水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

みみずのたはごと(19)歳除

2008-12-29 11:41:56 | 三鷹・文学
 「さいじょ」と読む。大晦日のこと。蘆花著、自然と人生、文庫版p226で使われている。

 今年の後半は、なんか、とんでもない変換点に居るような気にさせた。

蘆花著 標記文庫版下P131に次の文章がある。

「余は思うともなく今年一年の出来事をさまざまと思い浮かべた。身の上、家の上、村の上、自国の上、外国の上、さまざまと事多い一年であった。種々の形で世界の各所に現わるる、人心の昂奮、人間の動揺が眼まぐろしくあらためて余の心の眼に映った。何処に落ち着く世の中であろう?」

 今にピッタリの文章だ。来年はどんな年になるのだろうか?

 世を眺む ただ呆然と 歳除かな

 おそまつ!


 このブログに関心を持っていただいている皆様!
眼をかけていただき、厚く御礼申し上げます。来年もよろしくお願いいたします。
よいお年をお迎えください。


三鷹市一位(2)

2008-12-26 09:57:53 | 三鷹・市政
 12月11日の記事の続き。
日経グローカル114号に行政サービス調査の結果が出ていた。
三鷹市はこの調査でも全国743市区の頂点に立った。
周辺ライバル市と比較すると、次のとおり。()内は点数。

           三鷹市    武蔵野市    調布市
総合(300)       1位(181.4) 6位(168.7)  45位(155.2)
 子育て環境(60)  11位(40.9)   (40.2)     (39.5)
 高齢者福祉(60)  32位(35.5)   (26.9)     (27.0)
 教育(60)     84位(22.6) 8位(31.4)     (16.5)
 公共料金等(60)  17位(41.6) 6位(42.9)     (35.7)
 住宅・インフラ(60) 2位(40.9)   (27.3)     (36.6)


 小・中学校の少人数学級や土曜補修の面で見劣りし、教育分野が84位となり、個人向けの住宅資金助成制度が充実して住宅・インフラ分野が2位となった、そうである。

 高齢者福祉分野は、地方都市が上位を占める。これは評価項目の設定に影響されたようだ。

 まあとにかく、示した三市とも、全国的にみれば、トップ10%以内の住民サービスをしているわけで、互いの差は小さいはずだ。このように充実した市域に住まわせていただいていることに感謝しなければなるまい。


 レポートを読んでいて、最も気になったことは次、

・介護保険料の一番安い自治体、茨城県坂東市、2300円(月)、一番高い自治体、福岡県田川市、6456円(月)
・国民健康保険料の一番安い自治体、埼玉県蕨市、34000円(年)、一番高い自治体、大阪府泉南市、122270円(年)

 こんなに大きな地域差を生じさせるような、保険料と称する税の体系を作る国って、なんなんだろう。


 

みみずのたはごと(18)悲観は高慢

2008-12-24 10:26:59 | 三鷹・文学
 このところの数週間、同じ曜日のほとんど同時刻に自転車に乗っていた。不思議なことに気づいた。

 昨日(23日)の17時ごろの明るさは、その七日前に比べて、驚くほど明るい。21日の冬至を過ぎたから、それは当然? いやいや、よく考えると、明るくなりかたがちょっと早すぎる。

 昔、冬至と日没時間の最も早い日とは一致しない、と習ったことを思い出し、東京天文台HPで、日没時刻(東京)を調べてみた。次のことがわかった。

・11/28から12/12までの15日間、日没時刻は一定で16:28。
・12/16の日没時刻は16:29、12/23の日没時刻は16:33。
・日没時刻が最も早かった日は、おそらく、12/05。

 二週間近くの底打ち状態から立ち上がり始めたサインカーブ、をイメージすると、上の状況をすんなり理解できる。


 それにしても、世の中の経済はどうなっちゃったのか。例によって、テレビ報道のあおり方もすごすぎる、とは思うもののーーーーー。
こんな時こそ、温故知新。古い本を読んで、ブレインストーミング。

蘆花著、標記文庫上巻p149に、次の記述がある。

「ボロ市過ぎて、冬至もやがてあとになり、行く行く年も暮になる。蛇は穴に入り人は家に籠って、霜枯れの武蔵野は、静かな昼にはさながら白日の夢に定に入る。寂しそうな烏が、此樫の村から田圃をアアと鳴きながら彼欅の村へと渡る」

この文の前は、次ぎの文で結ばれている。

「世田谷のボロ市を観て悟らねばならぬ、世に無用のものは無い、而して悲観は単に高慢であることを」

ペルガモン展ボランティアガイド(9)

2008-12-23 18:12:20 | ペルガモン展関連
 今日は、ガイド当番日であった。祝日であったせいか、来館者はいつもの火曜日とに比較し、ぐーっと多かった。それでも総計百人になったかどうか。

 休日の午後一番には、学芸員もしくは研究員の解説があるきまりのようだ。今日は十名ぐらいの来館者が聞いていた。ペルガモン博物館についての説明が長すぎたように感じた。

 声を掛けた来館者には必ず、見るようすすめる、ペルガモン博物館に関係した展示物がひとつある。

 それは、横山大観筆「日本古美術展覧会」(1939年3月、ベルリンで開催)のポスターだ。桜花に旭日、が描かれた、実に見事な、気品のある作品だ。この世に二枚残っているうちの一枚が展示されている。それも、企画テーマからはずれるからか、つい見過ごしてしまうような位置に、ひっそりと目立たずに、だ。さらに、開会式写真(ヒトラーが写っている)付き、でだ。

 原画は、他の展示物と共に、第二次大戦時にソ連に接収され(ペルガモン博物館は、東ベルリン地区に位置する)、エルミタージュ美術館に行ってしまい、まだもどしてくれないらしい。この大観の原画は、ロシアが手放したがらないほどの価値がある、と理解すべきだろう。

 主題がヘレニズムやガンダーラの展覧会で、日本美術のレベルの高さを思い知らされる、なんて思ってもみなかった。また、ペルガモン博物館が受けた戦禍の悲惨さを知れば知るほど、民族間の諍いの愚かさに思いが飛ぶ。

 同じ思いを感じていただけるかどうかわからないが、なるべく多くの見学者に紹介しておきたい一点だ。


 

ペルガモン展ボランティアガイド(8)

2008-12-17 03:04:05 | ペルガモン展関連
 昨日は、ガイド当番日であった。総計30名程度の来館者であったか。

・NHKの撮影が入った。1月8日、3チャンネルでの放映だそうだ。手馴れたかんじの3名のクルーで、ペルガモン大祭壇関連展示物を撮影した。ベルリン、ペルガモン博物館を紹介する、ということで撮影許可が下りているそうだ。どのような内容になるのか。是非、見なければならぬ。一般に、この種の放映があると、見学者がぐ~んと増すそうだ。

 それにしても、来館者がもっとも多い時間帯(1300~1600)に撮影するのはいかがなものか。一般見学者の利便性を最優先し、公開時間帯をはずして撮影すべきだと思う。


・展示ケースのガラス拭き中に、気になる説明文を発見した。

 それは、中近東文化センター所有の、BC8頃ギリシャで作成の、ワイン入れ鉢。「裏側には足が三本の鳥文が装飾されている」とある。

 これ、ヤタ烏につながるのですか?今ではサッカー日本代表で有名だが、確か神武東征神話に関係する神話だ。

1500年ぐらいの時空を越えて、これらが繋がるかもしれない、と想像すると、とてつもなく愉快だ。

是非裏側を見せていただこう。


・平山郁夫博物館からの借り物展示スペースにいることが多かったので、見学者とは、東西文化の混合という視点から展示物を見る見方、を話し合うよう努めた。

・最も印象に残った会話。熟年男性。
「古美術が好きで、集めているのですが、本来存在すべき所に存在していてこそ、意義がある、とつくづく感じました。でも収集をやめられないのですよね~」

そう、いかにトルコ政府との話し合いの結果だとはいえ、また、いかに保存修復を立派にやっているとはいえ、大祭壇をほとんど根こそぎベルリンに持っていってしまったのは、やりすぎではなかったか。ベルリンでは大戦中爆撃を受け、ソ連に接収されたりもした。
しかし一方、地球上には、いとも簡単に、宗教上の理由から、バーミヤン大仏を爆破してしまう人々もいるわけだし、活きるために、彫刻された大理石を石灰粉にしてしまう人々もいる。

難しくて、よくわからん。




解説員連絡会(8)

2008-12-13 12:36:05 | 水車解説関連
 今日午前、5月以来の連絡会があった。久しぶりのせいか、出席者数が30名を越える勢いであった。

・市役所サイドの人事異動で、課長補佐が変わった。担当者は、たぶん三年目に入っているのだろう、以前に比べ、一段と手際が上手になっていた。そろそろ移動か?

・1月から3月の日程表が示された。自分については問題なし。

・行政サイドからの報告のうち、主だったものが次、

① しんぐるまの所持者であった峰岸氏が御他界なさった。氏のご意向にそむかぬよう保存維持に努力しなければならない。

② 四月、五月の見学者は、それぞれ、3140名、870名であった。イベント、京王ウォーキングの見学場所のひとつに挙げられたため、四月は異常に多かった。

③ 休館中に、母屋修理のほか、電気配線工事、電動機器整備、製粉小屋調査等が行われた。特に装置全体を電動で動かし、動態保存の可能性を調査した結果、可能、との結論を得た。

 稼動実験の模様がDVDで映写された。感動ものであった。

④ 水車保存活用整備委員会が立ち上げられた。動態保存を実現するために解決されるべき問題の洗い出し、を行っている。
水車を回す水の貯水槽をどこにつくるか、などをみどりと公園課が検討している。

⑤ 三月に、水車創設200周年記念事業を実施する。3/21記念式典、3/21~3/28特別公開事業、3/16~3/27特別展示会等を計画しているが、ご協力願う。


・予算がつくと、一気にどーっと動き始める。わくわくする。議論百出、ワイワイ楽しかった。今日まで努力を惜しまなかった方々に感謝しなければなるまい。
 
 学芸員の配置が急務である、水車博物館HPをケアしないのはもったいない、AEDを置くべきだ、などが印象に残った意見・提案。

三鷹市一位

2008-12-11 02:31:32 | 三鷹・市政
 最近新聞に、全国市区の行政サービス・行政革新度調査で、三鷹市が一位になったと報じられた。その調査研究報告が、日経グローカル、No.113号に掲載された。
今日はその結果のみ紹介する。詳細な吟味は、次号に載るらしい分析方法の説明を読んだのち、加えてみようと思う。

まず評価軸ごとの三位まで。

        一位     二位     三位

総合評価    三鷹市    足立区    杉並区

透明度評価   逗子市    藤沢市    三鷹市

効率化評価   三鷹市    板橋区    足立区

協働度評価   三鷹市    多治見市   近江八幡市

利便度評価   杉並区    三鷹市    加古川市


 四つの評価軸すべてで三位以内。透明度では、京都市が共に三位、利便度では杉並区と一位を分かち合っているものの、総合評価は圧倒的一位と言っていい。

周辺ライバル市と比較すると、

        三鷹市    武蔵野市   調布市

総合評価    AAA(1位) A(105位) AA(10位)

透明度評価   AA(3位) BBB(100位以下) A(96位)

効率化評価   AAA(1位) A(92位) A(53位)

協働度評価   AAA(1位) BB (100位以下) AA(14位)

利便度評価   AA(2位) A(62位) AA(15位)


 住んでいる者にとってはピンくる結果ではないけれど、とにかく他を圧倒した結果といっていい。
市長が寄せたコメントを要約すると、「協働を支える、三十年以上に及ぶ市民参加に根ざした市民力と、市民と対等の目線で仕組みを一緒につくってきた職員力」(P29)がこの結果を生んだ。
自慢していいのかもしれないし、もちろん、さらなる高みを目指していただきたい。

ペルガモン展ボランティアガイド(7)

2008-12-10 10:01:23 | ペルガモン展関連
 昨日、ガイド当番日であった。例によって、ガラス拭きから始まる。何回か経験すると、面白いもので、見学者の手やひたい(たぶん)の付きやすい部分が判る。能率は上がる。一方この作業が極めて重要であることもよく理解できるようになる。昨日はラベルの付け違いを発見した。
学芸員は、紙製展示物の皺拡大を気にし、湿度調節をした。

 来館者は総計20名ぐらいであったか。印象に残った、言葉を交わした人々は次、

・日本語をほとんど話せない中国人若者。
 短期研修で橿原博物館に来ている。昨日は国立博物館に行った。
「日本から学ぶことは、もうないのではないですか?」の問いに、「いっしょうけんめい、勉強します」。じっくり時間をかけて話したい人ではあった。

・高貴な社会に生活なさっておられる、と推察される日本人二組。
 ひと組は、(見るからに)執事然としたお付きがついた老男性。フーマン関連の書類をごらんになっている時、突然こちらを見て、ドイツ語でペラペラ。とっさに、イッヒ カン ニッヒト シュプラーヘ ドイチエ、と応答。これでよかったか。
もうひと組は、極めて高級な車椅子にのった老婦人。もちろんその椅子を押すご婦人がついている。余りにも熱心にご覧になっているので、声を掛けられず。
 今思い返すと、どうもこのおふたりはご夫婦である。お二人とも、本当に、別世界の人と感じられた。

・十代若者カップル
「全体の流れを、最初に、ちょっと説明しましょうか?」との、こちらの問いかけに、「だいじょうぶです」
おじゃまさま、どうぞごゆっくり。

・熟年女性
「本当は、ベルリンに行きたいのだけれど、年金暮らしで行けないから、ここにきました。秋田からJRの三日間乗り放題切符を買って。明日は上野のフェルメール、池袋の古代オリエント、あさっては東郷。
今回の博物館巡り旅では、期待して、ここを最初に選んだが、細々とした部分展示ばかりで、ちょっと落胆した。大祭壇にしても、模型とかCG再現とかの展示があればよかったのに!」
「すみません。担当学芸員に伝えます」


 過日三笠宮と写した集合写真をいただいた。当初の予想以上に、普段決して接することのない人々と言葉を交わせる。今後が楽しみだ。  

FCTOKYO 来年を期待する

2008-12-07 09:27:11 | 雑感(3)スポーツ
 昨日Jリーグが終わった。

 先週、友人のお誘い(招待)で、味スタで対新潟戦を見た(彼の写した写真がこれ)。コテコテのFC東京ファンであることを、初めて知った友人は、その(俺の)騒ぎぶりに腰をぬかさんばかりであった。お恥ずかしい。ごめんなさい。ありがとうございました。メインスタンドのアッパー最前列、ホーム寄り、なんて二度と入れない高級席で、感激でした。

 システィマティックな新潟の攻守に圧倒され、ハラハラしどうしだった。勝負には勝ったが、サッカーは負けていた。新潟のセンターFWはいいですな。
 今朝、ニュースでちらりと写した対千葉戦、2点を先にとりながら、千葉の迫力におしつぶされたようだ。

 来期は、是非一段格上のサッカーを見せてほしい。俺的にいえば、守備の再構築が急がれる。清水や浦和に連敗したし、とにかく総失点を減らす努力をしないと。
華麗でスマートなサッカーを目指せ。

 来期は3位以内、出来れば一気に優勝じゃ。おっと、その前に天皇杯がある。決勝まで進んだら、元日は国立に行きたい。

 

博物館見学者数

2008-12-05 04:19:54 | 雑感(1)日常
 年を経るごとに、博物館・美術館に行くのが好きになってきた。中近東文化センターに係わるようになった最近、それがさらに加速されたように感じる。

 中近東文化センターで、休み時間にペラペラめくっていた研究報告書(文科省委託:日本博物館協会:H19年度)から、いくつか数字をひろい出し、ひとりよがりに考えた。

①全国に、約5600の博物館・美術館がある。
②最近、年間総入館者数は約3000万人で、頭打ちである。
③オーストラリアの博物館・美術館数は1329、中国は1617
④オーストラリアの入館者総数は約700万人。ただし、調査対象から子供をはずしている。
子供を含めれば倍、すなわち1400万人とみてよいだろう(ただし、これは独断)。

 そうすると、一館当たりの平均年間入館者数は、日本5300人、オーストラリア10500人。このことから、言えること。

①白人の博物館・美術館好きはよく知られているが、日本人のそれは彼らの半分程度かもしれない。
②目玉の展示物があると、わんさか出かけるが、その一方、大半の博物館・美術館は閑古鳥が鳴いているはずだということだ。経営を黒字にするのは大変だ。
③こちらとすれば、なるべく目立たない博物館・美術館に行き、静寂の中で高度な文化に浸ればよい、ということになる。


 上に示した各国ごとに、総人口を総博物館・美術館数で割ると、日本2.2万人、中国77万人、オーストラリア1.4万人。このことから、言えること。
①この国では、博物館・美術館の数を増やす必要は、もうほとんどなさそうだ。
②なにかにつけ、中国の数字は、他とオーダーがひとつ異なる。
③オーストラリアでは国民の3/4が、一年に一回博物館・美術館に行くが、日本では、国民の3/4は、一度も博物館・美術館に行かない、とまで言ったら言い過ぎか。


 先日、中近東文化センターで聞いた。ペルガモン展の入場者目標数は一万人だそうだ。5ヶ月間、実質100日の展示であるから、「達成できそうかな、どうかな」なんてついつい思ってしまう、ギリギリのうまい数だ。


 上に紹介した報告書では、約10カ国の博物館・美術館事情が調べられている。韓国博物館協会長が、日本への提言として、次の趣旨を述べている。

「日本人は、研究されていない分野はない、といっていいほど研究熱心だ。しかし、国際社会に出てこない。もっと国際貢献してほしい」

 島国根性抜けきれず、井の中の蛙というべきか、国際的宣伝下手というべきか。

内でボロクソの、外交好きの某国首相、もしかしたら外で評価を高めてくれるかしら。とにかく、スーパーなどに行くのもいいが、博物館・美術館に行くほうが国内の評価は高まる、と思うのだが。



ペルガモン展ボランティアガイド(6)-2

2008-12-04 04:48:15 | ペルガモン展関連
 昨日の続き、

・三鷹二中一年生の見学

① 講堂で全体的な説明を、学芸員から受けたのち、展示室に来た。
② 統制がよくとれていて、先生の準備も的確で、一箇所に集中することなく適度に分散し、立派な見学振りであった。
③ 仏陀立像をスケッチせよ、を含め、B4一枚に多くの課題を与えられていた。
④ 菩薩立像の鼻緒についている動物は何か、という設問があり、みなさん熱心に観察した。こちらは、不測の事態による、菩薩立像(平山郁夫美術館からの借り物)の損壊が怖く、ハラハラしていた。
⑤ ある説明パネルの前で、あまりにも群がるので、聞いたところ、オリンポス12神を挙げなさい、という設問に悩んでいた。そのパネルには、ペルシャやインドの神々の名も書いてあり、ギリシャは3柱のみ。そのむね告げ、さらに「こんなパネルを見るより、展示物から捜すように」と忠告した。面白いもので、このあと、そのパネルに群がることはなくなった。生徒間の情報伝達の早さに脱帽!

しばらくたって、一人がオズオズと、「アテナは12神の内ですか?」と聞いてきた。「そうだよ」。さらにしばらくたって、その子が「ポセイドンとトリトンのどちらが12神か決められない。これが最後なのですが」ときた。答えは「ポセイドン」。

 しかし、今よく考えると、展示からだけでは、12神を見つけきれないのではないか? 次回、じっくり探してみるが、正解者は出なかったのではないか?

 
 若いって、いいですな。彼らからなんともいえないエネルギーを感じる。そして、個性は極めて多様であって、それを見ていることは非常に楽しい。

ペルガモン展ボランティアガイド(6)

2008-12-03 05:31:13 | ペルガモン展関連
 昨日は、ボランティアガイドの当番日。面白い一日であった。

・当然といえば当然なのだが、朝最初の仕事は、展示ケースガラス磨きである。職員のほぼ全員が出てくる。ガラスを磨きながら、異常の有無をチェックする。仕事モードに切り替える大事なスウィッチ作業である。一日の緊張がここから始まる。

・NHKが一月に、ペルガモン展を放映するそうだ。幸運にも、その取材撮影日が、当番日。ついている。また、新しい見聞に出会える。

・「受付から、来場者あり、と連絡があるまで、控えていましょう」と学芸員が言ったのだが、開館と同時に最初の入館者があった。
熟年カップルで、遠くからおみえ、とのことだった。午後のかなり遅くまで、企画展のみならず常設展のほうも非常に熱心にごらんになっていた。

・それでも一日の入場者総数は20人程度か。見学者と取り交わした会話のいくつかを次にメモる、

①三鷹市内在住の男性、
 「以前はしょっちゅう来ていたのですよ。今回は充実した企画内容ですな。三鷹・武蔵野ケーブルテレビに関係しているのだが、取り上げるよう進言しておきましょう」「是非、お願いします」

②熟年女性、
「神話に出てくる、コルキス、っていう国はどのへんなのでしょうか?」「(学芸員につなぎ、彼から)、現在のグルジアあたりのようです」

このことに極端にこだわっておられた。回答が得られて、安心なさった様子であった。こだわりの思い出があるのでは、と忖度した。

③熟年女性、
「娘がトルクメニスタンのほうに行っていましてね、ここにくれば、すこし近くに寄れるような気がして。」

こういう話には、弱い。ウルウルきそうになる。

④若い男性、
閉館間際、
「3時ごろ来たのですが、中学生の団体が入っていたので、展示見学をずらしました。時間が足りません。今日は失敗です。出直します。」「ごめんなさい」


・そう、三鷹二中一年生約180名が来たのだ。

話が長くなるので、続きは明日へ持ち越し。