水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

論語(104)

2011-08-30 09:34:36 | 論語
其愚不可及也(公冶長第五の21)

其の愚(グ)、及ぶべからざるなり

あの人の愚直さかげんは、誰も真似のできるものではない。


孔子が、武子(ネイブシ、衛の宰相)について評した言葉。

武子は、国が安定しているときは、センスのいい政策を次々に実施したが、国が不安定になると、愚直さに徹した政策の遂行を心がけたそうである。

孔子は、武子の政治について、平和時のセンスについてはそこそこだが乱世における愚直さはピカイチ、と高く評価した。


きのう某国首相の座に座ることを射とめた方は、25年間毎日、駅前での演説を欠かさなかったそうだ。

まさに、「其愚不可及也」だ。

場合によると、現代某国に、武子があらわれたのかもしれぬ。
「愚公移山」(愚公山を移す)ことになるかもしれぬ。
とりあえず、どのような人事配置をするか、注目!

論語(103)

2011-08-29 09:56:31 | 論語
三思而後行(公冶長第五の20)

三思して後行う。

三思(サンシ)=①たびたび考えること。②審慮・決定・発動


魯の宰相、季文子は、行動をおこす際、慎重になんべんも考えた。
このことを聞いた孔子は、「再思斯可矣」(再思斯(コレ)可なり)と言った。

孔子は、熟慮という名の躊躇による逸機、を恐れたのだと思う。
そのとうりだろう。リーダーにとって、なにごとにおいても、決断の時期は難しかろう。


今朝の新聞によれば、お辞めになる某国首相が、放射性汚染物の中間処分場の場所を、現場の首長に、とうとつに言い、怒りを買ったようだ。

多分、あとの人がやりやすかろう、と確信犯として言ったのだろうが、さてどうだったか。

首相ポストが機関の一部であることをお忘れのようだ。
いかなる独裁者であろうが、機関による、三思=審慮・決定・発動を尊重せねば、組織は動かぬ。
一億人を背負うには、幼稚すぎた。次の方はもうすこしマシだろうか?
一般社会がマシのうちに、どうか政治社会が立ち直ってほしい。まにあうか?

解説員として(87)

2011-08-25 19:27:17 | 解説員日記
今日は大ポカをしでかしてしまった。

午後1時15分ごろ、電話が鳴り、出ると、

「生涯学習課のXXです。~~~~~~、今日は解説当番のはずですが、~~~~~」
「ギャー」

数合の会話の後、
「今から行っていいですか?」
「お願いします」

結局、40分遅刻。
到着すると、管理の方が、
「来る途中で、ひっくりかえったのではないかと、心配しましたよ!」

いやいや、本当にお恥ずかしい。スケジュールの転記ミスが原因。弁解の余地なし。


午後の見学者は、ひと組、母子(小学4年生)プラス乳児。
(ちなみに、10:00~13:40の間、見学者ゼロだったそうだ。ホッー。)

夏休み宿題の種さがしに、市内東部からおいでになった。
例によって、こどもさんへの説明途中から、おかあさんの興味スイッチが入り、質問連発となった。
たぶん、楽しい宿題仕上げになるでしょう。


西武鉄道のウオーキングイベント係のお二人が、パンフレット作成の下調べのために立ち寄った。
西武多摩川線白糸台駅集合多摩駅解散のウオーキングイベントをするそうだ。(実施時期を聞きそびれた)
宣伝、これ勤めたつもり。

本を持ってきたのに、老眼鏡を忘れ、時間をもてあました。
できた俳句はただひとつ、

蝉の音に、眠気誘わる しんぐるま

論語(102)

2011-08-24 09:32:24 | 論語
焉得仁(公冶長第五の19)

いずくんぞ仁を得ん

どうして、仁の備わった人といいきれるのでしょうか

仁=心の底から人を思いやること。儒教の根本教理。


ここは少々長い文。
弟子の子張が、二人の官僚を例示し、仁もしくは仁者とは、と孔子に問いかけた。

楚の宰相、子文は誠実に業務をこなす人であったが、孔子は「焉得仁」と評価した。
斉の宰相、陳文子は、業務の遂行が清廉であったが、孔子は「焉得仁」と評価した。


以下は独断の偏見。

仁者と認めるためには、誠実さや清廉さだけでは不足で、人の為に、損得や欲得抜きの行動がとれる人でなければならない。

儒教の根本教理を、こう解釈した。間違っているか?


論語(101)

2011-08-23 09:39:09 | 論語
何如其知也(公冶長第五の18)

何如(イカン)ぞ其れ知ならん。

どうして、そのようなことをする人を知者(=立派な人)といえるでしょうか。

孔子が、臧文仲(魯の宰相)を評した言葉。

そのようなこと、とは、居蔡、山節藻梲(キョサイ、サンセツモエツ)。

居蔡=亀甲占いに用いる亀を飼うこと。国主の特権。

山節藻梲=廟の装飾彫刻。国主の特権。


昨日の晏子と同様に、臧文仲も、当時、優れた政治家として評判が高かったのだろうが、孔子に言わせると、分をわきまえることから逸脱しているので、駄目、となった。


子供の頃、親から、「ブルナ、ラシクアレ」とやかましく言われたことを思い出す。
これ、儒教の基本ですね~。今気がつきました。

論語(100)

2011-08-22 05:35:51 | 論語
善人與交、久而人敬之(公冶長第五の17)

交際がうまい。(だから)、長く人が尊敬している。


孔子が晏子のことを評した言葉。

晏子は 斉の、名宰相といわれる人物だが、その採用を拒否したほど、孔子を嫌っていた。

贅沢が嫌いで、儒教の豪華な葬式を特に嫌ったらしい。


当然、孔子も晏子のことをよく思っていなかったはずだ。評価の表現が、上のようにぶっきらぼうになるのは当然かもしれぬ。


晏子って、どのような人だったのだろうか? 
宮城谷昌光の本をまだ一冊も読んだことが無いのだが、これを機会に、彼の「晏子」を読んでみようか。




論語(99)

2011-08-19 09:20:21 | 論語
其行己也恭、其事上也敬、其養民也恵、其使民也義(公冶長第五の16)

其の己を行うや恭(キョウ)、其の上に事(ツカ)うるや敬(ケイ)、其の民を養(ヤシナ)うや恵(ケイ)、其の民を使(ツカ)うや義(ギ)。

子産(春秋時代、鄭の名宰相といわれた人)について、孔子が評した言葉。

一国のリーダーに備わっていなければならない精神の柱は、四つある。恭、敬、恵、義だ。

恭=行いは謙虚に。某国で、このあいだおやめになったある大臣は、テレビカメラの前で、暴言に近いお言葉をおはきになった。テレビカメラのあるなしで、態度に天地の差がある方々がいっぱいおられるようだが、我々はそれを見極めねばならぬ。

敬=年長者・上位者に敬意を!おやめになることを決めた某国首相は、あるときからボロクソに言われはじめた。スピッツのように、キャンキャンほえる、とか種々原因があるらしい。が、某国元首臨席の会合をキャンセルしたのが決定的だった、と聞いた。本当か?

恵=政治の根本は人に対するやさしさ。某国原発事故後の対応を見ていると、政治家達は民を棄てているのではないかと疑いたくなる。この事後処理こそ政治家達の命をかけた対応を必要としているはずなのに、彼らは権力争いに終始している。

義=行政の根本は人としての正しさ。某国原発所管官庁のトップ人事交代ほど腹立たしいことはない。大臣はどこをみて人事をやっているのか?ひとかけらの反省もできないような人々に、原子力行政を扱わせてはならない。

解説員として(86)

2011-08-18 18:16:37 | 解説員日記
今日の午前中、解説当番であった。

今夏一番の暑さ、との予報であったが、本当であった。

12:30頃のかやぶき家屋内部、土間の寒暖計が34℃を越えていた。

ただ、川下からの、いわゆる川風が常時吹いていて、体感的にはこらえられる暑さであった。

そんな中、見学者が一名あった。

中学生だそうだ。市内在住、市外へ通学とか。

頭の切れがなかなかのもので、郷土史や水車の機械構造など、少々難しい説明にもついてきてくださり、こちらも楽しかった。

解説もそろそろやめ時かな、なんて時々思うのだが、こんな子供さんにであうと、そんな思いも吹き飛びそうだ。


今夜は眠ることができるだろうか?いっそ、眠らない覚悟をしてしまうほうが、気が楽かもしれぬ。

論語(98)

2011-08-16 04:08:20 | 論語
敏而好学、不恥下問(公冶長第五の15)

敏にして学を好み、下問を恥じず

子貢が、孔圉(コウギョ)に関し、どうして孔文子、とオクリナなさったのでしょうか、と孔子に質問した際の答え。

飲み込みが早くて、学ぶことが好きで、自分の知らないことを後輩に聞くことが苦ではない。
だから、「文子」というオクリナをつけました。

孔圉は衛の国の君主で、BC489没。政治的には、自分の娘を優秀な人物に押し付けたことなどをもって、
優れた人物とは言われていなかった、らしい。

が、学問に対する態度に見るべきところがあったので、オクリナとして最高の「文」をつけた、ということか。


「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」というが、
「知って知らざれ」、「知って問うは礼なり」などともいうし、

気分よく答えてもらうように質問するのは、意外に難しい。

もしかしたら、孔圉は豊臣秀吉みたいな人だったのかも。


しかし、暑くて寝苦しい。


論語(97)

2011-08-15 05:08:33 | 論語
有聞、未之能行、唯恐有聞(公冶長第五の14)

聞くこと有りて、未だ之を行うを能(アタ)わざれば、唯聞くこと有るを恐る。

孔子の弟子、子路の学問に対する態度を評しているのだが、誰が言ったか不明。孔子が言った、とは言っていない。

まあとにかく、意味は次、

「学ばねばならない問題をかかえ、まだそれを十分に理解しないうちに、次の問題に進むことをきらう」
子路はそういう人であった。

人間、つい、「一を聞いて十を知る」ような態度を取りがちだが、「生兵法は大怪我のもと」である。

この子路のように、人間、常に謙虚な態度で、確実を目指すべき、は正論。


論語(96)

2011-08-12 06:09:26 | 論語
夫子之文章、可得而聞也(公冶長第五の13)

夫子=先生=孔子
文章=思想(道徳、政治、社会などの)

可得而聞也=①傾聴に値する、②聞く機会が多い

①と②、どちらの意味合いに解釈すべきかわからない。
というのは、次の後段があるからだ。

夫子之言性與天道、不可得而聞也己矣

夫子の性(ウマレツキ)と天道を言うは、得て聞くべからざるなり。

性=人間の本質
天道=自然の理

まあとにかく、

・孔子は人間としての自分の考え方についてはよく話したが、ものごとの本質についてはあまり言及しなかった。

と解釈するか、

・孔子の人間としての自分の考え方についての話は傾聴に値するが、ものごとの本質についての言及はあまりためにならない。


やっぱり、上の解釈が妥当でしょうか。孔子を宗教家とみてはいけないかもしれない。


今朝も、とんでもない暑さだ!

解説員として(85)

2011-08-11 18:16:26 | 解説員日記
今日の午後、解説当番であった。

猛烈な暑さだったが、14:30ごろから1時間夕立となり、息がつけた。

こんな日にもかかわらず、見学者があった。二組計6名。

いずれも小学低学年のお子さんの、夏休み宿題対策。

たぶん、どちらも満足していただけて、宿題の重圧からまもなく開放されるはずだ。

言葉は聞いたことはあるが、見たことがない、なんて道具が多いので、水車機構とは別の場所で、盛り上がることがある。

今日は、蚊帳、が、入り方などを実演してもらい、盛り上がった。




論語(95)

2011-08-08 09:57:26 | 論語
非爾所及也(公冶長第五の12)

爾(ナンジ)の及ぶ所にあらざるなり。

弟子の子貢が、「私は、私が人にされたくない、と思っていることを、人にすることはしないようにしたい」と言ったことに対して、孔子が注意した言葉。

何故、孔子は、こんなにも、木で鼻をくくったような、言い方をしたのか?

普通の教育者であれば、「そう、そのとおり。でも難しいんだよね、なぜかといえば~~~」とか、答えるでしょうに。


Wikipediaで、「子貢」についての最後の文が、次のようなものであった。こんな所か?

「孔子は彼の能力の使い方に難色を示していた。しかし彼の才気煥発さを愛し、厳しく反省を促しながらも時に励まし、愛情のこもった指導をしている」

孔子の死後、子貢の服喪期間は6年間だったそうだから、両者の信頼関係はゆるぎないものだったのかもしれない。そうだとすれば、うらやましい師弟関係だ。


論語(94)

2011-08-06 07:47:25 | 論語
吾未見剛者(公冶長第五の11)

吾未(イマ)だ剛者(ゴウシャ)を見ず

孔子が言った。
私はまだ本当に強い人を見たことが無い。

これに対してある人が、「申棖(シントウ)さんはどうでしょう?」と聞いた。

孔子の答えはこうだ。

「棖欲也、焉得剛」(棖、欲なり、いずくんぞ剛を得ん)
棖さんは欲心を持っています。そういう人がどうして剛者になれるでしょうか。

大字典に、
剛=節操を曲げない徳
とあった。

また、仏教では、欲界を、財、色、食、名、睡の五欲に満たされた世界、と定義する。


今の某国のリーダー達の中に、真の剛者はいないものでしょうか?

そして、つくづく、「欲不可縦」(欲は縦(ホシイママ)にすべからず)を、身にしみて思う今日この頃です。

論語(93)

2011-08-05 03:57:29 | 論語
朽木不可雕也、糞土之牆、不可杇也(公冶長第五の10)

朽木(キュウボク)は雕(ホ)るべからず。糞土(フンド)の牆(カキ)は杇(カベヌリ)するべからず。

孔子が、弟子の宰予のことをカンカンに怒って、発した言葉。
腐った木を彫り刻んではならない。ゴミで作った練塀を上塗りしてはならない。

性根がどうしようもなくひん曲がった人の、外見をとりつくろうことは、断じて許してはならない。

宰予は、弁舌巧みな人であったらしい。が、孔子は全く信用しなかった。

宰予を見る前は、孔子は他人に対し「聴其言而信其行」(その言を聴きてその行(コウ)を信ず)の態度であったが、見た後は、「聴其言而観其行」(その言を聴きてその行(コウ)を観(ミ)る)に変えた、そうだ。

孔子の逆鱗に触れた、宰予って、どのような人だったのであろうか。

それにしても、
言ったことはちゃんとやってください!
でないと、信用できません。

中国の新幹線事故について、某国マスコミはワーワー騒いでいますが、メクソがハナクソを笑っているように思えます。
某国のリーダー達も宰予ばかりではないですか。こっちについて、ワーワー騒ぐほうが、数段大切だと思っています。