日々、思うことをサラサラと。

日頃、イイな、とかおかしいゾ、とかキレイだなと思うことをサラサラと書き出してみたい。

絶妙の配役たち

2009年02月21日 | 喜怒☆楽
ありふれた奇跡を毎週しっかり見ている(フジTV木曜22:00)

番組の予告ポスターを戸外で見たときに加瀬亮クンの清潔で寂しげな横顔が引っかかった。しかも仲間さんと共演・・・この二人は”持っている”モノが同質のような気がしている。

第一回を見てみたら・・
男(陣内)が電車に飛び込もうとする気配を察した翔太(加瀬)と加奈(仲間)は危ういところで男を止める。二人はどうしてその”気配”を察することができたのか?それぞれの過去に重いものを背負っているのでは?・・・・という出だしから始まる。
いたずらに深刻ぶっていないし、ほどよく抑制されている各場面。言葉の力を大事にした良質の作品だ(山田洋二作)

仲間さん、いい作品に出会えたなと思う。これまでの出演作品の中でこれほど仲間キャラにぴったりの作品はなかったのでは?加瀬クン然り(無色透明な感じ)
加えて充実した脇役人
加奈の祖母(八千草薫)父(岸辺一徳)母(戸田恵子)
翔太の祖父(井川比佐志)父(風間杜夫)  
回を重ねてくると少々納得できない成り行きも出てくるが、それでも番組に引っ張られるのはこの脇役陣の上手さだろう。適材適所、役者がぴったり役柄に嵌ってる。風間さんと井川さんの親子の会話の間。八千草さんのお婆ちゃんキャラは秀逸で、柔らかさを纏いながらもきちんと家族の要となっている。岸部さんの怪しげな雰囲気。陣内さんはかなりガンバっている。
加瀬クンはあまり上手くはないのだが、役柄上そこが返って功を奏している感がある。ふたりの日常の仕事場面を画面に流しながらメールでのやりとりをナレーター風に流す場面が好きだ。シンプルで誠実な言葉が行き交う。
加えてエンヤの「ありふれた奇跡」♪が背景に流れてくるとその誠実な言葉が輝き
だすのだ。

追記:翔太の部屋の内装が素敵。古く狭い部屋だが、襖をウィリアム・モリスの壁紙で切り張りしている。アイリッシュダンスのポスターが貼ってあったり・・・。
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しだれ梅

2009年02月07日 | 美術展・本
それはそれは美しい枝垂れ梅を見た。

場所は静岡市芹沢けい介美術館(けいは金+圭)の坪庭。(注→HPに掲載されている枝垂れ梅とは趣が全く異なる)
一目見るなりハっとするほど美しい庭だ小さなスペースに白梅と紅梅が一本づつ立ち、その背景に背の低い椿が控えている。梅と梅の間をささやかな小川が流れているかのように設えている。梅は6分咲きでなんとも華麗な枝ぶりのプロポーションを持ち、椿も花数が手頃。それぞれ絶妙な色彩の量と配置だと思う。

生憎、写真はデジカメのみOKで携帯カメラは使用できず、デジを忘れた私は画像をUPすることが出来なかった携帯で撮っちゃえ・・と辺りを見回したら監視カメラが睨んでいたので諦めました。。。

今、こちらの美術館では企画展アフリカの造形が開催されている。
芹沢さんの世界各地のコレクションの一部で、アフリカの造形に相当入れ込んでいたようだ。アフリカを題材にした映画を見たときにも気になったいたが、色彩の使い方やデザインがこちらの文化圏から見慣れた眼からは斬新だ。(例えば「母たちの村」)その斬新な発想は芹沢作品のデザインに活かされているなと気づいた。

もちろん、芹沢作品の常設展の方も満腹の充実感でした
芹沢さんの作品はこれまで都内の企画展で数多く見てきたが、細かくてそしてその内容がどれも凄すぎて見終わった後相当疲れる。一度目に触れたら隅から隅まで凝視っ・・の状態に追い込まれるのでそれがキツくて暫く遠ざかっていたが、やはり凄い。

美術館の内装そのものが非常に面白いので一押しスポットです。

追記・・コレクションの図録はこちらの(静岡)美術館にはなく、東北福祉大学芹沢けい介工芸館の方で紹介されてます。
面白いです、この図録写真も鮮明。








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登場人物男だけの作品

2009年02月01日 | 映画
「レッド・オクトーバーを追え」 アメリカ/1990

”大西洋に突然出現したソ連の最新原子力潜水艦レッド・オクトーバーをめぐって繰り広げられる米ソ戦略を描いたトム・クランシーの同名ベストセラーを「ダイ・ハード」のJ・マクティアナンが監督した大作・・・”allcinemaより抜粋


登場人物は全く男だけの作品で、ほとんどのロケが巨大な潜水艦の中だ。
巨大な潜水艦がゆっくりゆっくり水面に現れ威容を誇る姿は得も言われぬカッコ良さだ
研ぎ澄まされた知力を持つ乗務員の無駄のない動き。ラミウス艦長(ショーン・コネリー)の品性と野生を併せ持つ濃味の人物設定。アメリカ側と旧ソ連側との緻密な駆け引き。バート艦長(スコット・グレン)の知性を絵に描いたような表情と太っ腹な決断。他にも上手い役者がそれぞれのポジションで潔い決断で世界的規模の危機を乗り越えていく。このヒリヒリする切迫感は久しぶりだ。
いやー、スコット・グレン素敵だな

この分野の書籍には疎いので当時世界的ベストセラーであったとは知らなかった。本の内容に比べたら大味だということだが、幸いなことに(?)読んでないので映画の内容には大満足です映像の迫力が凄い。

※ この手の作品はほとんど見ないのですが「優雅なハリネズミ」という本の中で印象深くタイトル名が上がっていたのでチェックしていた。
こんな経路で探す目から鱗の映画・書籍・CDが結構ある。
先入観は視野を狭めますね


「アルベルト・ジャコメッリ/本質を見つめる芸術家」 ドキュメンタリー

ジャコメッリの細い枯れ枝のような作品を見ると心惹かれるものがある。
ずず、とズームして近寄ってみるとその凄さが迫ってきて、この作者の襞を知りたいと思うようになる・・・と思っていたらあるんですね、ドキュメント作品が。
制作中のジャコメッリが生々しく動いている。削って削って足元は素材の山。
どうしてギリギリまで削ってしまうのか?が解る。貴重なフィルムだ。
アンリ・カルティエ・ブレッソンが友人だったようで随所でコメントしている。

(ついでながらアンリ・カルティエ・ブレッソンのドキュメンタリーもかなりです)
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