水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

古今集(140)

2015-10-28 10:14:14 | 古今和歌集
289 秋の月山辺さやかにてらせるは おつるもみじの数を見よとか
題しらず
読み人しらず

月がひそやかに照らす秋の夜です。はらはら落ちる紅葉の数を、つい勘定してしまいたくなるほど、静かな夜です。


今日は満月ですか。月をしみじみ眺める、なんて生活から、私たちは、なぜ離れなければならなくなったのでしょうか。


それにしても、テレビで見るだけですが、ハローウィーンを口実の、あの喧騒はなんなのでしょうか?

忘れもしません、今から50年近く前の10月30日、職場からの家に帰りぎわ、同僚から、
「飴玉やビスケットを数弗買っておきなさい。最近の子は、気に入らないと、いたずらするから気をつけたほうがいい」といわれ、そのとおりにしておきました。
その夜か翌日の夜か、10人ぐらいの子供が仮装して、ワイワイやってきました。
なにを言われているのか、さっぱりわからず、ただただどぎもを抜かれ、オロオロするばかりでした。
「キャンディ、キャンディ」と叫ぶ言葉だけ理解でき、差し出された空き缶に、買っておいた飴とビスケットを差し入れ、なんとかことなきを得ました。
翌日、同僚に感謝しました。同僚は同僚で、ワケを説明しなかった自身のイタズラ心を、弁解していました。
ハローウィンがアメリカでの恒例行事であることを、そのとき初めて知りました。

そんな、ハローウィーンのハの字も知らなかった時代に育った私がです。テレビ画面にオクチアングリです。言葉もありません。

そういえば、先週たまたま、銀座に行きました。これまた、オクチアングリでした。
別世界です。自分の国ではないようでした。

つくづく、自分の年齢が身に染みる、きょうこのごろです。


古今集(139)

2015-10-26 13:35:32 | 古今和歌集
268 うえしうえば 秋なき時やさかざらん 花こそちらめ ねさへかれめや
人の前栽にむすびつけてうえけるうた
在原なりひらの朝臣

植えたからには、秋がきたら絶対に咲きます。そして、花が散ったとしても根は枯れることはありません。


歌意想像:おとなりかに頼まれて、その前庭に菊を植えました。その菊に添えた歌です。
だから、絶対に枯らしたくありませんし、末永く毎年咲いてほしいものです。






古今集(138)

2015-10-22 13:45:32 | 古今和歌集
267 佐保山の柞(ハハソ)の色はうすけれど 秋はふかくもなりにけるかな
秋のうたとてよめる
坂上これのり

佐保山の紅葉(柞=コナラ、ナラの類)が始まったようです。いよいよ秋ですね~。


このところ好天が続く。
思えば、64年の東京オリンピックはこの時期でした。開会式の、前日の土砂降りとはうってかわった、快晴に大喜びしたものです。

なぜ、欧米のごり押しに負けてまで、8月に五輪をやらねばならぬのでしょうか?


珍しい語、「柞」を使った俳句を、さがしてみました。

たどりつき 柞紅葉の 浮かぶ温泉(ユ)に  中村若沙


古今集(137)

2015-10-19 12:04:33 | 古今和歌集
212 秋風にこえをほにあげくる舟は 天の門わたる雁にぞありける
寛平の御時きさいの宮の歌合のうた
藤原菅根朝臣

肌寒い秋風とともに、雁が元気な声を張り上げて飛んできました。まるで天の川の急流を漕ぎ渡る舟のようです。


雁の元気なm飛ぶ様子を、川の急流を漕ぎ渡る船頭の勢いにたとえ、さらに天空の天の川を状景に取り入れた、男っぽい歌。


古今集に出てくる歌の多くが、男女間の微妙な感情とか、さびしさ・かなしさを詠うように感じる。

歌会用に作った歌であろうが、この歌のような元気な歌は好きだ。


それにしても、雁の鳴き声なんて、もう何十年と、聞いたことがありません。
子供のころは、見たし、聞いたし、したものですがね~。

古今集(136)

2015-10-15 20:36:34 | 古今和歌集
942 世の中は夢かうつつか うつつとも夢とも知らず ありてなければ
題しらず
読み人しらず

我々が生きている社会というものは、夢の中なのだろうかそれとも現実のことなのだろうか? そんなことどうだっていいや、私なんぞ、所詮、あってないようなものなのだから。


この歌を口ずさんでいて、ある歌を思い出した。

露とおち露と消えにしわが身かな 難波のことも夢のまた夢

そう、秀吉の辞世の句です。


哲学的というか禅問答というか、理解の程度を究めるためには、もうすこし、人生経験を積まねばならぬようです。






古今集(135)

2015-10-13 09:16:08 | 古今和歌集
203 もみぢばのちりてつもれる我がやどに たれをまつむしここら鳴くらん
題しらず
読み人しらず

もみじが散り、そのまま放置されている私の家では、マツムシが(どなたかをお待ちして)しきりに鳴いています。


秋歌上の巻にある歌ですが、女性がひそかに思い人を待っている歌、でしょうね~。
私どもには、とんと縁遠いお話です。


最近、テレビ産業の衰退が一段と顕著になってきたようにおもいます。
ひな壇に並んでワーワーやるか、韓流ドラマか、ショッピングか、そんなものばかりで、テレビのスイッチを点ける気がおきません。
ある種、革命的な変革を志さないと、スポンサーも離れてしまうでしょうに。
閑な年寄りが食いつく番組を是非つくってほしい。どんなものがあるのでしょうか、無責任にも、わかりませんが。



古今集(134)

2015-10-08 04:27:06 | 古今和歌集
225 秋の野におく白露は玉なれや つらぬきかくるくもの糸すぢ
是貞のみこの家の歌合によめる
文屋あさやす

秋の野原でみかけた白露はまるで玉のようだ。なぜかといえば、くもの糸が、(いくつもの白露を)貫いているからです。


庭木にくもの巣が張るのをいやがりますが、ときどき、その巣に水滴がついていて、きれいだな~と思うことがあります。
そんな状景を、見事に歌いこんだ、好感のもてる歌です。

父が康秀であったそうです。


気温が、ガクンと低くなりました。
今日は、サッカー、シリア戦です。国の中が悲惨な状況になっている対戦相手ですが、どんな試合になるでしょうか?


年をとると、とんでもない時間に目が覚め、眠れなくなります。いやなものです。

古今集(133)

2015-10-05 16:03:34 | 古今和歌集
211 夜をさむみ衣かりがね鳴くなへに はぎの下葉もうつろひにけり
題しらず
よみ人しらず
このうたはある人のいはく、かきのもとの人まろがなり

夜の寒さがだんだんこたえるようになってきて、(妻に)上着をついつい要求してしまいます。(そんな頃は)雁の鳴き声が聞こえますし、萩の下端も色づいてきます。


10月に入って、いよいよ暑さともお別れのようです。「衣を借りたい」と「雁」を掛詞にした、こんな歌も、古今集に選定されています。
しかもです、この歌が柿本人麻呂の作かもしれない、という注が書き添えられているのですから、面白いことです。


常識的に考えても、人麿がこんなふざけた歌を詠めるような立場にはいない人であったことを十分知ったうえで、このような注を付け、遊んだ、というのが実相ではないかと、想像します。


あと一週間ぐらいで、旧暦の八月が終わります。ということは、秋が、あと40日あまり続く、ということになるのでしょうか。


中東のキナクササは、いよいよ抜き差しならぬ状況に入りつつあるのでしょうか?
好むと好まずにかかわらず、この国も巻き込まれることになるのでしょう。
宗教、民族、国家といったさまざまな組織が、あざとさを露骨に出して、自己の利益のみを追求する世界であるのでしょう。
そのような中、もしかしたら、「積極的平和主義」の出番かな、なんて思ったりして。

古今集(132)

2015-10-01 11:05:10 | 古今和歌集
202 秋の野に人まつ虫のこえすなり 我かとゆきていざとぶらはん
題しらず
よみ人しらず

秋の野原を散策していたら、人影(服装からみて若い女性)がちらっと見えた。そっちの方向でマツムシが盛んに泣いている。「虫の声がするもんで~」なんて言いながら、お近づきを得ようと思う。ウッシッシ。


若い(と想像しますが)、っていいですね~。このようなトキメキを感じることができたのは、もう随分と前のことでした。
年はとりたくないものです。


今日は10月1日、都民の日。調べてみたら、1952年に東京都条例で制定された、のだそうだ。
そういえば、小学高学年時代から、今日が休み、となった記憶がある。
この日は、だいたいにおいて、どの年代になっても、クラスの仲間と遠出をしていたように思う。

調べついでに、FC東京の設立日がこの日であることもわかった。
今年は、武藤君のおかげで、上位をキープできた。
味スタで、何回も大声を張り上げてきたのだが、優勝を勝ち取るには、あと一歩足りない。
喜びの雄叫びは来年以降、ということになりそうだ。