資料をひっくり返していたら、初期の新日本企画(後のSNK)のフライヤーが出てきました。頒布時期は明確ではないのですが、記載されている機種から1981年と推察されます。
フライヤーは4ページ構成で、当時新日本企画が売り出していたビデオゲームが6機種と、ミニアップライト筐体が紹介されています。
新日本企画が1981年に頒布したものと思しきフライヤーの表紙。「ORIGINAL GAMES」と称して、「VANGUARD」のアップライト筐体がフィーチャーされている。
1ページ目は、当時の最新機種と思われる、「ヴァンガード(VANGUARD)」(1981)と「サタンオブサターン(SATAN OF SATURN)」(1981)が紹介されています。
1ページ目。では「ヴァンガード(VANGUARD)」と「サタンオブサターン(SATAN OF SATURN)」紹介されている。
ヴァンガードは、ステージ(フライヤーでは「パターン」と呼んでいる)によって縦、横、斜めにスクロールするのも斬新でしたが、4つのショットボタンでレーザー弾を上下左右に撃ち分ける操作系は前例がなく、そしてフォロワーも現れませんでした。
SNKは後の1984年に「ヴァンガードII(VANGUARD II)」を発売しましたが、ナムコの全方向スクロールシューティング「ボスコニアン」と、同じくナムコの飛行物と地上物を撃ち分けるシューティング「ゼビウス」を併せたような内容で、名前だけ借りた別のゲームになっていました。
もう一つの「サタンオブサターン」は、当時はスポーツ新聞の広告でその名前をよく見かけてはいましたが、ワタシはロケで実機を見たことがありません。今調べてみると、ギャラクシアンの流れをくむゲームのようですが、グラフィックもゲーム性も、先行機種を凌駕する要素が見当たりません。それでもこの頃は、とりあえず出せば売れた時代だったと思います。
2ページ目には、「サスケVSコマンダー」(1980)、「サファリラリー」(1979)、「与作」(1979)の3機種が紹介されています。
2ページ目。「サスケVS.コマンダ―」、「サファリラリー」、「与作」の3タイトル。
「サスケVSコマンダー」は多少遊んでいるので今見れば懐かしさを感じます。
「サファリラリー」は、ゲーム中にライオンが出てきて轢き殺すとボーナス得点が得られたり、ステージをクリアすると女性の顔が出てきて「GOOD」のメッセージを表示する工夫が加えられていました。ステージクリア時このような演出を挟むAMビデオゲームは、ワタシはこれ以前のタイトルでは覚えがないのですが、何かありましたでしょうか。
「与作」は、過去記事「史上最も期待された「クソゲー」:「与作」の記憶」で述べている通り、複数のメーカーが群がって同名(もしくは類似名)のゲームを出していましたが、どれ一つとしてヒットしたものはなく、この新日本企画の「与作」もほとんど見た記憶がありません。
3ページ目には「オズマウォーズ」とミニアップライト筐体が紹介されています。
3ページ目。オズマウォーズの「オズマ」とは、敵キャラの総称であったことは知らなかった。
オズマウォーズは、ワタシが初めてエンドレスで遊べるようになったゲームです。当時のワタシは若年性椎間板ヘルニアが日常生活に支障をきたすほど悪化していたのですが、テーブル筐体のオズマウォーズを2時間半ほど遊んだところ、ゲームを終えて立ち上がった時には、椎間板ヘルニアの痛みが全くない、健康だった時の感覚そのものに戻っていました。上体を前屈することで脊椎の間隔を広げた状態が長時間維持されていたのが良かったようです。
なお、3ページには「スーパータンク」(1981)の名前も見えますが、ワタシはこのゲームをロケで見た覚えがありません。別ルートから入手したフライヤーを見ると、どうもドイツ製だったようです。そのゲーム画面は、sigmaが1980年に発売した「RED TANK」と似た印象を得ますが、関連性の有無はわかりません。
「スーパータンク」のフライヤー。ドイツ製らしいが、そう聞けば納得もできるデザイン。
【オマケ】
sigmaが1980年に発売した「レッドタンク」のフライヤーの表裏。これも、100円で1時間遊べるゲームだった。