オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

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初期の国産メダルゲーム機(2) ダブルアップ / スピナコイン

2018年03月21日 15時57分22秒 | 初期の国産メダルゲーム機
「ダブルアップ」(Double Up)は1974年にセガから発売された一人用メダルゲーム機です。


「ダブルアップ」(1974)のフライヤー。

一見してどんなゲームなのか見当がつかない、不思議な筐体です。肝心な部分をアップで見ると、こうなっています。


筐体の主要部分とプレイフィールドのアップ。

コントロールパネルの前面には、ピンボールゲーム機のプランジャー(ボールを打ち出す竿)のようなものが見えます。また、プレイフィールドにはメダルが6枚落ちているのが見えます。さて、これでゲーム内容が想像できるでしょうか。このゲームは、「メダル投入口にメダルを1枚投入し、その後プランジャーを引いて離すと、メダルはくるくるとスピンしながらプレイフィールド上を彷徨い、最終的に4つの円のいずれかの中に倒れて留まれば勝ちとなる」というものでした。

勝てばメダルが2枚出て来るのですが、このゲームが考えたなと思わされる点は、ゲームに負けても、次に投入したメダルで勝てばメダルが4枚、さらにそれで失敗しても次のメダルで勝てばメダルが6枚出るというように、継続してプレイすればそれまでの負けを取り返せるので、なかなかゲームをやめることができないところにあります。しかし、プレイを継続する場合、プレイフィールドに残ったメダルが邪魔になることもあります。そこで、プランジャーの向きを左右に動かしてメダルを打ち出す方向を調整できるようになっていました。

プレイフィールド上に残ったメダルは、ゲームに勝つか、継続プレイが10回に達するか、またはリセットボタンを押すと、「ベルトコンベアの要領で回収される」とフライヤーには書かれていますが、それが実際にどんな動作だったかは記憶にありません。

ワタシはこのゲームを、たしか目蒲線(現・目黒線)武蔵小山駅のアーケード街で見かけています。何度かトライし、何度かは成功しましたが、まるで機械が目で見て結果を判定しているかのようなテクノロジーが大いに不思議だったものでした。フライヤーには「光導電素子(こうどうでんそし)による、感知回路」とあり、調べるとどうも「当たる光の量によって抵抗値が変化する」電子部品ということのようで、メダルが円形の窓を塞ぐことによって入って来る光の量が減少すると当たりと判断するということなのかと思われます。まだパソコンなどと言うものは存在せず、単純な電卓でさえ1万円もした1974年時点でもこういう技術が既に実用化されていたと聞くと、ちょっと意外な感じもします。

セガは、翌1975年に、「ダブルアップ」と同じ筐体を使った「スピナコイン」(Spinna Coin)を発売しています。


「スピナコイン」(1975)の筐体画像。1975年か76年に発行されたセガのメダルゲーム総合カタログより。

こちらは、私は実際にロケーションで見た覚えがありません。ゲームの勝利条件は「ダブルアップ」と同じであろうことはわかりますが、バックグラスを見ても、どういう条件で何枚のメダルが払い出されるのかがわかりません。間違って動画でもアップされていないかと期待して「sega "spinna coin"」のキーワードでググってみたところ、たったの3件しかヒットせず、うち2件は拙ブログでした(ありゃま)が、最後の1件はなんと「PENNYMACHINES.CO.UK」という英国のサイトのフォーラムでした。

そこにあった3件の投稿をメモしておこうと思います。

スピナコイン 投稿者:treefrog 2013年2月14日(木)10:06pm
セガのスピナコインという珍しいアーケードゲームがebayに出ていた。
出品者が言うには、「これは試作品で、遊び方は、コインをプレイフィールドに打ち込み、スピンするコインを4つのスポットのいずれかに着地させる。もし成功すると、ディスプレイパネルに示される量を獲得する」とのこと。おそらくUKには絶対に輸入されていないであろう。

Re:スピナコイン 投稿者:malcymal 2013年2月15日(金)9:58am
うーむ、これがどのくらい古いか定かではないが、おそらく80年代ではないかと思う(←ワタシ注・いえ、1975年です)。セガは今もコインプッシャーを作っており、私は似たタイプの機械を現代のゲーセンで見たことがある。コインは円内に着地する必要があり、失敗するたびにプレイフィールドは機械仕掛けで傾き、コインはキャッシュボックスかホッパーに回収される。これは非常に古い、面白い趣向のゲームがベースになっている。私は、移動遊園地の、ペニー硬貨を木製の台に転がし入れ、四角の中に入るといくらかのコインがもらえるゲームを思い出す。私は去年の祭日に、すべてが手作りの農場に似た場所で、まさにこれに似たゲームを遊んだ。それは楽しく、いくらかのブリテンの牛と豚を連れて橋を渡ってペニー硬貨を得ようとチャレンジした(ワタシ注・何を言ってるのか全然わかりません(泣))。

Re:スピナコイン 投稿者:andycdotp 2013年2月15日(金)11:18am
あああ、昔のPinna Co ラリったナウなヤングを誘い込んでハメるためにナイトクラブに置かれるような機械だね:p
なんちゅう恐ろしい機械だ(@Д@)


いやー、難しい(汗)。ワタシは半分くらいしかわかりませんでした。英語に堪能な方は、上のハイパーリンクからご自分でご確認して、ご面倒でなければこちらでご教示いただければありがたいです。

ところで、「ダブルアップ」や「スピナコイン」に類似したゲーム性を持つゲーム機としては、以前の記事で触れた「DING-A-BELL」(関連記事:さよならダイエー碑文谷店)があります。


DING-A-BELLのフライヤー。製造年不明、英国デニス・ジェザード社製

「DING-A-BELL」は、プランジャーでメダルを弾き飛ばすのではなく、スリットからメダルを投入し、プレイフィールドに開いている丸い穴に入れば勝ちというゲームで、穴に入らずプレイフィールドに溜まったメダルの回収は、プレイフィールドを機械仕掛けで傾けて行っていました。「DING-A-BELL」のメーカーである「Dennis Jezzard」社は英国イングランドの企業なので、2番目にコメントしているmalcymalさんが言っている「似たタイプの機械」とは、ひょっとするとこのゲーム機のことなのかもしれません。

結局のところ、「スピナコイン」の配当がどうなっているのかはわかりませんでした。バックグラスの配当表を見て推測すると、メダルがスピンしている間、点灯する配当のランプが一定の法則で移動し、メダルが静止した時点で移動が止まって、その時に点灯していた数のメダルが払い出されたものと思います。そして、3つある配当表は、最初のゲームでは下段、継続ゲームの2回目で中段、継続ゲーム3回目で上段が使われるのではないかと考えてみました。


スピナコインのバックグラス部分のアップ。配当表が3段階あるように見える。

(つづく)

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2 コメント

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Unknown (EM好きおじさん)
2022-08-08 20:11:34
nazox2016様、こんばんは。これはまた不思議なゲームですね。

ダブルアップのフライヤーに書いてあるCDSは正しくはCdS(硫化カドミウム)で、この時点では既に良く使われていた光導電素子です。安価で直径は最小5mm程度のものからあります。
光が当たらないと抵抗値は大きく、光が当たると抵抗値が小さくなります。これにより光の強弱を電流の大小に変換し、さらに比較回路で0/1信号に変えると光で働くスイッチになるので、さまざまな用途に使われてきました。
エレメカのインディ500(1968年)でも車のクラッシュ検出に光電導素子を使っていたと聞いた記憶があります(どこで聞いたのか思い出せません)。明るいコースに対してジャマ車やコース外は暗い色なので、プレイヤー車の突起部(先端と左右前輪かな?)に素子を固定しておき、どこかの素子に入る光が減少したらクラッシュとみなしたのでしょう。
さてダブルアップ/スピナコインではコイン直径と成功判定する円の直径が分からないのですが、例えば25mmと35mmとすると真ん中の直径15mmの円がコインで覆われれば良いので、15mm円の中に5mm径のCdSを複数配置して全素子の光が遮られれば成功と判断したのではないでしょうか。
ところでコイン投入タイミングはコインスイッチで知る事が出来ても、コインが円をはずれてどこかに静止したらゲーム機側からはそれを検出できません。このため、ダブルアップでは2枚目のコイン投入を検出して倍率を4に、3枚目のコイン投入を検知して倍率を6に、と上げて行ったのだろうと想像します。
スピナコインではコイン投入毎に倍率インジケーターがフラッシュして適当な時間で静止して倍率を表示したのではないでしょうか。3種類のインジケーターは確かに1枚目、2枚目、3枚目以降のオッズの様に見えますが、そうだとすると1枚目で最低倍率6、2枚目で最低倍率10、3枚目以降は最低倍率16となりダブルアップに比べると随分と高オッズになります。ゲーム内容が同じなのにこれでいいのかな?と思ってしまいました。
nazox2016様はダブルアップを何回かプレイした事があるそうですが、このゲームはおよそ何回に1回成功するのでしょうか?

それでは。
Unknown (nazox2016)
2022-08-11 19:04:32
さすが、お詳しいですね。当時は非接触のセンサーがとても不思議なテクノロジーに思えた時代でした。
ハズレは検知できず、コイン投入によって倍率を上げていたのはその通りだと思います。ワタシは成功率を推測できるほど多くのゲームを遊んでいませんが、1回か2回成功した覚えがあり、おそらく1割前後くらいだったのではないかと思います。

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