映画の豆

映画の感想をだらだらと。
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「レリック-遺物-」

2021年10月06日 | ホラー映画

行方が分からなくなった老女の捜索のために故郷に帰ってきたその娘と孫娘。
ある日突然戻ってきた祖母と同居生活をするが、
祖母に認知症の症状があらわれており、
それと同時に母娘は家の中で不審な物音を耳にする…
という認知症ホラー。
終盤まで特になにか出るという訳ではなく緊張感で引っ張るので、
モニタで片手間に見ると退屈かも。
見るなら集中して見たほうがよろしいです。

近年見た認知症サスペンスと比較して
そういえば男性の症状は攻撃、
女性の症状は防衛にでることが多いような気がするな、
などと思いました。

ラストまでばれ

監督の経験が元になっているそうですが、
自分が孫にプレゼントした指輪を、盗まれたと思い込んで非難する様子や
写真を食べたりする奇行、みんなのところへ帰りたいと泣く姿、
自分の娘と孫ではなく偽物だという警戒、どれもつらい。
あと「頭の弱い子」って言葉で孫娘が動揺したことから察せる、
以前はああいう言葉を使う人ではなかったのに…
(おそらく心では思ってた)という変化も地味につらい。

ラストはあれ、祖母は実はすでに死んでいて、
母娘が一緒に暮らしていたのはミイラだった路線…?
って思ったけど、失踪する前に話した人が1週間前って言ってたから、
あの気温で2~3週間であの状態にはならんなという理由でその線は消えた。
まあおそらく現実としては
「おじいちゃんが亡くなってこの家は妙に広くなった」ってセリフから、
時々壁の裏に迷い込んで生活なさってたのだろう。
ホラー的には、気付かれないまま死んだ曽祖父の悪いものが祖母に乗り移り
母にも伝染した。
映画的にはあの迷路も黒いカビも、認知症のメタファなのだろう。
ステンドグラスの窓と、最後の母親の背中は遺伝子のメタファ。

そういえば私の祖母の家、リフォームするときに壁を壊したら、
向こう側に封鎖した部屋が新しく出てきたというのを思い出しました。
封鎖を知っている世代が全員亡くなり、
係やその子供世代は外から見た家の大きさと、
中の広さが一致してないのに数十年気付かなかったのです。
私も、後から考えると変なんですが、全然思いつかなかった。



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