水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

ペルガモン展ボランティアガイド(22)

2009-04-26 17:32:11 | ペルガモン展関連
 今日の午後は標記ガイド役に従事した。

総計50人ぐらいの見学者であったか。そのうち約半数に説明した、と思う。「ペルガモン博物館からの借り物は、ベルリンんい帰ると倉庫に眠る。もう二度と日の目を見ないと思う」というと受ける。
総じて好評であった、と思う。それは、長話にしないからだ、と思う。

 長話といえば、81歳のご婦人の話が止まらなくなり、困った。「他のお客様もおいでになるので~~~」とか言っていたところ救いの神が現れた。
ご婦人が寄ってきて、「あなたの話おもしろいわ。今度、私達の壽大学で是非話をしてくださいな」。あれよあれよ、と言う間に双方の連絡先紹介とスケジュール調整(来年だ)がなされた。お見事!

 珍しくも西欧系の人が来た。たしか初めて見る。お一人は、特に何かに関心があるということではなく、時間があったので来た、とのことだった。
 
 もうお一人は閉館直前にいらっしゃり、「音楽関係を専門にしています」と、日本語ペラペラ。
音楽に係わるヒントが何か得られないか、と思っていたが、それについては残念、とのことだった。
平山コレクションの目の確かさ、浮き彫りが表す意味、などについて話がはずんだ。

 周辺の大学(例えばICU)などを通じ、在日外国人にも宣伝しているのだろうか。彼らが喜びそうな企画展であったのに。この展覧会も5月6日で終了だ。

著作権

2009-04-23 09:40:48 | 水車解説関連
 4月18日の記事で、ある方による水車に関する考察の概要を、このブログ上で紹介する、と書いた。が、これを撤回する。その方の著作権がまだ確立されていないからだ。

 内容(ある部分に注目しているのだが)の、あまりのスマートさに我を忘れ、紹介したい、と先走ってしまった。反省!
オフィシャルなレポートとして発表されるまで封印する。

 著作者に心からお詫びする。また、このことを気づかせてくれた、別のある方に感謝する。

 

感謝

2009-04-20 09:08:19 | 雑感(1)日常
 家人が陶芸を始めて、もう15年近くになる。それを手伝い始めたのは、小さな陶芸釜を購入した5~6年前であった。

 手伝うといってもちょっとした力仕事と釜の燃焼管理ぐらいだ。燃料を灯油とする釜で、しかも家人は酸素の供給量を制限する還元焼成が好みであるので、燃焼管理は易しくはない。失敗も多い。

 最近、ある友人から、御自宅の一間を展示会に開放してくださる、との御提案をいただき、ありがたくお受けすることにした。お宅を訪れる知人友人に披露していただける。展示総数は百を越える。写真はその一部である。
並べられる陶器を見ていて、彼らがとてもうれしそう、と感じたのは不思議であった。

 年間の焼成回数が5~6回、一回の作品数が約50。これを5年も継続すると、作品総数は千をはるかに越える。知人友人にもらっていただく。ときどき奇特な方が出てきて買ってくださる。こんなことでさばける量はたかがしれている。
どの作品も、それを作った者の努力の結晶であるから、できれば人様の目に触れる機会を作りたい。

 そんな思いを感じ取って下さった友人御夫妻に心から御礼申し上げる。
生きていると時々とてつもなくうれしい時がある、という。我々にとって、まさに今がそのような時である。

 

 

ペルガモン展ボランティアガイド(21)

2009-04-19 18:14:48 | ペルガモン展関連
 今日の午後は、標記のガイドに携わった。

 今日はなんと、100人以上の女性が館内を埋めた。しかも、そのほとんどが和服でだ。

 聞くところによると、ある茶道の団体が、ここのホールを借りて催し物をし、その付属行事として、展示見学をなさったのだそうだ。全体として、なんとなくハイソな雰囲気を漂わせる皆さんであった。

 一般に皆さん、展示への関心は十分高いとはいえず、もっぱら、ご質問があれば答えるようにした。そして、ヘレニズム期の芸術性の高さを強調するようにした。

 閉館時刻近くになると、散歩の途中に立ち寄る、近隣の方々が多くなる。これも、地域住民の入場料を100円にした効果であろう。小中学生に見せる努力をもっとする必要がある。子供のうちから一流品を見ることは、その子の人格形成に強い影響を与えるからだ。

 

 

解説員連絡会(9)

2009-04-18 12:51:56 | 水車解説関連
 今日の午前は標記、年度初めの解説員連絡会であった。

・市側からの出席者は4名。予算もついたことだし増員だ。力が入っている。

・5月6月の解説当番表確認。OK。

・昨年度は見学者数は、5ヶ月間の公開で5564人だった。年換算にすると優に一万は超える。

・アンケート回答(総数243)によると、散歩の途中で立ち寄る、近傍住民(三鷹、調布、府中、小金井、武蔵野)が多い。前者は全体の約2/3、後者は41%。

・四月後半から、調査および工事が始まる。公開は10月まで、の予定。
地中にタンク(40m3、直径4.8m)を設置し、水を循環させるようにするのだが、さすが市役所、埋蔵物調査もするそうだ。
 解説員から、記録をきちんと残せ、との声があった。全く同感。いままで、文化財保存のための記録保持という視点が若干おろそかになっているような気がしていた。

・閉館時間について。
現状は16時だが、夏はもっと延長してもよいのではないか、また、閉館時刻直前に来る見学者にどのような対応をするか、について活発な意見が出た。

・専用ジャンパーの作成・至急、名刺の改良等について、市は前向き。

・箕輪家は三鷹市の文化財として指定された。進入路購入などの準備のため、公開は23年度以降となる。


 今日の夜、水車クラブ勉強会の案内をいただいた。タイトルは「新車の水輪は、何故14角形なのか?」
強い興味を覚え、発表なさる方に「いつでもいいから、配布資料を下さい」とお願いした(別の用事で勉強会に参加できない)ところ、帰り道で偶然出会い、「ひとつ余っているからあげます」と、頂戴してしまった。
予想通り、瞠目すべき考察だ。近々、このブログ上で紹介する。
解説員仲間のレベルの高さをひしひしと感じ、うれしくもあり楽しい。
研鑽を怠ってはならない、と肝に銘じた次第。

アトラス像浮彫

2009-04-15 11:12:48 | ペルガモン展関連
 ペルガモン展展示物の中で、気になる小品のひとつに、標記、アトラス像浮彫・カタログ番号182、がある。

 ガンダーラ地方起源の25センチ足らずの小さな石像だ。東洋的で愛嬌のある、なんともほほえましい顔だ。ライオンの皮を被っているので、直感はヘラクレス、だが、有翼だ。

 この小品について、カタログの説明冒頭は、「彼らは複数で表され、仏塔基壇に横一列に並んでそれぞれが仏塔上部を両肩で担っている。この姿が、ギリシャ神話の中で天球を背負うアトラスを想わせることからこの名で呼ばれているが、本来の名も役割も不明である」、となっている。

 この石像の名や役割について、急がず、あせらず、調べたい、と思っている。

 ところで、地図帳をアトラスというのは、アトラスが地球を背負っていることに由来する、と思っていた。が、これは間違い。この誤った理解をしている人は結構多いらしい。
とにかく、アトラスが背負っているのは天球だ。
誤解に至った経緯について、解ったことは次。

 ・ティタン族の一員として、アトラスはゼウス達神々と戦い、敗れた。この結果アトラスは、ゼウスによって、大地(Gaia)と天球(Ouranos)が再び仲良くならないよう、大地の西端に立たされ、天球を支えさせられた(引きはなす役目を負わされた)。

 ・メルカトールが作った地図帳の表紙に、アトラスが天球を背負っている図柄が採用され、ここから、上に示したような誤解が始まったらしい。

 

 

コメント欄対応(ペルガモン展関連)

2009-04-13 09:13:07 | ペルガモン展関連
 昨年の12月23日に書いた記事について、コメント欄あてにお問い合わせがあった。以下がそれに対するお答えだ。

・図録には、桑原氏が日本古美術展覧会について書いています(p60~62)。その中に開会式写真および、大観描画のポスターが掲載されています。後者はp103にも掲載されています。ちなみに図録は2000円。

・中近東文化センターでのペルガモン展は5月初旬で終了します。そのあと尾道市立美術館に移る、と聞いています。
同館のHPを見ましたが、残念ながらペルガモン展開催予定のアナウンスを発見できませんでした。したがって、いまいち確信がもてません。が、関西方面の方には、多少は参考になるかもしれません。


 当ブログが受信するコメントやトラックバックの大半は極めて不真面目なものである。このため不本意ながら、受信制限をしている。今回のお問い合わせは、そのような類とは一線を劃せる、と判断した。(たぶん)見ず知らずの人の、つたないブログを読んでいただいていることに心から感謝し、応答させていただく。今後ともよろしくお願いします。


FCTOKYO どうした!(2)

2009-04-12 17:31:44 | 雑感(3)スポーツ
 今日の午後、友人と味スタで対鹿島戦を見た。

 試合の入り方が、あまりにも安易すぎた。開始早々の、マルキーニョスの技あり一発で終わりだった。鹿島はこの1点で、試合を余裕をもって展開させた。最終ラインが攻撃参加してこないのだから、随分と見くびられたものだ。

 後半の入りに、何回かチャンスを作ったが、駄目だった。伊野波と岩政の堅守が光った。いまさらながら、伊野波放出が惜しまれる。

 もっとも、ほとんどのカメラが鹿島のゴールサイドに陣取っていたから、この負けは順当なのだろう。

 これで、2勝3敗だ。まだ先は長い、とはいうものの、前途は明るくない。
全体に、元気がない。しっかりしろ!

 




ペルガモンボランティアガイド(20)

2009-04-11 17:51:51 | ペルガモン展関連
 今日の午後は標記ガイドを担当した。

 本日はほとんど出番なし。理由は、①恒例、学芸員の解説があった。②どういうわけか、女性お一人が多く、声が掛けづらい。③担当学芸員のご好意により、専門家による講演を聞かせていただいた。

 「アッシリア美術の世界」という題で、大阪学院大・渡辺氏による話が、展示ケースを前にして、行われた。
中近東文化センター所蔵の象牙細工(紀元前9世紀~8世紀ごろ)について、彫り絵柄の特性について、概括的な話であった。

 まったく初めて聞く話であるので、問題の本質を理解できなかった。疑問に思った点を、おいおい調べようとおもう。

 しかしそれにしても、アッシリアの中心は今のイラク(チグリス・ユーフラテス川沿い)国内だ。なぜアメリカはここまで兵火を拡大させてしまったのか?侵略ではないのか?罪は大きい。日本もそれに加担した。

花見

2009-04-09 09:15:10 | 雑感(1)日常
 今年はまだ、花見を目的に、出かけていない。早く行かないと、散ってしまう。少々あせっている。

そもそも歴史的に桜の花見はいつごろ始まったのであろうか。

蘆花は、次のように書いている(みみずのたはごと(上)、p132)。

「東京は桜の盛、車の通れぬ程の人出だった、と麹町まで下肥ひきに往った音吉の話」

およそ100年前の話。この車は自動車ではない。当然、肥桶を載せて人力で引く車のこと。

渡辺京二は、川添登の言説を次のように紹介している(逝きし世の面影、p456)。

「江戸の桜花見の元祖は上野寛永寺で、寛文・延宝期(17世紀後半)にはすでに鳴り物入りで酒宴が行われていた」

上野の花見はおよそ350年の歴史を有するということだ。しかもドンチャン騒ぎ付きで。

さらに、渡辺はオールコックの言を次のように紹介している(p457)。

「ーーーー悲しいことには、このような牧歌的な情景が、しばしば過度の飲酒のためにだいなしにされている。男たちは野外の花のさわやかさを吸入するだけではあきたらずに、酒を鯨飲する。この習慣が男だけに限られていればまだしもだが、実際は男ばかりに限られていない」

一方、花見には次のような面もあった(同上、p456)。

「寛政(1800年ごろ)の頃の花見はたんにドンチャン騒ぎをするのでなく、歌・浄瑠璃・おどり・俳諧・狂歌などっをする、というはなはだ文化的は花見となっていた」


文化的においを発散させるような花見を、一度はしてみたい。





解説員として(44)

2009-04-08 18:05:28 | 解説員日記
 今日の午後は、解説当番であった。

 どこもかしこも桜満開。素晴らしい咲きぶりであった。少々凝ったつもりのショット。下手ですの~。

 クラブツーリズム主催の見学者、約30名がお見えになった。全見学時間が20分ということであったので、あわただしい説明に終始した(これだけの人数であったら、最低でも1時間は割いてほしい)。動態保存の方向に入ったので、2年後にもう一度きてほしい、と強調しておいた。
気に入っていただけたであろうか。

 あとは、閉館時間まで、ほぼ途切れることなく見学者がおいでになった。

 今までなんの疑問ももたず、「この搗き臼には4斗の米や麦が入ります」と説明していたが、それがよくないことに今日初めて気づいた。4斗が解るのは、60歳以上のようだ。これからは60kgと言わねばなるまい。しかし、これでは、話がしっくり収まらないと思う(と思うのは俺だけか?)。
 しかし、俵(ひょう)とか升とか、いわゆる尺貫法を使えなくしてしまったのはやはり、よくなかったですよ。
国際的にはメートル法が原則です、なんていっても、いまだにアメリカでは、ヤード・ポンドを平気で使っているではないですか。
 敗戦のせいなのか、日本人の本質が「あっさり」しているのか。生活に密着した伝統度量衡をいともあっさり捨ててしまった我々の浅はかさが悔やまれる。

 

パーチメント(2)

2009-04-07 10:40:47 | ペルガモン展関連
 昨年の9/16の記事で、パーチメントつまり羊皮紙について書いた。

昨日、斜め読みしていた本(ギリシャ・ローマの盛衰、村川・長谷川・高橋著、講談社学術文庫、p160)の中に、これに関し、興味惹かれる記述を発見した。

「中世まで紙がわりにつかわれた羊皮紙をパーチメント(ドイツ語=ペルガメント)というのは、ペルガモンでそれがたくさんつくられたからで、紙をペーパーーというのがエジプト特産のパピュロス(ラテン語=パピルス)に由来するのと対をなす」

 知らなかった。念のため、確認した結果が次。

 古代ラテン語で、羊皮紙をPergamenomと書く。意味は「ペルガモンの紙」だそうだ。ちなみに、英語はparchment、独語はPergament。
なお、古代ラテン語でのパピルスのスペルはpapyrus。
蛇足、今ペルガモンはPergamonとスペルする。

化粧皿

2009-04-06 10:07:26 | ペルガモン展関連
 ペルガモン展の展示物の中で、特に気になる小品のひとつに、標記、直径10センチ足らずの化粧皿(カタログ番号172)、牛の背に女性が横座りした情景が浮き彫りされたもの、がある。

 パキスタン(おそらくガンダーラ)で発見されたもので、紀元前1世紀~紀元後1世紀に製作された品、と推定されている。

 西欧人がこれを見たら多分、「ああ、あの話ね」とすぐにわかる情景らしい。有名なギリシャ神話の中のひとつ、神々の王、ゼウスが牛に化けてエウローパ姫を誘惑する話だ。


 気になる点というのは、展示タイトルが「エウローパの略奪」となっていることにある。
「略奪」はちょっときつすぎるのではないか。話はもっとずーっとロマンチック。
これだけだったら、そんなものか、ですんだが、カタログ中の英文タイトル一覧を見ていてギョっとなった。

「172.Toilet-tray with Rape of Europa」とある。

Toilet-trayはないでしょう。そして、いくらなんでも、Rape とされちゃあ、さすがのゼウスもがっくりくるのではないでしょうか。

 折角の、見事なカタログなのに、ネイティブチェックをおろそかにしたか。

 ちなみに、英文グーグルで上の神話を検索してみたところ、「rape」を使っている文をひとつも見つけることはできなかった。直感は「temptation」であったが、「abuduction」、「kidnap」、「carry off」、「carry away」、「seduction」などを使って上の話が説明されていた。「temptation」はどちらかというと、悪い意味合いをもった「誘惑」なのかもしれない。


木瓜

2009-04-01 10:48:44 | 雑感(1)日常
 庭の木瓜が満開だ。おそまつな一句。
  
    日を浴びて 外出誘う 木瓜の花

 今日は四月一日、エイプリルフール。昨日の今日なのに、不思議と、なんか気分が違う。年度替りだし、暦が、春の到来を実感させる。
 
 今年は、桜の開花から盛りまでが長い。三鷹では今週末が見ごろだろう。やっとフラフラ歩く気になってきた。

 なぜ、木瓜をボケと読ませるのか。始めは、個々の漢字の音読み通り、モッカ、と読んでいたらしい。つまり、ボケはモッカのなまり。
したがって今、もしモッカと読んだとして、誰かがそれを笑ったとしても、それは笑ったほうがおかしい。こんなことを言っていると、いよいよ惚ケが現れ始めたか、なんて言われそうだ。

 まあとにかく、今日一日、ギャフンとさせられぬよう、用心用心!