水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

古今集(32)

2014-11-17 11:00:50 | 古今和歌集
294 ちはやぶる神世もきかず たつた川から紅に水くくるとは

二条の后の春宮のみやす所と申しける時に、御屏風に竜田川にもみぢ流れたるかたをかけりけるを題にてよめる

なりひらの朝臣


竜田川の水を、中国の紅のようにくくり染め(=絞り染め)にしてしまうとは、(なんでもあった)神世の時代でもなかったことでしょう。

在原業平:825~880。平城天皇の孫で臣籍降下した。古今集の30首採録。
古今集の序文において、最近の歌い手6人の一人として名を挙げられいるが、評価は次のとおり。
「その心あまりて言葉たらず。しぼめる花の、色なくてにほひ残れるがごとし」

おそらく、その評価を証明するためであろう、三首が注記されている。
そのうちのひとつは、10/14(古今集(17))に紹介した。残りの二首が下。

879 おほかたは月をもめでじ、これぞこの積もれば人の老いとなるもの
題しらず(雑歌上)

644 ねぬる夜の夢をはかなみ、まどろめば、いやはかなにもなりまさるかな
人にあいて朝によみてつかはしける(恋歌三)

世の中の大半の人は、月を鑑賞するなんてことなしに、老いていくものです。

いっしょにすごした夜のことを夢に見ようとしたのでうが、なんともはや、物悲しくなるばかりです。


とても、「その心あまりて言葉たらず」とは思えません。見事な言葉使いではないでしょうか?

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。