ひらがなを描く

ひらがなの形の面白さに突如、目覚めた。
小筆を使い、墨でひらがなを”描く”ことに今夢中だ。

私は字が下手だ。
だけど、ペンを小筆に持ち替えるとなんだか見栄えが良い・・・
ような気がする
ひらがなと墨と小筆の抜群の相性の良さを思う。
するするすると、字の形を気にせず思うがままの字体を
紙の上に載せていく。
墨の濃淡と、線の幅が予想を超えて面白く展開していく。
ひらがなの曲線がユニークだ。
曲線は思い付きのセンスでどんどん描いていく。

出来上がりの１枚の半紙上の作品は”絵”だ
字を縛りさえしなければ、無限に書けそうな気がしている。
なにより愉しいと思えることが良い。

愉しく暮らしてます。

もうじき、兄を亡くして１年が経つ。

「生き続けていく者のほうがきついよ」なんて、
とんでもないことを死を前にした人に暴言を吐いてしまった。

生き続けていると「愉しい」こともやはりある。んだね。
おいしいものを食べて、綺麗な景色を見て、可愛い幼い人を眺め、
ときどき、兄のおかげでこんなに楽しんでいるよ、と感謝したくなる。

人参と牛蒡の天ぷら、カレーライスをまだ食欲のあった頃に作って
あげなかったことを未だに（これからもずっと）後悔している。
これが後悔事の筆頭にくるなんて、いかにも「らしくて」笑っちゃうね。
こんな笑いがふたり共、好きだったんだよね。