猫画家として19世紀末のロンドンで一世を風靡した
ルイス・ウェインの、妻と猫との愛情ある暮らしを描いた映画。
私はかなり前に、統合失調症で作風の激変した画家として彼の名前を知りましたが
その後、彼は作品に日付を入れておらずまた作品数が多いため
必ずしも作風の変化と病の進行が一致しているわけではないという知識も得ました。
今回、もう少し正しいところを知ろうと思って見た。
・かわいい猫がいっぱい出ます。特にピーターがかわいい。演技もうまい。
・しかし徐々に正気を失っていく映画なのでそこのところ苦手な人注意。
・衣装は、派手さはないけど素敵でした。
内容ばれ
序盤に、どうして彼のことをこんな風に
変わった人と多動性障害の中間的に描写するんだろう?と思ったが
妹さんも統合失調症で生活が立ち行かなくなって入院されたので
なんとなく察した。
現代ならもしかするとこの一家は、行政が介入していたのかもしれない。
支離滅裂な講演をなさってもしばらくは画家として活動されていたのも、
現代だとたぶんストップがかかるだろう。
森羅万象を電気によって読み解こうとされていたようで、
なるほど、妙にギザギザした絵は、それを表現していたのか…?
ご本人も、もう家庭で面倒を見られる範疇を超えたので妹さんたちが入院させて
その後にクラファン、なのだが映画はそのこのところふんわりさせて後味をよくしている。
彼の認識能力が低めなのをよいことに、搾り取れるだけ搾り取った出版社がある一方で
彼を保護したゾラ博士(違います)のような人もいて、
当時は福祉の代わりを相互扶助が果たしていたんだな、でもそれは運しだいだな…と思った。
トビー・ジョーンズは、登場するたびおいしいそうなものを食べていて目が釘付けだったが
最後痛風に倒れてちょっとふいてしまった。
全く関係ないけど、なぜワイティティ監督が出演されてるんだろう?
カンバーバッチ氏はこの手の演技をなさるともうまったく天下一品であるし、
日中のシーンの瞳の美しさは形容しがたいなと思いました。