水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

ハローウィーン

2016-10-31 16:13:20 | 雑感(1)日常
つい先ほど、道路沿いを、仮装した子供たちが、おおぜい通り過ぎた。

一両日前から、テレビが映し出す、渋谷の状況に唖然としていたのだが、いよいよこんな町にもやってきたのだ。
これはもう、ハローウィーン行事がこの国においても定着した、と言っていいのでしょうか。


渋谷では、大の大人がワイワイやっているし、さっき見た子供たちの後ろには、母親がゾロゾロ付き従っていた。
が、何十年も前だけれど、アリゾナで体験したそれは、子供たちのみであった。
面白がる大人の後ろには、プロデューサーがいるのでしょうね~。


このようになってくると、金儲けのタネに十分なりえますから、マンガ・アニメ文化と化学変化をおこさせ、全く新しいものを作り、世界に発信することになるのでしょうか。
いいことなのか、よくないことなのか、わからない。が、言いたいことはひとつ。

「なんか、幼稚ですよね~。世の中全体の精神年齢の加齢速度が遅くなっている、としか思えません」

古今集(238)

2016-10-27 10:24:42 | 古今和歌集
975 今さらにとふべき人も思ほえず 八重葎(ヤエムグラ)して門させりてへ
返し
読み人しらず

いまになって何言ってるの?ウチに来る人なんているわけないじゃない。雑草が生い茂って門は鍵がかかっていたよ、って言ってちょうだい。


この歌の詠み手は、まず、「あなたが来ないから、尼になりました」(973番)との歌を男に送り付けた。
それに対し男から、「あなたに恨まれる覚えがありません。ボクのどこが悪かったのでしょうか?」という、返歌があった。
その結果、上の歌を送った、ということであるので、女のブチ切歌、と解釈すればよろしい。

ヤエムグラといえば、百人一首に歌がある。
八重葎しげれる宿のさびしさきに 人こそ見えね秋はきにけり


最近、空き家が多くなってきたが、いまどきは、まさにこの歌が詠むような「一時代前の豪邸」がやたら目につく。
私が年をとったせいなのでしょうか?それとも時代そのものが、そのようになってきているのでしょうか?

古今集(237)

2016-10-24 11:43:30 | 古今和歌集
937 宮こ人いかにと問はば 山高みはれぬ雲いにわぶと答えよ
甲斐の守に侍りける時、京へまかりのぼりける人につかはしける
おののさだき

都の人が、(わたしのことを)どうしていますか、と聞いたら、ここは山の高みにいつも雲がかかっているのですが、まるでそのように、心晴れず侘しがっています、と答えてください。


中央から地方に転任する役人は、昔も中央だけを見ていたのですね~。


東京の一極集中は、とどまるどころか近年ますますひどくなってきているようです。
東京のGDPは、確か150兆円ぐらいで、国全体の1/3を占める、となにかで読んだ記憶があります。

がです。23区総面積は約600km2、そして、その区域の平均地価は、坪当たり百万円は下りますまい。
とすると23区の地価総額は200兆円で、地域のGDPを軽く超えてしまっているといえます。

人が群がりくるはずです。考えてみれば、ずーっと、こうだったのです。
こんな土地本位性に立脚した経済社会は、やはり、どこかおかしい、と思うのです。

古今集(236)

2016-10-20 09:51:08 | 古今和歌集
948 世の中は昔よりかは憂かりけん わが身ひとつのためになれるか
題しらず
よみ人しらず

どうも世の中そのものがおかしくなってきたように思います。が、これは私自身のみの問題、といってしまっていいのでしょうか。


千年前に生きた人と意見が一致するなんて、不思議ですが、私も、この方の意見に賛同します。

そもそも、世界のリーダーたるべき国のトップ候補の幼稚さかげんに、茫然とするばかりですし、
住んでいる、この国の国会での知性の欠如したやりとりに、いまさらながら、うんざりですし、
金銭欲のかたまりで構成された組織で動かされている、としか思えない、2020五輪の状況を知るにつけ、しらけるばかりですし、
政治家たちの自己中を野放しにしているマスコミのふがいなさにガックリきていますし、
~~~~~~~~。

よくないな、と思いながらも、目と耳を閉じ、自分自身の毎日に閉じこもることになりがちです。
天候もやっと、いつもの秋になってきたのですから、自らを奮い立たせようと思う今日この頃です。





古今集(235)

2016-10-17 10:05:06 | 古今和歌集
242 今よりはうえてだにみじ 花すすき ほにいづる秋はわびしかり
題しらず
平貞文

これからはススキを植えるのをやめようと思う。なぜなら秋になってススキの穂をみるのがわびしいものだからです。

我々は、どうしてもススキの先入観は「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ですが~~~~。
古今集の時代は、ススキを鑑賞の対象として、庭に植えていたのですね~。
たぶんこの歌は、別れた恋人とススキを植えて楽しんだことを思い出すので抜いちゃえ、という意味なのでしょう。


ノーベル文学賞に、フォークシンガーソングライターが選ばれました。
本人の反応が表にでてこないそうですが、かっこいいですね~。

そして文学賞の対象が、小説のみに限定するわけではないことが示されました。これもいいことですね~。
万葉から続く日本の和歌の奥深さが、世界にわかってもらえるでしょうか?これぞクールジャパンそのもの、と思うのですが。



古今集(234)

2016-10-13 11:07:52 | 古今和歌集
1041 我を思ふ人を思わぬむくいにや わが思ふ人の我を思わぬ
題しらず
よみ人しらず

私のことを思ってくれているのを知っているくせに袖にしたことのむくいでしょう。私が思っている人は振り向いてもくれません。


こんな単純な歌が古今集にも載っているので、ある意味ほっとします。
語調がいいので、覚えやすく、宴席などでの話のタネにとっておきましょう。

それにしても、昔も今も、思い思われ、なんてことはマレなのでしょうね~。

古今集(233)

2016-10-10 06:43:40 | 古今和歌集
263 雨ふれば笠取山のもみじばは 行きかう人の袖さへぞ照る
是定のみこの家の歌合によめる
ただみね

笠取山のもみじは、(ふだんでさえきれいであるのに、)雨が降ると、人々の袖にも映り、さらに美しい


そんなものですかね~。
古今集の中には、このほかにもいくつか、雨と紅葉とを詠いこんだ歌があるのですが、雨の中の紅葉をきれいだと感じたことはありません。
かくれた意味があるのでしょうか。


今日は体育の日ですか。
普段ですと、そろそろ車の音がひどくなる時間帯ですが、まだそれほど大きくはありません。それで気づきました。
毎日が休日の身ですと、世の休日にうとくなります。よくないですね~。



古今集(232)

2016-10-06 10:45:27 | 古今和歌集
821 秋風のふきとふきぬる武蔵野は なべて草葉の色かはりけり
題しらず
よみ人しらず

秋風が吹きまくった武蔵野の原野では、草も枯れ、色が変わってしまった。

恋歌の範疇に入れられているので、まともに解釈するのではなく、次のように訳すべきなのかもしれない。

あなたにすっかり嫌われてしまった私ですが、私だって(人の子です)もうあなたのことを未練がましく追ったりしません。


昨夜は、予報ほど風は強くなかった。我が家は、南西方向からの風をまともに受けるので、気になっていたが、安堵した。

テレビでは、韓国南岸での高潮被害を報じていた。
こないだいは、珍しくも地震が発生したし、本来自然災害が少ない国なのにどうしたことか?

古今集(231)

2016-10-03 12:36:07 | 古今和歌集
890 世の中にふりぬる物は 津の国の長柄の橋とわれとなりけり
題しらず
よみ人しらず

世の中を見回すと、古いものといえば、津の国の長柄橋(ナガラバシ)とわたくしとだけになっているのでした。


昨日、所用で久しぶりに電車に乗った。日曜日であったためか、ことのほかの人出で、いささかうんざりした。
しかし、である。乗り換えごとに車内に入るたび、席を譲っていただいてしまったのである。

若いつもりでいるのは自分ひとりであって、周囲の他人様は、足元のおぼつかない老人、とみてくださっている。
ということに気づかされたのでした。
なんとも複雑な気分となった一日でありました。