909 誰をかも知る人にせむ 高砂の 松も昔の友ならなくに
題しらず
おきかぜ
(私も年をとったものです。)そこらじゅうのみんなを知人とせねばなりません。あの松さえ昔の(私が知っている)松ではないのですから
藤原興風:生没年不明、中級官吏、古今集に17首採録。上は百人一首。17首のうち12首は寛平歌合で詠まれたもの。たぶんこのころ(890年ごろ)が歌人として最盛期か。
気に入った歌を2首挙げておく。
326 浦近く降りくる雪は白波の 末の松山越すかとぞみゆ
海は荒れるわ猛吹雪だわ。まるで松林の上を白波が越えているような状景です。
寒波来襲とか、北日本の日本海側海岸では、まさにこのような状況になるのでしょう。
1064 身は捨てつ 心をだにもはふらさじ つひにはいかがなると知るべく
(年ですから)もうわが身はどうなってもかまいません。しかし、この私がどうなるか最後まで見たいので、心だけは放り出すわけにはいきません。
加齢に伴う認知症にはなりたくありません。
興風の晩年における心境、と思われますが、まったく同感です。
題しらず
おきかぜ
(私も年をとったものです。)そこらじゅうのみんなを知人とせねばなりません。あの松さえ昔の(私が知っている)松ではないのですから
藤原興風:生没年不明、中級官吏、古今集に17首採録。上は百人一首。17首のうち12首は寛平歌合で詠まれたもの。たぶんこのころ(890年ごろ)が歌人として最盛期か。
気に入った歌を2首挙げておく。
326 浦近く降りくる雪は白波の 末の松山越すかとぞみゆ
海は荒れるわ猛吹雪だわ。まるで松林の上を白波が越えているような状景です。
寒波来襲とか、北日本の日本海側海岸では、まさにこのような状況になるのでしょう。
1064 身は捨てつ 心をだにもはふらさじ つひにはいかがなると知るべく
(年ですから)もうわが身はどうなってもかまいません。しかし、この私がどうなるか最後まで見たいので、心だけは放り出すわけにはいきません。
加齢に伴う認知症にはなりたくありません。
興風の晩年における心境、と思われますが、まったく同感です。