水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

夜想曲集(10)

2020-08-27 09:51:40 | 夜想曲集
His wife, he told me, had come from a small town in Minnesota, in the middle of America, where her school teachers gave her a hard time because she was always looking at magazines of movie stars instead of studying.
女房はアメリカのど真ん中、ミネソタ州の小さな町の生まれだ、とガードナーは言った。勉強そっちのけで、スターの載っている映画雑誌ばかりみていたから、学校ではいつも先生に叱られていた。

ゴンドラに乗って、歌う場所に向かう途中、時間つぶしに、ガードナー氏は、奥さん、リンディとのなれそめを話した。リンディは、玉の輿に乗ることに全精力を傾けてきたのだ、と話すのだが、上はその出だし。

「おっかけ」なんて言葉を聞くことがあるが、この種の人々の中には、このリンディと同じ思いを貫こう、としている人もいるのかもしrない。


今日も蒸し暑い。この暑さはまだ、しばらく続きそうだ。勘弁してくれ。

夜想曲集(9)

2020-08-20 09:57:21 | 夜想曲集
I can not believe that, Mr Gardner. You are a classic. You are like Sinatra or Dean Martin. Some class acts, they never go out of fashion. Not like these pop stars.
You are very kind to say that, friend. I know you mean well. But tonight of all nights, it is no time to be kidding me.
信じられません。ガードナーさん、あなたは最高ですよ。シナトラやディーンマーチンと同じです。ただの人気歌手ではない。一流が廃れるなんてことはありません。
親切な言葉だ、ヤネク。ありがとう。悪気がないことはわかっているが、今晩は~~今晩だけは冗談をよしてくれ。

ヤネクが、ガードナーという超有名人と近づけたことに興奮しているにもかかわらず、一方のガードナーは、自分はもう過去の忘れられた老歌手である、と思っている。
それを聞いて、ヤネクが最高のお世辞をいい、またそれにガードナーが「やめて、やめて」と応じたところ。

一流を極めたあと、人間は、スカスカになる、と言われる。今のガードナーはそんなところなのでしょうか。


コロナもやりきれぬが、このところの熱中症もたまらない。外に出るのが怖い。

夜想曲集(8)

2020-08-13 11:45:44 | 夜想曲集
Mr Gardner broke off suddenly and said: ' okay. We will do "Phoenix" in E-fat. Then maybe "I Fall in Love Too Easy", like we planned. And we will finish with "One for My Baby". That will be enough. She will not listen to any more than that.
突然、歌声が途切れ、「よし」とガードナーが言った。「“フェニックス”」はEフラットで行こう。あとは打ち合わせどおり“惚れっぽい私”、そして“ワン フォー マイ ベイビー”だ。 それで十分だろう。 女房もそれ以上は聞きたがるまい」

ガードナー氏の奥さんがいる部屋の窓の下から、歌う歌について、打ち合わせは終わっていた。しかし、ゴンドラに乗ってから、ガードナーさんは、歌を一つ追加したくなった。うまく合わせることができたので、ガードナーさんは曲目を最終的に決定した。


状況は極めてロマンティックであるにもかかわらず、ガードナー氏は物思いに沈み込む様子であった。船頭ビットーリオの櫂がたてる水音だけが、暗闇の中響いていた。


このところ、とんでもない暑さだ。そして、コロナ。これもとんでもないことになりそうな雰囲気だ。年寄りを、早くあちらに送り出したいのではないか。


夜想曲集(7)

2020-08-06 21:08:02 | 夜想曲集
If it does not rain, why not tonight? Around eight-thirty? We eat dinner early, so we will be back by then. I will make some excuse, leave the apartment, come and meet you. I will have a gondola fixed up, we wi come back along the canal, stop under the window. It will be perfect. What do you say?
雨が降らなかったら、今晩。 八時半頃でどうだろう。 わしらはいつも夕食が早いから、その時間にはもう戻っている。 わしは何か理由を作ってパラッツオを出て、君と落ち合おう。ゴンドラは用意しておく。 それに乗って運河で戻り、窓の下に寄せる。これで問題あるまい。どう思う。

なんとロマンティックな計画ではないか。 しかし先ほどの夫婦の様子から、状況はそれほど単純ではなさそうである。

ヤネクは、ガードナーと歌の詳細をつめ、別れた。
さて、どうなるか。


今日も暑かった。しかし今年の夏は短いはずですよね~。明日がもう立秋ですか。