水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

古今集(262)

2017-03-30 16:08:07 | 古今和歌集
111 駒並めていざ見にゆかむ ふるさとは雪とのみこそ花はちるらめ
題しらず
よみ人しらず

馬を並走させてふるさと(たぶん奈良)まで行きましょう。きっと花の散り方が、まるで雪が降るような見事さにちがいないですから。


古今集には珍しく、男おとこした、明るい歌です。


週一の割合で、武蔵野市民プールに通いはじめて、半年以上になる。なんとか健康を保ちたい一心なのである。
それはさておき、武蔵野市役所一帯は、桜の老木が林立していて、来週あたりの満開が楽しみだ。

武蔵野市役所一帯といい、国際キリスト教大学構内といい、旧中島飛行機ゆかりの土地だ。もしかしたら、中島知久平肝いりのサクラなのかもしれぬ。

古今集(261)

2017-03-27 12:40:30 | 古今和歌集
335 花の色は雪にまじりて見えずとも 香をだににほへ 人の知るべく
梅の花に雪のふれるをよめる
小野たかむら朝臣

花の色がわからなくなるほど雪の降り方が激しいですが、花が咲いていることを人がわかるように、香りだけはただよわせてほしいものです。


今の時代、花といえば桜ですが、昔は梅であったのですね~。

昨日からの寒さは厳しくて、今朝のテレビでは成田空港での降雪を報じていました。

梅を桜に換えれば、この歌を生かせますか。

暑さ寒さも彼岸まで。この寒さが今冬最後であることを願います。

古今集(260)

2017-03-23 11:36:40 | 古今和歌集
58 たれしかもとめて折りつる 春霞立ち隠すらん山のさくらを
折れる桜をよめる
つらゆき

(ここにかざってある)桜、誰が探し、折り、持ってきたのでしょうか。霞がかかった、あの山のものにちがいないのですが。

この歌は、「とめる=尋(ト)める=探す」であることに気づけば、解釈が容易となる。

今目の前にある山桜の切り枝について、その背後に、かかわったであろう多くの人々の労苦に思いを寄せた歌なのでしょうか?
紀貫之さんの、人となりを想像させる歌、のような気がします。

桜に限らず、花の鑑賞は、自然のままがいいのか、切り花がいいのか?

古今集(13)

2017-03-20 16:03:52 | 古今和歌集
13 花の香を 風のたよりにたぐえてぞ 鶯さそふしるべには遣る
寛平の御時きさいの宮の歌合のうた
紀とものり

風に花の香りをのせ、鶯を誘い出しましょう。


メルヘンチックな歌で、気に入っています。

しかし、今どきの春は、杉花粉症に悩まされ、あまり機嫌がよろしくありません。
今日あたりは、目・鼻・喉のすべてが最悪でどうしようもありません。

今年は、例年のひどさ以上で、さすがの医者ぎらいも、薬を処方してもらいましたので、今夜は、この薬を飲むことにします。
あと二週間ぐらいの我慢でしょうか。



古今集(258)

2017-03-17 09:07:50 | 古今和歌集
57 色も香もおなじ昔にさくらめど 年ふる人ぞあらたまりける
桜の花のもとにて、年の老いぬる事を嘆きてよめる
きのとものり

(この桜は、)色といい香りといい昔どおりに咲いているのですが、(それを見ている私めは、)すっかり年老いてしまいました。


いやいや、全く同感です。
毎日、ただ惰性で生きているようなもので、ちっとした折に、自らの年齢を思い、愕然とします。
なんでもいい、なんか打ち込めることを探し出さねば、と強く思います。
肉体の衰えは仕様がないとして、頭脳のそれはなんとしても食い止めねば。

古今集(257)

2017-03-13 14:25:03 | 古今和歌集
60 み吉野の山べにさけるさくら花 雪かとのみぞあやまたれける
寛平の御時きさいの宮の歌合のうた
とものり

吉野の山奥の山肌には今山桜が満開だ。でもあまりにも早咲きなので、雪と間違えそうですよ。


南関東で山桜が咲くのは、ソメイヨシノに一か月ぐらい遅くなるはずだから、この歌は新暦でいえば5月初旬ごろを詠んだ、と解釈すべきでしょうか。

今年は早くて、来週には開花するらしい。本当でしょうか。

今日見た、桜のつぼみは、こころなし膨らんでいるようでした。

早こいこい、春のポアポカ!

古今集(256)

2017-03-09 17:23:36 | 古今和歌集
91 花の色は霞にこめて見せずとも 香をだにぬすめ 春の山かぜ
春の歌とてよめる
よしみねのむねさだ

霞がかって花の色はよく見えないのはしようがないが、なんとか香りをはこんできてくれるような風が吹いてくれないものか


日ごとに春を思わせる日差しになってきました。
東京の桜は再来週に開花、と予想されているようですし、気分は高揚します。

加齢のゆえでしょうか、行動範囲がめっきり小さくなってしまいました。
穴倉からはい出し、太陽をあびねばならぬ、と自らを叱咤しております。

古今集(255)

2017-03-02 11:00:44 | 古今和歌集
44 年をへて花の鏡となる水は ちりかかるをやくもるといふらむ
水ほ辺に梅の花さけりをよめる
伊勢

長年梅の花を水面に写してきたこの川は、いってみれば鏡といえます。そのような鏡の面に花が散りかかれば、「鏡が曇った」というのでしょうね~


しゃれっ気たっぷり、女性の歌、といえるのでしょうか。


気のせいか、やはり春がきた、と思わせる今朝でした。