水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

ハムラビ法典

2009-02-26 10:31:09 | ペルガモン展関連
 ペルガモン展は中近東文化センターの期間限定企画展だが、常設展示室もなかなか見ごたえがある。

 まず、入り口近くにドーンと立っているハムラビ法典は存在感があって、好きだ。楔形文字だから、もちろんチンプンカンプンだが、「眼には眼を、歯には歯を」の部分(囲ってある)や神と王の浮き彫り、など眺めていて飽きない。

最近、「眼には眼を、歯には歯を」の部分について、次の英語翻訳が気になっている。

「If a seignior has destroyed the eye of a member of aristocracy, they shall destroy his eye. If a seignior has knocked out a tooth of a seignior of his own rank, they shall knock out his tooth.」

 一番上の階層の人々に限って、復讐を命令している、と読めてしまうが、間違っているか。つまり、徳川時代の話として解釈すると、武士階級の中でけんかがおこり、一方が死んだ場合、加害者は、必ず同僚達に殺されねばならない。

 なぜ、これほど強烈に復讐を強制しなければならないのか。うまく表現できないのだが、少数が多数を支配するための支配者側の掟として、支配階層の強固な結束を促す意味が強い、と思う。

 
 まあとにかく、静かな展示室で、さまざまな貴重な展示物を眺め、夢想に浸る楽しさに気づいてしまった、ということ。


解説員として(41)-1

2009-02-23 09:17:25 | 解説員日記
 昨日の午後、しんぐるま、の解説当番であった。2月下旬にしては、風もなく暖かな日曜日であった。見学者数は30人強であったか。予想よりは少なかった。
 
 いっとき、百人ぐらいの団体が野川沿いに現れ、緊張した。中が狭いため、2グループそれぞれマックス10人が、同時に入れる上限だ。結局、別目的であったらしく、こちらにはいらっしゃらず、事なきをえた。
予約なしの団体は断っていいことになっているものの、なんとかせねばならないか、と覚悟した。

 印象に残った見学者は次の二組。

・お孫さんに古い民具を説明していて、写真が必要になり、調布の郷土館からこちらに回ってこられたご夫婦。子供の頃の思い出話をしながら、熱心に写してお帰りになった。今度は、お孫さんをつれておいでになることだろう。

・二中の卒業生。60歳前後の男性。崖にあった洞穴(たぶん、軍関係者が堀った防空壕)の話で盛り上がった。我々子供達にとって、この周辺は、親に内緒の、冒険心をくすぐる貴重なエリアの一つであった。


 年を重ねると、人間誰しも、どうしようもなく懐かしい、それこそウルウルきそうになる、物や場所があるものだ。

 

ペルガモン展ボランティアガイド(15)

2009-02-22 09:52:34 | ペルガモン展関連
 昨日の午後、標記ガイドに従事した。

 土曜日の午後一時からは、学芸員による企画展のガイドがあることをはじめて知った(ちなみに、日曜日の午後一時からは、学芸員による常設展のガイドがある)。

 見学者達にくっついて聞かせていただいた。さすがプロだ。専門知識の豊富さを背景にした説明は見事というほかはない。

 平山郁夫美術館の学芸員による講演は聞くこてができなかったが、幸運にも、それに付随しての、同館からの借り物展示物についての展示会場説明は聞くことができた。これも、非常に有意義であった。

 ふたつほど、質問した。

・菩薩腰紐のヘラクレス結びについて、「ヘラクレス結びが本結びだとすると、同じ結び方は、中国やエジプトやメソポタミアなどで、もっと古くから、使われていたと思うのです。同じ結び方なのに、なぜヘラクレス結びと言い切れるのでしょうか?」「彫刻等に見られる、いわゆるヘラクレス結びは、極めて独特です。ゆるく、ゆったりと結んであります。すぐ判ります」

 む~ん。ぎちぎちに固く結んだ本結びはヘラクレス結びとは言わない、ということだ。

・小さな浮き彫り(ヘラクレスがドラゴンかグリフィンと戦っている)の場面変換の植物について、「蓮なのでしょうか?」「わかりません。蓮と見ないほがいいと思います」

 ガンダーラ仏教と密接な関係を持った浮き彫りらしいのだが、もしそうだとすれば、戦闘場面の激しさと仏教のやさしさとの整合性をどのように理解すべきなのだろうか、疑問に思っていた。が、上の回答を得て、ますます、この浮き彫りは仏教とあまり関係ないのではないか、と思うようになった。


 どの展示物も何回見ても飽きることが無い。むしろ見るたびに新しい発見があり、それに伴って新しい疑問が沸いてくる。これが、「はまった」という現象なのだろうか。 判らないことを、調べ、専門家に聞くことは楽しい。

神田川上流懇談会(6)

2009-02-18 09:21:34 | 雑感(2)ボランティア活動
 昨日、標記の会議があった。二年間があっという間であった。あと一回(6月らしい)でおわりだ。

 活動記録用の原稿は先月提出してしまったし、もうやることもはない、と思っていたら、河川整備計画の素案を丁寧に説明してくださり、意見をいいなさい、ということになった。
折角のチャンスだし、家に持ち帰り、じっくり熟読し、気のついたところを提出することにした。

 会議の場所まで、井の頭線の永福町駅から歩いた(30分)。風が強く寒かったが、日差しは、明らかに春を思わせ、気持ちよかった。


 しかしそれにしても、財務・金融大臣のポストが、アル中(たぶん、プラス酒乱)でも勤められるほど、のものだとはついぞ知らなかった。
彼の、醜態をさらけ出した、この罪は限りなく大きい。が、短気は禁物。これは病気だ。父君と同じ末路には決して至らないでほしい。政治家とは別の道を切り開いてほしい。日本社会の懐の深さを信じて!

 

 

ペルガモン展ボランティアガイド(14)

2009-02-15 18:04:46 | ペルガモン展関連
 今日は終日、標記ガイドに従事した。

・昨日提出されたアンケート回答をパソコンに入力した。印象は次の通り。
①総計18通だったか、②年寄りが多い、③ドイツもしくはトルコに行った人が多い、④三鷹・武蔵野市民は少ない、⑤当センターへのリピーターが多い、⑥総じて好評。

・午前中の来館者は数名。お一人、世界中の神話に興味をお持ちで、それを統一なさろうと心がけておられる(と思われる)女性との話が長引いた。

・午後、展覧会会場のケアを研修に来ている学生さんにお願いし、ギリシャ美術史の講演を聞かせていただく機会を得た。学芸大名誉教授水田氏。
ギリシャ彫刻を見るには、ギリシャ神話を知っておくべきこと、個々の仕草や目線などに意味があることを知っておくべきであること、など大変参考になる話であった。

・上の聴講者が展覧会に流れてきたためか、解説に際して、プロっぽい話になる場面が多く、冷や汗のかきっぱなしとなった。
たまには、このような緊張が必要だ、と強がった一日。疲れた。

解説員として(40)

2009-02-13 16:23:42 | 解説員日記
 昨夜、連絡を受け、急遽、しんぐるまの解説応援に入った。市内第二小学校三年生の団体見学に対応するためある。

 4クラス、総計約170名であった。

 クラスごとに時間差を持って来館し、それぞれ二組に分かれてくれ、かつ、S氏による冒頭概要説明が的確であったので、全体、うまくいった、と思う。

 団体としての統率もしっかりとれていて、見事な見学振りであった。

 ただ1点、残念なことがあった。こちらの予定には入っていなかった、納屋・蔵の見学が急遽なされたのだ。T氏の臨機応変の対応で大きな混乱は生じ名なかったものの、あらかじめこのことが知らされていれば、説明員の配置も異なったであろうし、親切な準備を心がけるとすれば、説明員がさらに一名増員されたいたであろう。

 「近くなのだから、遊びにいらっっしゃい」と、声を掛けるようにしたので、興味を持った生徒さんは、休みの日に来るではあろうが。
 

落選!

2009-02-12 20:00:19 | 雑感(5)その他
 ちょっとツラの皮が厚すぎるか、と思ったが、生来の無神経さが勝ち、第14回まちづくりフォトコンテストに応募してしまった。示した写真がそれである。

 写真機はそこらにあるもの、腕はど素人、ただただ、雪景色が珍しかろう、というしろものだ。昨年2月3日、しんぐるまの解説当番日にたまたま大雪で、撮影したものだ。

 案の定、落選。でも泣かせるではないの、お世辞ではあろうことは重々承知しているが、次の文章が添えられていた。満足。

「応募者190人、作品点数588点の応募の中から、厳正なる審査をいたしました結果、あなたの作品{大沢・雪景色}が最終審査まで残りましたが、惜しくも落選となりました」
、とさ。

解説員として(39)

2009-02-11 15:29:03 | 解説員日記
 今日の午後、しんぐるま の解説当番であった。(写真を一枚掲載しようとしたのだが、ひどいピンボケであきらめた)

 祭日ではあるものの曇天で寒く、見学者は少ないはず、と思っていたら、あにはからんや、総計30名はいらっしゃったようで、そこそこの忙しさであった。

 小学一年生を伴ったご家族、三歳の坊やを伴ったご家族、についたときは、特に気合を入れた。というのは、どちらも、子供さんが、水車に強い関心を持っている、と聞いたからだ。彼らの関心を阻害してはならない。
水がないこと、水車が彼らにとってはでかすぎること、など、とても全体を理解してもらえる、とは思わない。が、なにかひとつでもいい、印象に残るものがあってほしい。祈るばかりだ。

 本日、最も印象に残ったこと。
調布飛行場を見学した(と思われる)三人が、飛行場の車で飛行場の職員に連れられてやってきた。めあては、戦闘機’はやぶさ’の胴体破片およびアンテナ。熱心に写真を撮り、計測した。
熱烈なマニア達であろうが、門外漢には、なにが面白いのか、理解不能。60年も前の話だが、あんなもん、飛燕のエン体壕の付近にゴロゴロあって、いくらでも見つけられたのに。
 
 時代は変わった。 

金メッキ指

2009-02-10 09:51:52 | ペルガモン展関連
 ペルガモン展展示物の中に、いくつか気になる小品(展示すべてが地味な小品なのだが~)がある。標記、金メッキ青銅製指(カタログ番号104)、もそのひとつだ。10センチ足らずの、指先二本。しかし、その優美さというか、なんともいえない気品を感じる。

 8世紀に製作された奈良の大仏は、たしか金メッキ銅製だが、その高度な製作技術の一端が、さらに遡ること約千年前のペルガモンにあるなんて~~~~。もう、恐れ入って、うなってしまうだけである。

 主として、東京鍍金工業組合のHPから仕入れた知識は以下のとおり。

① メッキは日本語。昔、水銀に金銀が溶けることを、滅金(めっきん)と言った。長いあいだに、’ん’がとれてメッキ、だそうだ。

② 鉄にすずをメッキすることは、紀元前1500年頃のメソポタミアまで遡れるらしい。

③ 中国では紀元前500年頃の遺跡から、金メッキを施した青銅製遺物が出土する。スキタイ(中央アジアの騎馬遊牧民)との交流から、得られた技術らしい。

④ 上の中国よりさらに百年前のスキタイの古墳からは、金銀細工に混じって、金メッキ製品が出土しているらしい。

⑤ 古代に製作された、青銅製の像や器物は、金属の再利用を目的に、そのほとんどが破壊・消滅しているのだそうだ。

ギリシャに、金メッキ技術(水銀法)がいつ伝えられたのか、あるいは、ギリシャあたりが起源なのか、まだよくわからない。


ペルガモン展ボランティアガイド(13)

2009-02-09 06:11:06 | ペルガモン展関連
 昨日は終日、ガイド役を担った。

午前中は十人程度、午後は五十人程度の見学者であったか。全体、静かな雰囲気で、気分は最高。

 印象に残った見学者は次の二組。

・ 若い男性お一人。「ご専門に関係していらっしゃったのですか?」、「いいえ、ずぶの素人です。武蔵野市在住で、百円で入れる、と聞いたもので、きました」。(前にも書いたが、うっかりプロに声を掛けると恥をかく。最も気を使う場面だ)
 展示物の見方について、考えているところ(この場合は、ガンダーラ仏へのギリシャの影)を話したら非常に喜んでくれ、再度熱心に見学なさっていた。
ボーっと全体を見るのも大事だが、視点をしぼって見ることも、ときには面白いはずだ。

・ 二十人程度の団体。旅行仲間のようで、一昨年ベルリンのペルガモン博物館に行き、之は実際の遺跡を見ねばならん、とて昨年トルコのベルガマ(ペルガモン)に行ったそうだ。

 この方々と話をしていて、「部分と全体」ということについて考えた。みなさんは、まず全体を見、その後、この展覧会で遺物の破片をご覧になっている。

 こちらは逆で、遺物の破片に見られる、技術の精緻さに感動することからはじまって、中近東/ギリシャの全体象に関心が及ぶようになった。

 
 どちらがいいか、ということではない。
実は最近碁がメタメタなのだ。壁に当たっている、なんておこがましいことは言わない。が、局地戦で大ポカをやるかと思えば、序盤にうまく立ち回られて手も足も出なかったり、グヤジ~イ、の連続。

 大局観をしっかりさせる、と同時に、部分の生死にも気を抜いてはならない、ということ。バランス、バランス!

神話

2009-02-05 10:05:25 | ペルガモン展関連
 このところギリシャ神話にこだわっていたのだが、実は恥ずかしいことに、足元の、日本の神話について何も知らない。

 以下は、古事記と日本書紀(青春新書、坂本勝監修、2009年)をツンドクしての付け焼刃。

① 歴代天皇で、歴史としてみてよいのは第26代継体天皇以後ではないか?
西暦500年頃からが歴史。それ以前は伝承、伝説そして神話の世界。

② ヤマトタケル伝説は12代景行天皇の頃に設定。たぶん、壬申の乱を下敷きにした話。

③ 初代、神武天皇の、神とのつながりは以下のとおり。

 神武の祖父はニニギノミコト。確か、天皇家の祖神で、高千穂に降臨した神様だ。母方はオオワタツミの神(海神)。祖母はオオヤマツミ(山神)の神の娘。

 む~ん、この辺、話として完璧だ。渡来系民族が、土着民族(漁師系および猟師系)と縁戚関係を構築し、支配権を確立した、ということだろうか。

 ニニギノミコトの祖母が天照大神、スサノオノミコトは天照大神の弟。
国譲り神話の大国主神は、このスサノオノミコトの子孫ということだ。

 天照大神(天の支配者)は、黄泉の国からもどったイザナギが、左目を洗った時生まれた。右目、鼻を洗って生まれたのが、それぞれ、ツクヨミノミコト(夜の支配者)、スサノオノミコト(海の支配者)。

 記紀神話上での日本国祖神、イザナギ・イザナミから、神武まで、とりあえず大筋の系図をたどることができ、ほっとした。

 

 

 
  

禍福如糾縄

2009-02-02 11:04:42 | 雑感(5)その他
 かふくはあざなえるなわのごとし

 昨日配布された市報によると、平成20年の市内火災焼損面積は、三鷹消防署開署以来(S42年)最少で、111m2であったとか。

ところが、である。今朝の新聞によると、昨夜市内で火災発生、二戸総計200m2が焼損した。

 皮肉というか、禍福如糾縄というか。

 最近の新聞報道によると、世界に君臨していた、自動車、家電関係のわが国大メーカーが、軒並み赤字になるらしい。
アメリカがくしゃみをすると日本は風邪を引く、といわれて久しい。
今の状態は、アメリカが風邪を引き、世界全体が肺炎になった、のかもしれない。

 とにかく落ち着いて、「窮当益堅、志当益壮」を志してほしい。
日本人の持つ火事場のバカ力、を信じようということ。