日々、思うことをサラサラと。

日頃、イイな、とかおかしいゾ、とかキレイだなと思うことをサラサラと書き出してみたい。

記録 映画1月~6月(4)DVD

2011年09月27日 | 映画
・・・・・(3)より続き。

「パパは出張中!」 1985/ユーゴスラビア
監督エミール・クスロリッツァ 脚本アブドゥラフ・シドラン
出演モレノ・デバルトリ ミキ・マノイロヴィッチ


1952.07.22以前のサラエボ。出張と称しパパは刑に服すため遠隔地に労働に出される。
政治問題が難しい世情で浮気相手の女性の画策にパパが嵌められたのである。
このパパ一家の下の息子マルクを軸に話は紡がれる。浮気性ではあるが妻子への愛情が深いパパと冷静で情の深い綺麗なママとの間で大事に育ったマルク。この子が健やかで逞しい。この無意識の逞しさは最強だ。この子のキャラクターが全編に渡って作品に効いてくる。マルクの真っ直ぐな観察眼、恐れを知らない無垢、いたずら心が、大人の事情や厄介な社会情勢を分かりやすく深く伝える効果を出している。秀作です。


「ブラック・スワン」 2011/アメリカ

本年度のアカデミー賞を獲得しているので内容はパス。
ラストの舞台は圧巻。ドカーンと音響が劇的な結末を予測させ予想どうりの映像がやってくる。ナタリー・ポートマンは好評価どうりの演技。リリー役のミラ・クニスが気になる存在。プロポーションがコンパクトに綺麗に整っていて、レッスン着で踊る彼女のシーンがとても素敵だった。

(残念ながらその画像がない)
”鳥”嫌いの私にはブツブツの鳥肌から芽生えてくる幼毛が怖かった。 


「マンモス 世界最大のSMSを創った男」 2009/スウェーデン
妻:ミシェル・ウィリアムズ
タイトルイメージからはかけ離れた場面で好きな作品。
SNSを考案し、期せずして大富豪になった夫と外科医の妻。二人の間にはこよなく愛情を注ぐ可愛い娘がいるが、妻は仕事が忙しく娘と一緒にいる時間がままならない。娘の気持ちが自分から離れていくことが寂しい。娘はフィリピンからの出稼ぎのシッターによく馴染み、シッターも子どもにとって良好な人物。シッターは国に子どもを残し気がかりであるが生活を支えるために一緒に暮せない。それぞれの女性の杞憂を丁寧に掬い取っている。主役である夫の有り様より、こちらの女性たちの描かれ方が勝っていて意外な秀作だった。

「英国王のスピーチ」 2011/イギリス

話題をさらった作品ですね。イギリスという国はこんなにも国王のスピーチを大事に聞く国なんだなと新たに感じ入る。と、同時にスピーチの内容の豊かなこと。吃音の国王と指導者との間のトレーニング風景や演説本番の廻りの緊張などを上質のユーモアを交えて伝えてくる。イギリスという国は王室のこんな日常のトラブルを公にあっけらかんと出してくる。ダイアナ妃とエリザベス女王の葛藤も映画に仕上げてくるし、寛容?というかこの国の緩さの加減が分からない。閉ざされているよりはずっと良いけれど。
コリン・ファース&ジェフリー・ラッシュ&ジェニファー・イーリーと上手い役者を揃えている。

「カケラ」

 ”満縞ひかり”が光を放っている、と噂を聞きレンタル。
確かに異彩を放っている。このカメラに動じない目線、媚びない演技、何でもやってやるゾというような秘めた度胸の良さを感じる。楽しみな人出現!!
リコ役の中村映里子も雰囲気好きだな。

「やかまし村の子どもたち」 1986/スウェーデン

シリーズで何度も見ている作品。それそれの季節の田舎の風景、大らかな農村の暮らしぶりと子どもたちの日常の生活が色彩豊かに描かれている。


「ブーリン家の姉妹」 2008/イギリス
ナタリー・ポートマン スカーレット・ヨハンソン

ヘンリー王の世継ぎを巡っての画策に巻き込まれた美貌の姉妹。頭脳明晰・硬質の美貌の姉(ナタリー・ポートマン)と対照的に柔らかな包容力を備えた妹(ヨハンソン)のその性格ゆえの明暗を描く。
頭脳明晰な女はその才能を表に出してはいけません。誇り高い男には尚更・・。
硬と軟、ピッタリのキャストだったと思う。

「アバター」 2009/アメリカ

残念なことに劇場で見逃してしまった。
アバターの大きな伸びやかな肢体、そこから繰り出す優雅な動作、落ち着いた眼差しに心魅かれる。脳内にリンクして体は異性人を借りるという奇想に驚く。大画面で観たかったな、やっぱり。

「空中庭園」 2005
小泉今日子 鈴木杏 角田光代原作

原作が良かったのでトライ。いつも笑顔でオープンな家庭のママ(小泉)、夫も娘(鈴木杏)も息子も”それなり”に平穏無事に世渡りしているかに見える。折り目正しい張り付いたような笑顔の裏の空虚。一皮剥けば各人危ない展開となりそうなものを抱えているのだけど一見飄々と痛みを隠している。というか、気付かないフリをしているのだ。
そこに善悪ごちゃまぜな祖母(大楠道代)がかき混ぜ役として登場する。この祖母役の大楠道代の存在感が際立つ(凄く上手い) 真摯なブラックコメディ、とでも言おうか。程度の差はあれど特別な家庭ではないというところが怖い。”空中庭園”上手いタイトルだなと思う。たった4文字でストーリーの全部を語っている。


「ボビーとディンガン」 2005/オーストラリア
監督:ピーター・カッタネオ{フルモンティ} 原作:ベン・ライスの同名小説の映画化


お気に入りの作品。オーストラリアの田舎町。豊かではないが優しい両親と兄と暮す少女には空想癖があった。両親は辛抱強く慈しみをもって少女に対応するが兄は少々胡散臭く感じてしまうときもある。ある日、空想の中での友人”ボビーとディンガン”が行方不明となる。大事な友人を亡くした少女は日々衰弱していく。見かねた家族が対処するために出かけた先でとんでもない誤解を町民から受けてしまうことになるのだが・・ラストでそれは綺麗な結末となって収束していく。少女の”想像の友人たち”のための葬式に参列してくれる人々。衰弱した少女を救うために誰も騒がずひっそりと集まってきてくれた。それは厳かで綺麗な光景だった。


お兄ちゃん役のアシュモル君が実に良い

↑は採掘した鉱石をカットする場面。
「オパールはどれも違う?」
「どのオパールにも隠れた顔がありベールを取る(カットする)のを待っている。
 緑と紫の輝きが見えるだろ?どうカットすべきか数週間考えた」
・・そして見事なカット技術で現われた美しいオパール!

「ナイト・オン・ザ・プラネット」 1991/アメリカ
出演:ウィノナ・ライダー  ジーナ・ローランズ
各地のタクシードライバーと客との寸劇的ストーリー。タクシードライバーはそれぞれ主役級の名優揃いだ。各自の生活事情を反映しそれぞれ個性的な展開。ヘルシンキ編(ウィノナ・ライダー)が印象深い。人の心の移り変わりをジーナ・ローランズとの僅かな時間の関わりの中で見事に表現している。
年を経てからのジーナ・ローランズの出演作はドシンと響いてくることが多い。
他に「グロリア」

「私の中のもうひとりの私」

が好きだ。


その他
○「四川のうた」中国
○「牛の鈴音」韓国
○「エイミー」1997/オーストラリア
○「そしてデブノーの森へ」 2004/フランス












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映画 記録2011/1~6月(3)DVD

2011年09月25日 | 喜怒☆楽
 ・・・・②より続き。

「上海家族」2002/中国

婚家出戻った女性の事情を描く。実家に戻っても居場所がない、体裁が悪いという訳ですぐに”次”の男のところへ思春期の娘を連れて嫁ぐことになる。次の男は娘と同じ年頃の息子を持つ度を越した節約家。価値観が合わないことはすぐ分かったが我慢するしかない。また戻ったところで振り出しに戻るだけ。だが、ついに女性は意を決して動き始める。餅を絵に描いたような展開ではない。地道に手に入れた住まいはボロアパートだけど、そこは開放感を伴う自分と娘だけの城となる。お隣の国も事情はよく似ている。


「接吻」日本

小池栄子が豊川悦司相手に頑張っている。普段、物事に動じないような落ち着いた小池
の表情がそのまま生かされているような映像だ。
それにしても冒頭のシーンの怖さといったら・・・フツーの偶然が怖ろしい。何が被害の
発端となるのか分からない怖さだ。豊悦は嵌り役。


「ティンカーベル」2008/アメリカ/アニメ

CGでのティンカーベルの立体的なボディは抜群に可愛く綺麗だ
長らくティンカーベルファンの私にはなんとも嬉しいアニメである。
ティンカーベル誕生の由来は・・人間の赤ちゃんが始めて声を立てて笑ったときに
たんぽぽの綿毛が飛び、その綿毛がネバーランドまで到達しティンカーベルが産まれた。
ちなみにティンカーベルが飛翔しているときに付いてくるキラキラと舞う光る粉は、光の精にトレーニングを受けているときに失敗し、蛍のお尻に付く粉を自身に付けてしまったもの。
妖精たちが”春”を造っていく様はうっとりするほど美しい

「隠された日記、母たち、娘たち」2009/フランス

カトリーヌ・ドヌーブ。年を重ね、存在感を増している。近年、この人の出演作は外せない。
優しいとは形容し難い医師である母(ドヌーブ)の元へ休暇で帰省した賢そうな娘(マリナ・ハンズ)。この母と娘はどこか距離感を掴めずにいる。母の懐に入っていきたいのにどこかで拒否されている感じがいつもしていた。母には母親に捨てられた過去があり、その真実の経緯が隠された日記に封印されていた・・。
この娘役マリア・ハンズがとても良い。美人ではないが真っ直ぐに問いかけるような眼差しと優しい気配りのさりげない動作、感情の起伏の抑え方が凛として綺麗だ。
甘いところのない現実を見据えたすっきりした顛末だ。無理をして一緒に住んでも各人の個性が破綻する。それは家出した祖母が教えてくれたこと。


「キンキ・ブーツ」 2005/イギリス
 
監督ジュリアン・ジャロルド 脚本ジェフ・ディーン/ティム・ファース
4代続いた歴史ある靴工場の危機を救うため、頼りない息子と従業員とゲイの友人が動き出す。靴を作るためのノウハウや製作過程が興味をそそる。跡取り息子役のジョエル・エドガートンが始め冴えないがだんだん気になってくる。表情に人の良い品と知性と優しさが滲む。好きだな、この人。



「100歳の少年と12通の手紙」 2009/フランス
監督・監督エリック・エマニュエル・シュミット 出演ミシェル・ラロック アミール・マックス・フォン・シド


素晴らしい作品。最上のユーモアを交えて生と死という重いテーマを真正面から言葉と映像で伝えてくる。
少年は病院のベッドの上の毎日に退屈している。怖る怖る対処してくるパパとママには愛想を尽かしているという世に長けた?少年である。少年は周りの大人が自分に向ける労りの所作が気に入らなかった。そこへ、「愛だの優しさだの思いやりなんてバカみたい」と言い放つピザ屋のローズ(ミシェル・ラロック)が現われた。少年はこの女性が面白いと感じ毎日話をしたいと思う。この愉しいことをするセンスに抜群の能力をもったローズとの短い日々を描く。

残り12日の命の少年に1日を10年と捉えてごらん、とローズは少年に言う。翌日、少年は15歳となり好きな女の子に告白する。次の日、20代となり少女と結婚する・・。
その毎日を少年は12通(12日分)の手紙に綴る。そして12通目の手紙にはこんなふうに綴られていた。
神様、明け方あなたが来たと感じました。
あなたは夜明けを作ろうとしていた。
神様と僕らの違いが分かりました。
あなたは諦めることなく創り続ける。
朝を創り、夜を創る(この部分の映像が秀逸)
その次は春、今度は冬。
僕に秘密を教えてくれました。
毎日、その日を初めてのように生きること。
素晴らしかった。
あなたは僕の手を取り見せてくれたのです。
人生の意味をありがとう。

追伸:両親にも”初めて”の意味を教えてあげてください。
   ローズはもう知っている。   

「セラフィーヌの庭」 2008/フランス

一人暮らしの初老の女性は掃除夫として掛け持ちで日中忙しく働いている。そんな中、散歩のひと時を植物と対話する時を愛おしむ。彼女の夜間の時間は豊かだ。絵画制作に時間を忘れて没頭する。やがて屋敷の出入りの美術商に認められるのだが・・。
セラフィーヌが自然の土など多彩なモノを混合して絵の具を作っていく様子は興味深い。

「あの夏の子どもたち」 2009/フランス

会社の経営難で自殺したパパ。残された子供たちは大らかに育ててくれたパパのおかげで利発でいい子たち。妻は聡明だ。前半は愉しい家族の映像、後半は残された家族を追う。
夫の事業の清算まで何とか立ち直そうと賢く柔軟に立ち回る母。深く傷つきながらも自分を再生させていくティーンエイジャーの長女。日常の機微を丁寧に描く。
死んだ者はそこで止まるが、残された者は生きて生活し、その中でまた笑い泣く。そんな日常の積み重ねが尊い。ラストの「ケ・セラ・セラ」はなんと的を得たエンディング曲だろう。ロケーションが綺麗。
  ケ・セラ・セラ
  成り行きに任せるだけ
  先のことなんか分からない
  成り行きにまかせるだけ・・・・♪

成り行きに任せるだけ、がこんなに強い言葉だったとは。


「ダック・シーズン」2004/メキシコ

全編モノクロ、場面はほとんど部屋の中だけ、という地味な作品。
妙な味わい深さがある。二人の思春期の少年が留守する家にピザ屋が配達にくる。
そこに隣の少女が加わり”思春期”の情景を淡々と描く。ただ1人大人のピザ屋が程よい距離感でそこに居る。隣人の現実感の少ない少女の投入も上手い。それぞれが我関せずの雰囲気の中からだんだん距離が縮まる過程が自然体で押し付けがましくなく好ましい。


その他
○「小沢征爾」ドキュメンタリー
○「東南角部屋2階の女」加瀬亮・西島秀俊
○「コッポラの胡蝶の夢」
○「風立ちぬ」向田邦子・宮沢りえ出演
○「お・と・な・り」麻生久美子・岡田准一
○「パフィーム」鋭い嗅覚を生まれながらに持った男。
○「風花」浅野忠信・小泉今日子
○「イップ 翼を持った女の子」異質な物語。木の根元に落ちていた卵から孵化したひな鳥は翼を持った小さな少女だった。
○「台北に舞う雪」
○「ギフト」ケイト・ブランシェット主演
○「百万円と苦虫女」蒼井優
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記録 映画2011/~6月 (2)DVD

2011年09月23日 | 映画
・・・(1)より続き。
この時期、北欧作品をよくレンタルしていた。
イタリア・フランス作品なども時々入れて、アメリカ作品はアニメのみ。


「ぼくのエリ 200才の少女」 2008/スウェーデン
 少女エリ:リーナ・レアンデション 少年オスカー:カーレ・ヘーデブラント 
 監督:トーマス・アルフレッドソン

お気に入りの作品
少女はバンパイアだ。透き通るような白さの肌にゾっとするほど綺麗な澄んだ
青い瞳。ゆっくり動き、おっとり会話する。どことなく異様な気配を
醸し出すという雰囲気になんとピッタリの配役だろう。終始、この子独特の
世界に惹き込まれた。

出会いは月夜の晩。少年が佇んでいる場所から少し離れた所に
月明かりで仄かに照らされた中にとびっきり色白の女の子が居た。
鮮烈な美しさだ。なんて演出が上手いのだろう。
いかにもフツーにそこに居た女の子。こんな夜中に女の子がひとり鎮まった気配を
纏いそこに居る。
少年と少女はそれぞれの寂しさを埋めるかのように、お互いに淡い気持ちが芽生える。
しかし、少女は人の生き血を吸わなければ生きられない。バンパイアと言えど、
まだ少女の彼女が襲うときの格好は虚を突かれる。喉元にカエルが飛びつくような
姿態に可笑しみと哀しみが混ざる。なのでその場面の印象が鮮烈に残る。
少女が恋する少年を見つめる眼差しの綺麗なことといったら・・・「見終わって
「小さな恋の物語」に思いがリンクする・

またいつか少女に会えるだろうか・・生き血を吸える限りは生き延びてくれる筈だが。



「マダムと奇人と殺人と」2004/フランス

サスペンスコメディ。愛犬の服を編む刑事とその周辺のおかしな人々。
とにかくみんな、すっ惚けていて可笑しい、快走


「瞳の奥の秘密」 2010/スペイン

サスペンス。ラストが強烈だ。復讐というものの本質を見る思いがする。
愛する者の強烈な執念に深い哀しみと同時に畏怖を感じる。
よく練られた作品だと思う。アカデミー外国語映画賞受賞。

「ひかりのまち」 1999/イギリス
  監督:マイケル・ウィンターボトム 脚本:ローレンス・コリアット

三人姉妹のそれぞれの人生。長女は独身、人によく気を使い他人との繋がりを
求めているが、人の気持ちを先取りしてしまいがちで中々深い関係が持てない。
次女は品行に問題ありの夫と別れ息子と二人暮らし。毒舌家で生活力も抜群。
三女はインテリ風。子どもを身篭っているが、夫が仕事を突然辞めてしまう。
そしてこの三姉妹の両親の関係が壊れかけている。神経過敏な母と無気力な父。
それぞれが問題を抱え込んでいるが特別なことではない。みんな何某かの問題
を抱えて暮している。バラバラな家族を自然な形でよく纏めたと思う。


「縞模様のパジャマの少年」 2008/イギリス
 監督・脚本:マーク・ハーマン 原作:ジョン・ボイン 

なんとショッキングな結末。・・・・・・。
収容所所長の無垢な息子は収容所内の少年と親しくなるが、少年がどうしていつも縞模様のパジャマを着ているのか分からない。父親がどういう仕事をしているのかも知る由がない。冷酷な指令を出し続けてきた所長である父親は、人の故意の手によって家族を喪失することの哀しみを知ることになる。大きな代償を払って・・。


「キッチン・ストーリー」 2003/スゥェーデン

またまた見ましたキッチンストーリー。この緩い作品が何故こんなに好きなのか。
家庭研究所から派遣され独身男性の行動パターンを記録することが仕事という
奇抜な設定。寝る時間以外は高い場所から観察し、されているという双方の関係。
言葉少なにボソボソと朴訥に付き合っていく様子が好ましい。
監督・脚本はベント・ハーメル。他作に「ホルテンさんのはじめての冒険」がある。今年12月に「クリスマスのその夜に」が公開予定。


「エヴァとステファンと素敵な家族」2000/スウェーデン

エヴァとステファンの両親は険悪な雰囲気。母が家出し向かった先は弟の家。
そこは自由な暮らしを嗜好する者たちの共同体だった。来るものは拒まず。
エヴァとステファンの子ども目線は大人より冷静だ。

「パリ20区、僕たちのクラス」2008/フランス

辛抱強く、丁寧に難しい年頃のティーンエイジャーと向き合う教師のドキュメンタリー。
教師は生徒に徹底して討論とマナーを教える。相手の意見を聞けることは
コミュケーションの基礎であること、言葉で伝える術の重要さを教える。
教師の確固たる意思の強さと柔軟で幅のある思考にこちらも学ぶことが多い。
上手くコミュ出来ているかのように見えてきた時期に「え?」と思うような生徒たちの
翻ったような行動に、教師は身をもって”ことば”で伝えようとする場面が印象に
深く残る。

「コララインとボタンの魔女」 2010/アメリカ
監督・脚本 ヘンリー・セリック

ベストセラー児童文学のアニメ化。
児童文学ってどこか不思議な”怖さ”があるけど、これはそんな怖さを上手く
表現している。秀作です。


「ミレニアム ドラゴンタトゥの女」2009/スウェーデン・デンマーク

ぐんぐん引っ張られるミステリアスなストーリー展開だ。周到な資料の読み込み
と画像からの推理。後見人(こいつが過激にヤバイ)がついている女性の謎。
このドラゴンタトゥの女(ノオミ・ラパス)のアクションが小気味いい!


「闇の列車、光の旅」 2009/メキシコ
監督・脚本カイリー・ジョージ・フクナガ  

少女は(バウリナ・ガイタン)国境を越えるため闇の列車に乗り込んだ。
そこでギャングの少年に救われるのだが、少年は執拗に追われることになる。
少女の気持ちがひた向きでヒリヒリするような哀しい恋である。
追われる少年の事情も世情を反映して哀しい。
恋している二人の表情が綺麗で眩しい(殊に少女が賢そうで美しい)


「キル・マイ・ボーイフレンド」 インド
画像なし。
これはTOKYO MIXTVで偶然見た作品で思いがけず面白かった。
ある女性が仕事上の客に誘われる。初々しい学生気分の抜けないような清純な
彼女は誠実そうな青年に次第に魅かれていくがそれは罠だった。事件に計画的
に巻き込まれ刑務所に。裏切りを知った彼女はどんどん強くなり、復讐を企てる。
じわじわと・・・。


「告白」 

原作も良かったが、映画化された作品も秀作(数々の賞を受賞)
後半はオリジナル部分を加えたが、それはそれで映像的に功を奏したと思う。
松たか子でぐんぐん引っ張られた作品。監督が始めから松たか子主演で練った
構想というだけに、松たか子はそれに大いに応えた。














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記録 映画2011/1月 ~6月 (1)DVD

2011年09月23日 | 映画
長期間、ほとんど映画に関するブログをさぼってきた。
”見る”ことは見ていたけれど、”書く”意欲に繋がっていかなかった。
ここにきて、やっとタイトルの記録だけは残して置こうと気を奮い起たせてみた。
(今回、外した作品は省いて掲載)

「空の羊」 向田邦子原作
ここ数年前から年明けの1作目は向田作品と決めている。
折り目正しく情緒豊かで且つ艶やかな加藤治子、田中裕子に会いに。
最近、向田作品が再度人気を得ているという。”繋がり”をキーワードに
探るとやはりこの人に辿り着くのか?


「コープス・プライド」アニメ2005

生者の青年と娘、死の世界にいってしまったもう一人の娘の物語。
地味な色彩ながら表情は驚くほど豊か。硬質な動きではあるけれど、眼の演出に
長けている。恋する三者三様の気持ちが痛く伝わってくる。もちろん、ユーモア
もたっぷりある。


「夢見る頃を過ぎても」

大好きな作品で再再見。ブログ記事有り(2011/01/09付け)


「イメルダ」 フィリピン2003/フィリピン

まず、良し悪しは抜きにして”凄い”女性だ。
美貌と権力を意のままに繰りガンガン突き進むこの女の名はイメルダ(夫人)
マニラに壮大な建物を次々に建設、莫大な資金を投入し美観を追求した。
貧しい国民のために・・という発想はどうやらなかったらしい。彼女は
底辺を知らなかった。後に人民の怒りを買うが再び人気を取り戻す。
この異様な(?)国民気質とはナンなのだろう。
詳細な映像を使いイメルダ夫人の全容を追ったドキュメンタリー。
一人の豪傑ここにあり。しかし、あなたは女としての美しさを追いすぎた。
しかし、しかし・・天晴れではある。

「精神」 2008/日本 想田和弘監督

ドキュメンタリー。ナレーション、音楽を一切排した観察作品。
否応なく素で向き合う感じになる。精神科診療所「コラール岡山」の外来医師
は患者の訴えに丁寧に根気良く耳を傾ける。のほほんと聞いているようで
言葉の裏を見逃がさない鋭さと寛容がある。病院職員の平素の維持を心がけた対応
の上手さが際立つ。どこまでも謙虚である。
患者は言葉に関する感受性が強いため、日常のやり繰りがキツくなる。
”菅野さん”の詩集に載せている言葉と写真が見事にリンクし、強烈で鮮やかな
印象を残す。
想田監督の前作は「選挙」。こちらも秀作でした。

「冒険者たち」 1967/フランス

(↑この画像はちょっとイメージから外れてるけど・・)
主演アラン・ドロン。好奇心満載でまるで子どものように邪気のない男2人と女1人。
上手くいくかに見えた3人の冒険の成就が、まるで面識のない一人の男の出現によって
狂っていく。状況が変化していく中で男2人の中の誠実な友情と、女へ示すそれぞれの
誠意の示し方は爽やかで且つ深い。悲哀を含んでいるはずのラストが鮮やかに感じる
のは3人の道程が見事だったからか。

「ある日どこかで」 1980/アメリカ
時空を越えて(68年前)愛しい人に会いに行く。
ジェーン・シーモアの美しさに引っぱられた作品。ストーリー設定上、美しく登場
してきた女優は期待を裏切ることがなかった。役得です。

「ハワーズ・エンド」 1992/イギリス

大好きなエマ・トンプソンに会いたくて再見。
この作品のトンプソンの役回りが好きだ。知的で誰とでも友好的で人の和を重んじる
、常に人に向かって開かれている女性。
こんな賢さと柔らかさを備えた女性が乗り越えたストーリー展開が秀逸。
人それぞれ役割をもって生まれてきているのだと改めて感じる作品。
また、いつかどこかで再び見るだろうな、これ。

「愛する人へ」 2011/アメリカ

アネット・ベニング見たさで・・。年を重ねても綺麗。
上手く年を重ねた女優を見ると嬉しくなる。

「ヤコブへの手紙」2011/フィンランド

レイラ(カーリナ・ハザード)は演技をしているの?凄い、なりきっている!!
この演技力。全く芝居をしているという気配を感じさせない。
12年の刑を終え、目が見えないヤコブ神父の元で働くことになる。
主な仕事は信者から届く手紙を読み代筆すること。レイラはその仕事に
嫌気が差し手紙を捨ててしまう。届かなくなってしまった手紙に落胆する神父
は自分の存在価値を疑いだす。真摯に生きる神父を前にレイラの心は少しずつ
開いていく。静かにコツコツと積み重ねていくような展開が良い。
セリフが少なく、主演者も少ない。だが、牧歌的な風景が、出演者の動きの少ない
表情が豊かに気付かせてくれる。だから、見ているこちらもゆっくりその場で
立ち止まって考える時間を与えてもらえる。


「ヒックとドラゴン 1」 2010/アニメ

これ、こんなに面白かったのか!!
ヒックの表情が豊かで、仲良しのドラゴンが闘う姿がカッコいい。
スピード感があり、賢く、いたずら好きで愛すべきキャラだ。
加えて仲間の少女が美しい。しなやかな細身マッチョな体の動きが綺麗。
まろやか且つキリリとした顔つきはアニメながら惚れてしまいます。
メリハリ効いた場面展開もかなり面白い

「愛おしき隣人」 2007/スウェーデン

再見。あるアパートに住んでいる住人の”本音”だけでの会話でストーリーが
成り立っている。本音って怖くて、やたら興味深い

「アヒルと鴨のコインロッカー」

 原作が面白かったので、期待せずレンタルした。
前半は少し退屈だったが、後半、前半でのそれぞれの場面展開の裏の真実を
流すことにより、その巧みな展開に瞠目する。
本当のブータン人を説明する瑛太が「隣のとなり」は→○→★ではなくて、
→○←★で、即ち二つ隣の住人ではなく自分なんだという言動にこの物語の面白さ
が内包されている。ブータン人の純朴な心は哀しさや怒りをこんな風に表すしか
なかった。ボブディランのテープをコインロッカーに隠し「神を隠したから
嘘をついても見逃してくれるよ」と濱田岳がカレの自首をやんわり止める。
ボブディランの曲が非常に効いている。
濱田岳の不思議な佇まいが印象に残る。


「ゴースト・ワールド」 2001/アメリカ

高校を卒業したばかりの2人の女の子(画像のスカーレット・ヨハンソンまだ少女)
共にクール。ひとりは冷めながらも世の中に対応できているが、もうひとりは
自ら壊してしまうタイプ。何をしていいか分からない不安と何かしでかしたい衝動。
若さとはかくも厳しい。
骨董趣味のある男性の部屋が私好み


「ボローニャの夕暮れ」 2008/イタリア

内容が深すぎて私の筆力では書けない。
娘を深く愛する父、理性的で冷めた面を持つ美しい母、そして冴えない風情の娘。
なんの問題もなかったはずの娘が友人を殺害してしまう。精神障害ということで
療養施設で暮らすことになるが、そのどこか異常な雰囲気の根本は”母と比べている”
ことにある、ということが分かってきた。
この父親の行動が深い愛情に満ちていて胸を打つ。












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激ハードだった・・・よさこいソーラン節

2011年09月20日 | 喜怒☆楽
祝日、ジムで「よさこいソーランを踊ろう!」というイベントがあった。

あのハイテンションな踊りをいつかは踊ってみたいと思っていたので
即座に参加した。
JAZZダンス風にアレンジしたもの、と決め付けていたので
冒頭の「構えっ!」の号令の元に腰をグっと落としたポジションに嫌な予感がした。
このポジで8カウント×4 波を表現するのにこの勇ましい体勢はなんぞや(荒波か)
その波を中腰のままズンズン掻き分け掻き分け、次にわっし、わっしと網を抱えて
ドッコイショドッッコイショと引き込む。
ここまで来て面食らってしまう。もっとポップなアレンジを想像していたので(勝手に)
こんな本格的(?)にくるなんて・・
足を広げ中腰で”男前ぇ”みたいな感じでドカンと据えたこの体勢がヤダー

と、何気に映る隣の女性。なんだかカッコいいのだ。
この振り付けが板に付いている。網を引くときの腰の勢いが只者ではない。
真剣にこの踊りに賭けているってオーラがある。

そうだ、中途半端はカツコ悪いのだ。
足先はグっと外向きに広げ、腰にカツを入れ、手先にメリハリを持たせ、いざ
と覚悟を決めてしまうと、どんどん力が漲ってくるじゃないか
左腕を大きく出し、右腕が続き、どっこいしょと引っ張る動作や
ヤ~~レンソーランソーランと波を掻き分ける動作が
大いに気に入ってしまう。
繰り返すごとに、どんどん熱くたぎるような心地になってくるから不思議だ。
そうか、こういう作用がこのソーラン節にはあるんだな、と納得した。
しかし、まぁ、激ハードな振り付けにぶっ飛んだ
三味線と何かを背負っているような武骨ながら洗練された振り付けに真摯な響き
を感じた。


この後、いろんな集団の「よさこいソーラン」を動画で閲覧して見て
やはり振り付けの激しさからか、若い男性の舞いに目が奪われた。
”3年B組金八先生”最終回のこれ↓が一番好きです。
3年B組金八先生最終回よさこいソーラン

”南中ソーラン”にも釘付けでした
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