (8) G2E2018メモ)は、今年は若干スケールダウンしているように感じた


ARUZEの場合。昨年発表したもののマイナーチェンジ版か。


Incredible Technologies(it)の場合。これは既出のシステムを小型の円形バンクに応用したものと思われる。


NOVOMATICの場合。派手ではあるが、展示会での演出用に特別に設置されたサイネージのようにも見える。


【デジタルポーカーテーブル】
10年ほど前、ラスベガスでポーカーが大ブームとなり、ストリップエリアの大規模カジノの多くがポーカールームを拡張していたころ、G2Eショウでもいくつもの会社からデジタルポーカーテーブルが出展されていた。しかしその後ポーカーブームは縮小し、デジタルテーブルもいつの間にか見なくなっていたと思っていたら、今年はJackpot Digital社が、久しぶりに出展してきた。


Jackpot Digital社のエレクトロニックポーカーテーブル「Jackpot Blitz」。

Jackpot Digital社は、昨今流行りのETG(Electronic Table Game:電子ゲームテーブル)を開発している会社。今回出展してきた「Jackpot Blitz」は、84インチの大画面で多点タッチスクリーンを備えた4Kモニターという、10年前には想像できなかった新テクノロジーが投入されている。

新技術は、それで何がどのように向上するのかが問われなければならないが、「Jackpot Blitz」で導入されている新技術は、いずれも必然性のある合理的なもので、単なるこけおどしに終わっていないところが良い。ただ、これを導入しようというカジノがどれだけ現れるだろうか。ワタシはネバダしかウォッチしていないが、アジアや豪州、もしくは米国の他の地域では導入したいと考えるところもあるのだろうか。

【ショウ会場から撤収】
今日は閉場する5時まで粘るつもりでいたのだが、10時前から現地入りしてずっと歩き回り続けていたワタシは、3時過ぎには持病の腰痛が痛みだしてきた。T本に連絡してみたところ、T本もかなりグロッギーになっていると言うので、閉場を待たず、4時に会場を引き上げることにした。後でスマホの万歩計を見たら、この日は16.3㎞、2万3千歩を歩いたことになっていた。このうち数㎞分はショウとは無関係なところでの歩数だと思われるが、それを除いたとしても、実はショウというのは気が付かないうちにずいぶん歩いていたりする。そしてまた、カジノ内をうろついているだけでも実は5㎞程度は普通に歩いていたりするのだが、カジノのカクテルウェイトレスは1日どのくらいの距離を歩いているのだろうかと気になった。

【本日の夕ごはん】
T本をダウンタウンに送り届けて、ついでにフレモントのバフェイに行く。今日のバフェイは「ステーキ&スカンピ」の日だと言うので、肉しか食べないことに決める。


今日の夕ごはん。(1)ニューヨークステーキとローストビーフ(プライムリブではない)。 (2)ニューヨークステーキと、三種のハム類(ポーク、ターキー、ビーフ)。 (3)ローストビーフの端っこの部分(カービングステーションでリクエストした)とフライドチキン。

ワタシは20年以上ラスベガスに通い続けているが、これまでバフェイでフライドチキンを取ったことはただの一度もなかった。別にフライドチキンが嫌いというわけではなく、むしろ好物でさえあるのだが、バフェイなら他に食べるべきものはいくらもあるので、どこでも食べられるフライドチキンで腹を膨らませることに抵抗があった。しかし、T本が、「このフライドチキン、うまいっすよ」と言うので、我がラスベガス史上初めて試してみることにした。結論としては、当然ながらKFC(ワタシの好物)とはレシピは異なるが、衣はクリスピーで大変おいしい。ひょっとすると、今後は選択肢に入ってしまうかもしれないと思った。

【ゴールドコースト】
食後、T本をエル・コルテスに送り届けた後、ダウンタウンからゴールドコーストに向かう。今日からここに2泊する。以前よりも遊べるVPが増えており、今後はもっと積極的に使っても良いと思えるようになっている。

ゴールドコーストのカジノをうろついていたら、見慣れないビデオスロットを発見した。よくよく筐体を見ると、「SEGA SAMMY CREATION」の文字がある。1年くらい前にネバダのライセンスを得たとは聞いていたが、製品が市場に出ていたとは聞いていなかった。



セガサミークリエイションのビデオスロット「Fortune Tiles of Dragon」。三元牌がメジャーシンボルだが、花牌3つでフリーゲームとなるらしい。

ゲーム内容は麻雀パイを使った3リールのビデオスロットで、ビデオポーカーのように一度だけ引き直しができる。ゲームルールが中国語で表記されているところを見ると、マカオ市場を狙ったものだろうか。ラスベガスでは、過去にも麻雀パイを使ったビデオゲーミング機の例が僅かにあるが、成功したものない。映画「ドライビング・ミス・デイジー」でも出てきたように、米国では麻雀は主に年寄りのゲームという認識があるようだが、果たしてこのゲームがネバダで受け容れられるかどうか。

ゴールドコーストでのビデオポーカーは、良くもないけど悪くもない。明日のために寝る。

(つづく)

新ラスベガス半生中継2019年G2Eショウ(4) DAY 2:G2Eショウその2

2019年11月10日 17時36分10秒 | 海外カジノ
◆◆今回のG2Eのワタクシ的ハイライト (その2)◆◆

【IGT】
・「4D」を謳うビデオスロットを多く出展していた。液晶画面にタッチパネルを装備して、これに触れて操作する技術はもはや標準的なもので、悪く言えば陳腐化したとも言うべき技術だが、4Dでは、モニターに触れずとも画面に向けて指さすだけで操作ができる。


4Dを謳う筐体。裸眼立体視モニターだけでなく、非接触式タッチパネル(というのか?)を備える。

例えば画面の前で立てた人差し指を動かすと、その指先の位置を追って画面上に光の尾を引かせるなどという事もできる。ただ、画面と指先との距離がどのくらいあるかと横から覗き込もうと顔を近づけると、機械はとたんに指先の位置を失探して機能しなくなる。この仕組みの秘密は、モニター周囲のブラケットの四隅に仕込まれたセンサーにあるようだ。


ブラケットに設置されているセンサー(円内)。このようなものがブラケットの四隅に付いている。

類似の技術は、既にエレクトリックダーツにおいてダーツの着弾位置の検出に使われているが、その機能を指先で体感するこちらの方が驚きは大きい。また、裸眼3Dは一層よくなっているように見える。とは言え、これらの新技術が陳腐化する日もそう遠くはないだろう。その次は一体何をどうすればいいのだろうか。

【EVERI】
元々はキャッシュディスペンサーのメーカーだったはずのEVERIは、今さら誰が興味を示すのかと思うくらいオーソドックスな機械を作りながら、「LIGHTNING ZAP」などという従来のスロットマシンのフォーマットからかけ離れたゲームも作っており、個別のタイトルの面白さは別として、チャレンジと堅実さの両方をバランス良く取ろうとしているように見える。今回は、「ZOLTAR」というオーソドックスな3リールマシンを出展していた。


LIGHTNING ZAP。この画像は昨年のショウでのもの。一時はあちこちのカジノで見かけたが、今回のラスベガス行ではさっぱり見かけなくなっていた。


EVERIのメカリール機「ZOLTAR」。

米国では20世紀初頭からコイン作動式の占い機があり、60年代には「ZOLTAN」という占い機もあった。この「ZOLTAR」は、映画「Big (1988)」の作中に登場させるために作られたものだそうだが、製品化もされているらしく、今回行ったPHoFにも設置されていた。


PHoFにあった「ZOLTAR」。1回75セントだった。

筐体は一見したところアンティークマシンのようにも見えるが、人形の造形に限ればモダンな印象を受ける。

ゲームクリエイターは、とかく「今までにないもの」を作りたがるが、そんなものがおいそれとできるわけはない。今までにないものばかりを追い求めるのは、あるかどうかもわからない黄金郷を探すようなものだ。その点において、EVERIのバランス感覚は正しいと思う。

【KONAMI】
ワタシはこれまでずっと、KONAMIのスロットマシンにはあまり遊ぼうという意欲を持てずにいた。理由をごく大雑把に言えば、ゲーム性やビジュアルにいつもどこか国産メダルゲーム的なものを感じて、ワタシがカジノに求めるアトモスフィアから遠いところにあるように思えていたからだ。

その印象は今も変わらないが、昨年のショウで出展していた「TREASURE BALL」シリーズが、今、結構ヒットしているらしい。


「TREASURE BALL」。この画像は昨年のショウで撮影したもの。

つまるところ、ゲーム中にどうにかすると「ガチャ」が回せて、出てきたボールに何が隠されているかはお楽しみ、というゲームになっている。人気があると聞くので、後日ワタシもこれをシーザーズパレスで打ってみたが、見た目から期待する結果と実際の結果の相違が大きく感じられる。かつて日本国内のソーシャルゲームでガチャが問題視されたという知識が先入観となっているのかもしれないが、極めてインチキ臭く感じられ、ワタシにはやはり面白いとは思えなかった。

他には、多人数競馬ゲーム「FOTUNE CUP」のマイナーチェンジ版である「FOTUNE CUP DERBY DELUX」が出展されていた。


FORTUNE CUP DERBY DELUX。

「DERBY DELUX」では、従来8頭立てだったものを6頭立てとし、賭け方も単純化してあった。ワタシは、競馬ゲームはこれでいいと思う。やたらリアルに、やたら複雑にするのは、「競馬ゲームファン」が望んでいることではない。その証拠が、The Dで今も満席になるsigmaの「The Derby MK III」だ。

今年のコナミは、もうスキル・ベースド・ゲーミングを諦めたのか、ついに出展が無くなっていた。また、日本のマスメダルゲーム機の転用版も、今回は出ていなかった。

【ANGEL】
日本でトランプと言えば、多くの人は任天堂を想起すると思うが、実は「エンゼルトランプ」という会社も頑張っている。G2Eショウではずっと以前から小さいながらも毎回ブースを構えていた。10年以上前、今はなき「リビエラ」のポーカールームで遊んでいたら、日本人の男性マネージャーがワタシに声をかけてきて、「今日、こんな会社が売り込みに来たんだけど知っているか」と言って、エンゼル社のフライヤーを見せてきたこともある。

そのエンゼルトランプのブースが、今年は見えないなと思っていたら、意外なところにそのロゴを発見した。


エンゼルトランプのロゴを掲げたブース。看板にはGPI、ポールソン、バド・ジョーンズ、ブルゴーニュ・エ・グラッセ、ゲマコの文字が見える中、エンゼルのロゴがひときわ大きく掲げられている。

この看板に見られるエンゼル以外の名前は、昨年まで「GPIグループ」として出展していた。ポールソンはチップやプレイングカードのメーカーで、特にクレイ素材のチップはプレイヤーに人気が高い。バド・ジョーンズとブルゴーニュ・エ・グラッセは同様にカジノのチップを作っているメーカーだが、樹脂素材がほとんどだった。ゲマコはトランプメーカーだ。GPIは、15年くらい前にこれらの企業をグループ化して、以来今までやってきた。ここに「ANGEL」の名前が併記されているので、ワタシはてっきりエンゼルもGPIグループに飲み込まれたかと思った。

ところが、ブースにいた日本人女性のアテンダントに話を聞いたら、話は全く逆で、エンゼルがGPIを買収したのだと言う。エンゼルとしては、これによって今後は世界のゲーミング市場に大きく打って出るとのことだった。これが、今年のG2Eショウで最大のサプライズだった。

(つづく)

新ラスベガス半生中継2019年G2Eショウ(3) DAY 2:G2Eショウその1

2019年11月03日 21時24分05秒 | 海外カジノ

【おことわり】年に何度もあるわけではない休日の仕事のために、今週の更新はごく簡単なものになってしまいそうです。なにとぞご了承ください。

昨夜は12時頃に床に就いた。この時点で30時間くらい連続で起きていた寝不足状態だったはずなのに、夜明け前の4時過ぎに覚醒してしまった。こういうことはラスベガスに来るとよくあるのだが、これがいわゆる時差ボケというものなのだろうか。小一時間ほど眠ろうと布団の中で努力したが眠れないので、諦めてカジノに降りてゲームをする。

6時過ぎ頃、念の為エル・コルテスにいるT本にLINEで連絡を入れてみると、T本も既に起きていたというので、メインストリートステーションに来させる。しばらく一緒にビデオポーカーを遊んでから、7時オープンの朝バフェに入って朝食。ラスベガスの朝バフェはどこも大したものは無いが、クック・ツー・オーダーのオムレツは食べる価値がある。ワタシはチーズを大盛りにしてもらった。


チーズ大盛りのオムレツ。下にあるのはカービングステーションで切ってもらったハム。皿の向こうに見えるのはハッシュドコンビーフ。

G2Eショウ会場へは9:45分頃到着。開場は10時だが、レジストレーションで入場バッジを発行してもらう。本来なら一昨日の月曜日には事前登録をして入場バッジを入手していたはずなのに、到着が3日も遅れたため、このタイミングとなった。

◆◆今回のG2Eのワタクシ的ハイライト◆◆

【スキルベースドゲーミングとVR】
・昨年から姿を消したVRは今年も出展なし。

・スキル・ベースド・ゲーミングはまだ結構残っている。実際のカジノでも多少設置されているが、あまり遊ばれてはいない。ボーナスゲームにスキルゲームを取り入れているスロットマシンもあるが、スキルゲームとふつうのチャンスゲームのどちらかを選べるという逃げ道を作っているものもある。ワタシも一度、カジノでためしにやってみようと思いかけたが、熟達する前は確実にペイアウトを受けられる結果には至らないと思いついてしまって、結局はやらなかったという経験がある。業界ももういい加減スキルゲームとギャンブルの相性の悪さには気づいているとは思うのだが、いつまで「鶏肋」を続けるつもりだろう。


スキル・ベースド・ゲーミングを続けているメーカーからいくつか。これ以外にもまだあるにはある。(1)パックマンをゲーミングにして大々的にアピールを続けるGamblit。いくつかのカジノでここの機械が設置されているところを見かけはするが、ムーブメントを起こしているとまでは言い難い。 (2)今年で4回目の出展となるNext Gaming。ATARIやTAITOのビデオゲームでペイアウトのあるゲームにしようとしている。ビデオゲームとして遊ぼうという気にはなるが、お金を賭けて遊ぼうとはなかなか思えない。 (3)Competition inteructiveと(4)Synergyは昨年も出展しているが、少なくともラスベガスのカジノではまだ見かけない。

Scientific Gaming (SG)】
Williams、Bally (Shuffle Masterを含む)、Barcrestを吸収したSGは、昨年に引き続き今年も入場者登録をしないと入れないクローズドなブース展開をしていた。中に入ると、「GOLD FISH FRENZY」というアナログゲーム機を2台出展していた。


SGの「GOLD FISH FRENZY」。「GOLD FISH」自体は、旧WilliamsのヒットしたスロットマシンシリーズのIPで、現在も断続的に新製品が開発されている。

賭け金を決め、筐体上部を左右に移動するボール投入装置の位置を見計らってボタンを押すと、パチンコのようなピンパネルにボールが1個投入される。このボールが、盤上の金魚鉢に入ると、表示されている数字のクレジットが貰えるというゲーム。ピンパネルは全面液晶板になっていて、金魚鉢には様々な魚が泳いでおり、ボールが入ると飛び跳ねたりする。数年前にセガが発表したメダルゲーム「ホルカトルカ」に非常に良く似た印象を得るが、このようなアナログゲームが、メダルゲームならともかく、ギャンブルマシンになるとは非常に意外であった。ペイアウト率はどう調整しているのだろう。また、こんな大きな液晶モニターがあることにも驚く。

SGからはもう一つ、「Mr. MONOPOLY''s BIG SPIN」という、盤ゲームモノポリーをテーマにしたビッグシックスのバリエーションが若干目を惹いた。


Mr. MONOPOLY''s BIG SPIN。

盤ゲーム「MONOPOLY」も旧Williams時代からながらく使い続けられているIP。通常のビッグシックスの回転盤の内側にもう一つ径の小さい回転盤を取り付け、大きい方の回転盤で「CHANCE」や「COMMUNITY CHEST」に停止すると、小さい方の回転盤を回すというもの。ビッグシックスのゲーム性を上げたとは言えるだろうが、ビッグシックスを遊ぶような客層がここまで複雑なゲームを求めるものかどうか、疑問を感じる。また、ゲーム時間が長くなるので、バリエーションを増やす目的以外で設置しようというカジノはあまり無いと思う。

Aristocrat
バッファローシリーズで10年間業界を引っ張ってきたその次は、ライトニング・リンクシリーズで新たなトレンドを作り上げているアリストクラートは、今のスロットマシンメーカーでは随一と言えると思う。そのアリストクラートは、今回非常にクレージーなバンク(スロットマシンの島)を出展していた。


Aristocratが出展していたバンク。なんという名称なのかはわからなかったが、側面には同社のスローガンである「thinkBIGGER」と書かれていた。

バンクを大げさに飾り立てるトレンドは昨年のショウで顕著だったが、今年は各社とも縮小傾向にある中でのことだったので、ひときわ目立ちつつも、なんとなく乗り遅れ感を感じた。アリストクラートは3年ほど前から「thinkBIGGER」というスローガンを立ち上げて、従業員のアイディアをすくい上げて新しい事をやらかそうという運動をしており、この筐体もその一環であったらしい。

ARUZE
SGの「GOLD FISH FRENZY」をビデオにしたようなゲーム「PACHINCOIN」を初出展。たしかに、ゲーミングにするならビデオにする方がずっと現実的ではあろうと思う。


ARUZEの「PACHINCOIN」。

しかし、見かけほどには面白くない。一昨年に登場したEVERI社の変わりダネスロット「LIGHTNING」のように、一時的には多少普及するかもしれないが、定番として定着することは無いと思う。

(つづく)