映画の豆

映画の感想をだらだらと。
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「死霊館 悪魔のせいなら、無罪。」

2021年10月04日 | ホラー映画

「死霊館ユニバース」の第8作目。
今回は「ラ・ヨローナ~泣く女~」のマイケル・チャベス監督です。
実際にあった「悪魔が私に殺させた」事件を下敷きにした作品。

このシリーズ、ホラーのこと全然知らないけど何か見てみたい~!
という人に私が勧めるとしたらこれだなって作品で、
ちょっと怖いけど結局、愛と神が勝ち、犠牲者もそんなに多くなく、
大団円が約束されています。
逆に言えばこの作品を見て、何か合わない…と思ったひとは
ホラーに適性がないかあるいはハネケ監督やアリ・アスター監督、
ニール・ブロムカンプ監督など、マニアックな路線に行ったほうがよいかも。

1981年、11歳の少年ディヴィッドの悪魔祓いの儀式に呼ばれたウォーレン夫妻だったが、
ディヴィッドの姉の恋人、アルネ・シャイアン・ジョンソンの発言により
悪魔はアーニーに移ってしまう。
悪魔祓いの際に深手を受けたエド・ウォーレンの回復期に
アーニーは家主のアラン・ボノを殺害する。
検察は死刑を求刑するが、
夫妻はアーニ-が悪魔に乗り移られていたと裁判で主張する…というあらすじ。

今回も死霊館シリーズらしい盛り盛りのお話で楽しく見ました。

ラストばれ

ロレインと拮抗する能力者の女が出てきて、互いが互いの感覚器を乗っ取り、
おっ?百合か?百合か?と思ったが、お亡くなりになって残念でした。
自分の後ろ姿が見える画とか、怖くはないんですが
パニックになりそうだなと思って見てました。

私はアーニーが昔いじめられていた話とか、あの辺が
ほかの被害者とつながるのかな?
と思ってましたが、悪魔崇拝者が人を呪うのにとくに理由とかない、っていうのに
一番ぞーっとしましたね。
なんの理由もなくあんな面倒くさいことを!?
もっと…資格とったり株やったり自分の得になるようなことをすればいいのに…。

今回はロレインのサイキック無双で、
今後サスペンス路線に舵をとるのもいいなと思いました。
エドの調子が悪かったので、ずっとプリンセス状態でしたが、
(心なしかセリフも「ほかの方法はないの?」とか「気を付けて」とか
しおらしい感じに…)
最後は決めてくれました。
毎回、良いいちゃつきをありがとうございました!という気持ちで劇場を去ってますよ。
最後のあれ、エドじゃなかったら重い!こわい!と思ったかもですが
エドだからまあいいでしょう。ロレインも感激してたしね。

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「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」

2021年10月03日 | アクション映画

2006年から続いたダニエル・クレイグのボンドシリーズ完結作。
クレイグボンドは全5作品。007シリーズとしては25作品目。

仕事よりもマドレーヌとの愛を選び引退したボンドだったが
旅行先で敵の急襲を受け、マドレーヌへの疑念が生じ…というあらすじ。

私はおそらく25作、おおむね鑑賞している。
といっても半分ほどは子供の頃にテレビ放映で見たのですが。
ここ10年ほどの世界的な価値観の変遷とパンデミック、
大変難しい急流を乗り切ったフェーズだったと思います。
最初の抜擢の際に大バッシングを受けたダニエル・クレイグ氏ですが
このシリーズのために様々な努力と犠牲を払われた。
お疲れさまでした。一番好きなシリーズです。
特に好きなのは「スカイフォール」ですかね矢張り。

旅行に出られない現在、
冒頭のマテーラ、行きたすぎてため息が出ました。
(ボンドの隠遁先のジャマイカの住居も)
あの過去を燃やす儀式、本当にあるんですかね。
「スペクター」の死者の日のお祭りがとても幻想的で素敵だったのですが
あれは実際のお祭りとは全然違って、あれを期待して来る観光客が増えすぎて
困ったメキシコが映画の通りのパレードを開催するようになったという話を知って
疑い深くなりました(笑)

悪役が子供に対して少々高圧的にふるまうシーンがあるので苦手な人は注意。

ラストばれ

ボンドシリーズは男性のための物語で
過去シリーズの女性キャラクターは99%消耗品扱いだったのが、
ダニクレボンドでの女性キャラクターは随分変わって、
特に今作は、過去の女がいまだにボンドの記憶に傷を残しているし、
時に油断ならないライバル、
危なっかしいがこいつはもしかして大物なのか…?っていう新人女子、
あと亡くなった尊敬できる上司、と人間扱いになったこのシリーズが好きでした。
(男性のためだけの物語を一部分残しておく必要はある気もするけどどうだろうね)

新人のパロマさんは、マティーニをグビグビ飲んじゃって、
ボンドが「えぇ…」って顔しているところが好きです。マティーニ飲みたくなった。
性的アプローチなのかと考えたボンドが「お互いにもう少し知り合ってからのほうが」
って言ったのも21世紀ボンドですが「ごめんなさい、そういうのじゃないの」
っていうパロマさんの対応も、女が出てきたら即交尾というボンド世界の終焉を感じた。
でもスレンダーな体に裸に近いドレス、コケティッシュなふるまいは
男性観客も楽しめただろうし、現時点の最適解という気はする。
ノーミさんは、優秀な子が優秀であるがゆえに愛嬌と従順を必要とせず育った、
いかにも優秀な新人っぽい性格でかわいいけど、
終盤すっとナンバー返してあげたりアシスト役に回るのは少し寂しかった。
新シリーズの007、ノーミさん来るかな?
ガールズじゃないけどQはキッチンに蒸籠があるのすごい。
スフィンクスちゃんと暮らしているのも、
彼氏を初めて家にお招きするイベントで蒸し野菜を選択するのも
その機会をボンドに潰されたのも
そのあと家に居座られてしまうのも、あまりにもQっぽすぎる。
今回はボンドにツンツンしている時間があまりなかったのが残念。
もっとQのツンツンが見たかった。猫とQのミニドラマシリーズとか見たい!

Mは、酒量が増えてませんか?心配になった。
MCUのインサイト計画的を思わせるヘラクレス計画、
そしてミサイル発射、あのあとどう責任をとったんだろう。
そして今回の悪役ラミ・マレック演じる、サフィン、
代々薬草園を継承する復讐者、日本趣味とか設定はものすごくよかったし
ラミ・マレック氏の静かな演技も良かったが、
尺不足によるエピソードの足らなさは勿体なかった!

マドレーヌの秘密を知ったら死ぬとかブロフェルドが言うので
血の繋がった兄妹とかかな?と思ってたけど、え?
カッコウとかも単に托卵って言いたかったの…?なにか見落とした?
いや結果的にはそうなったけど、あの時点のブロフェルドには知りようがなくない?
関係ないが私は最近ドラマで「pas mal」ってフランス語を覚えたばかりで、
聞き取れたので嬉しかった。あのシーン可愛かったですね。
本来なら今頃みっちり料理を仕込まれていたんだからな!?

予告で見た橋からのジャンプ、すごく楽しそうだった。
「ponte acquedotto」という場所で、
片腕ロープだと負荷で肩が抜けるのではと思ったが
高さは37mらしいので案外いけるかも。
(橋からのジャンプ、30mと100mやったことある)

大作映画で、愛国心や愛情、アクション、
そしてポリコレ、様々な要素を含むエンタテインメントは
定食のようなもので、どうしても似通ってきてしまう。
そういう意味でなんかフェーズ1~2の頃のMCUを思い出す…
って気がしてたところにあのラストメッセージでふいてしまった。




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