水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

牡丹花咲く(18/72)

2010-04-29 07:51:24 | 72候
 明日は、72候の「牡丹花咲く」だ。

 牡丹を英語で、peonyというそうだが、それを辞書で引くと、牡丹もしくは芍薬、と訳される。両者の違いはなにか?

 牡丹は木、芍薬は草だそうだ。

 木と草の違いはなにか?最も簡単な見分け方は越冬の仕方らしい。芍薬は根のみで、牡丹は地表に木部も残して、越冬する。

 一般に、牡丹のほうが背が高い。

 ではなぜ、「立てば芍薬、座れば牡丹、~~~~」というのか?

 高さではなく、全体の姿かたちが、一方を美人の立ち姿、他方を座り姿、と見るのでしょうか?
そして、百合のユラユラ感が「歩く姿」なのでしょうか。よくわかりません。


 我が家の牡丹は先週末散った。

 72候が示す季節感は、だいたい実感より早かった。珍しくも今回は逆となった。

やっと冬から抜け出せそうだ。

鷹(12)成句

2010-04-27 09:40:58 | 「鷹」について
 「鷹」が常用漢字表からはずれた主要な理由は成句が少ないから、とどこかに書いてあったような気がする。

決して少ないことはない。
三鷹市が平成21年3月、下に示す23の用例を紹介し、「鷹」を残すよう要望書を提出した。
にもかかわらず、表からはずされた。憤慨!

1 鷹揚
2 鷹狩
3 鷹匠
4 鷹場
5 鵜目鷹目
6 鷹揚自若
7 能鷹隠爪
8 飛鷹走狗
9 鷹視狼歩
10 一富士ニ鷹三茄子
11 逸物の鷹も放たねば捕らず
12 犬も朋輩、鷹も朋輩
13 犬、骨折って、鷹の餌食
14 鵜の目鷹の目
15 下種と鷹とに餌を飼え
16 千貫の鷹も放さねば知れず
17 鷹匠の子は鳩を馴らす
18 鷹は飢えても穂をつまず
19 鷹は賢しけれども烏に笑わるる
20 鷹の前の雀
21 鳶が鷹を生む
22 鳶もいずまいから鷹に見える
23 能ある鷹は爪を隠す


三つほど追加したい。


・鷹なき里は雀が親分
  有能なリーダーがいない集団。某国の今。

・鷹センの志(ようせんのこころざし)(セン:鳥ヘンに亶)
  悪を許さぬ性根。某国の今に不足していること。

・鷹を養う(ごとし)
  例えばヘレンケラー。優秀だが個性の強い子供を、粘り強く正しく教育すること。某国の今に必要なこと。


 日本語の豊かさを維持するために、どうしても「鷹」を常用漢字表に残すべき、と思う。いかが?















霜止み苗出ず(17/72)

2010-04-25 07:21:43 | 72候
 今日は、72候の「霜止み苗出ず」だ。

 4/17(土)の雪には驚いた。そして先週末の寒さ。どうなっているのか?
が、東京において、観測史上一番遅い降霜は5/16だそうだから、過去にも同じような気象異変があった、と理解してよかろう。

 直接被害は一週間で済んだが、アイスランドでの噴火も心配。その影響は長期間になるかもしれない。
最悪、数年間日照不足が続き、今年のような春雪が頻発する、なんとこともありうる。
そうなると、食糧不足が心配。


 一般に「苗」という字は、あらゆる植物のナエを表す、と理解される。が、本来は、稲のナエに限定されていたようだ。何故なら、字の構成が、タのクサ、だから。
標記も、当然稲を指すのであろう、と思う。


 農家が忙しくなる季節になった。恥ずかしながら、苗床をいつ作って、そこでの発芽がいつごろなのか、知らない。
 きまぐれな気象を相手に、数千年にわたってノウハウを積み上げてきた彼らの腕を信じよう。

 

鷹(11)鳶

2010-04-23 10:10:33 | 「鷹」について
 ・鳶が鷹を産む

 ・鳶の子は鷹にならず

 ・鳶も居住まいから鷹に見える


 分類学では、同じタカ目に属するのに、どうして、トンビは鷲や鷹より一段低く見られるのであろうか。

 素人が考える理由は次。

① トンビは群れる。鷲・鷹は孤高を守る。
② トンビは、カラスに負ける。鷲・鷹のひとにらみでカラスは消える。
③ トンビは雑食。生態系の頂点に位する鷲・鷹は小動物のみを捕食する。
④ トンビはこすっからい。だって、油揚げを掠め取るらしい。

 人間世界でいえば、凡人がトンビで、偉人・聖人が鷲・鷹、と理解する。それでいいか?

そういえば、昔、著名な演歌歌手が、
「夕焼け空が真っ赤か トンビがくるりと輪を描いた ほ~いのほい ~~~」なんて歌ってましたっけ。

話がとんでもない所に飛んだ。要注意!今日はここでやめる。  

鷹(10)

2010-04-21 05:07:35 | 「鷹」について
 当用漢字は、漢字を国語から無くすことを目的に制定されたものだ。

 一方、常用漢字は、「国語を書き表すための目安」のはずである。
そう、そもそも、あくまでメヤスなのだ。

 がしかし、日本人生来の律儀さが災いし、一般に、常用漢字表は漢字使用制限として理解され、厳格に守られてきた。たぶん今後も、それが続くであろう。

非常に残念なことだが、「鷹」の字は、どんどん使えなくなるに違いない。

 
 「能ある鷹は爪隠す」よりも「能ある猫は爪隠す」、「ネズミとる猫爪隠す」、「食いつく犬は吠え付かぬ」なんて言い回しのほうが幅を利かすようになるのだろうか。
醸し出される気品が決定的に違うような気がするのは、我のみか。


 それにしても、ハイビジョンテレビはこわい。ペラペラ喋れば喋るほど、その人の底が見えてしまう。
昔の大スターのカリスマ性は、一般人に見えない部分が多いことで保たれていた。

 政治家達がこのことに気づかないと、国の統治が益々難しくなる。能がおありになるのでしょうから、どうか鷹のように、爪をお隠しになって、品よく、果敢に行動していただきたい。

葭始めて生ず(16/72)

2010-04-20 09:02:41 | 72候
 今日は、72候の「葭始めて生ず」だ。

 本来、アシと読むが、「悪し」を連想させるので、ヨシと読むようになったそうだ。

 「葭」のほかに、同じ読み・意味の漢字、つまり芦、葦、蘆がある。

 芦は蘆の略字だ。

 葭は若木で、葦と蘆は、成木だそうだ。

葦と蘆の違いは知らない。

「葦始めて生ず」や「蘆始めて生ず」と使ってはいけないらしいことが分かっただけでヨシとしよう。

 葭・葦・蘆は、葦原、蘆洲、蘆岸と呼ばれる言葉があることからも明らかなように、干潟に生育する典型植物で、いうまでもなく、自然環境保護の象徴植物のひとつだ。
乾燥気候帯に属する欧米各国では、生態系の多様性を維持することを目的に、湿地の保全に、驚くほど、大きな力を入れる。多雨気候の日本で育った人間にはなかなか理解できない、と思う。

鷹(9)鷹揚

2010-04-16 06:46:01 | 「鷹」について
 鷹揚。オウヨウ、もしくはヨウヨウと読む。

「鷹」を音読みで、オウと読むのは呉音で、ヨウと読むのは漢音だ。「揚」は呉でも漢でもヨウと読む。

 余裕を持って大局を睥睨する態度を、鷹が悠然と飛ぶ様子で例えている。

大辞林によれば、大様(オオヨウ)も同じ意味に使うそうだが、同意できない。


 いよいよ、常用漢字表から「鷹」が除外されるらしい。
なんで~、っとカッカきている。
三鷹市長ではないが、オウヨウに構えて、なんていられない。

虹始めて見る(15/72)

2010-04-15 11:36:11 | 72候
 今日は、72候の「虹始めて見る」だ。

昨年11/22の、「虹隠れて見えず」と対。


 イザナギとイザナミが天上の神様方の指示で、国造りのために立った場所、すなわち「天の浮橋」は虹のことだそうだ。

 wikipedia(英文、rainbow in mithology)を見ると、さまざまな国の神話での虹のあつかいが書かれていて面白い。

 最も興味を引かれたのは、国によって、虹を全く反対の予兆ととらえる場合があることだ。例えば、キリスト教では、ノアの大洪水の後、虹が出現した。これは、今後の平安を予兆させる。これに対して、虹を悪い知らせ、と見る話もある。ニカラグアでは、「悪魔が腹を立てている」そうだし、ビルマでは「子供を食べる悪魔」だそうだ。

 そして、古代日本では、虹を蛇に見立て、不幸の予兆としていた(In ancestral time in Japan, rainbow were often viewed as omens of bad luck because they represented snakes.)。
 
 こいつは、にわかには信じられないので、出典らしきモノを物色した。
が、まだ正否の判断をつけるための証拠に行き着けていない。

 天孫降臨神話の前、つまり、日本書紀が書かれた時代の前(と理解したが~~~)、本当に虹をこんなふうに見ていたのだろうか?


花海棠(ハナカイドウ)

2010-04-13 09:56:05 | 雑感(1)日常
 海棠の睡り未だ足らず

 大辞林によれば、眠り足りず酔いのさめきらない美人(楊貴妃)、だそうだ。
つまり、中国では美人を海棠にたとえることがある、ということ。また、睡花と呼ばれることもあるらしい。

 海棠の雨に濡れたる風情

 これも大辞林から。美人のうちしおれた様子のたとえ。


 写真は今朝写した我が家のヤツ。たしかに、うちしおれた風情ではある。

 雨上がり 身を寄せ震う 花海棠 (おそまつ!)

 
 花海棠は、三鷹市の花、だ。

  

鴻雁北(14/72)

2010-04-10 05:55:42 | 72候
 今日は、72候の「鴻雁北」(こうがんかえる)だ。

「雁来る」(49/72、昨年は10/8)と対。

渡り鳥が北に向かう時期は、直感としては、2月~3月、と思うが~~~。
本当に、今の、こんな時期なのだろうか?

「鴻雁北」からの連想。

渡り鳥シリーズ、小林旭、北帰行。
今思うと、なんとも不思議な映画ではあった。
「窓は夜露に濡れて 都すでに遠のく ~~~~」

歌はいい。
旅順高等学校の寮歌だそうだが、都落ちの悲哀(と感じる)が受験期の不安定な心境に共鳴していた、ような気がする。

鷹(8)冬の鷹

2010-04-07 11:10:16 | 「鷹」について
 玄白/良沢等によってなされた偉業、つまり、「解体新書」の翻訳作業をテーマにした、吉村昭著の小説。

最近、タイトル付けに特別な理由があるのではないか、と思い再読した。

しかし、これは、という理由を見つけることは出来なかった。

 小説の主題は、共同して苦難を乗り越えたにもかかわらず、全く異なる道・境遇に進んでしまった玄白・良沢両者の対比だ。玄白は広く西欧文明全体に目を向け成功し、良沢は、中津藩藩主から「オランダ語の化物」と称されるまでに、オランダ語翻訳にこだわったものの、貧窮のうちに人生を終わらせた。

 「解体新書」の訳者として名を載せることを拒んだ良沢を、妥協を許さない孤高の人、と解釈し、「鷹」に見立てたのだろう、と想像する。

 生き方として、「明日の100%」を求め続けるか、「今日の80%」で妥協するか、常に迷うところである。
そして、どっちつかずの人生を費やした、わが身を振り返ると、苦い。
 

  

燕来る(13/72)

2010-04-05 10:15:08 | 72候
 今日は72候の、「燕来る」(つばめきたる)だ。

「燕去る」(45/72、9/18)と対だ。

One swallow does not make summer.「つばめが一羽来ても夏にはならない」。

大昔習った、英語のことわざ。確か意味は「早合点は禁物」。

この種のことわざには、必ず反対の意味をもつものがある。

 上の反義は「先手必勝」か?
これを英語にすると~~~~。To move at first is to win. 我ながら、ひどい直訳。
グーグル翻訳では、「initiative victory」と出た。これも、違うような気がするのだが~~~。







2010-04-01 15:14:11 | 雑感(1)日常
 今日、暖かな陽気に誘われ、三鷹市内の桜めぐり、としゃれこんだ。

満開には、ややとどかない状況だったが、どこも見事なながめで、花見満喫。

写真は、キリスト教大学構内。ここはとりわけ本当に見事。しばし絶句。


さまざまの 事思い出す 桜かな  芭蕉

桜花 散りかひ曇れ 老いらくの 来むといふなる 道まがふかに  業平