旧作映画の感想は、通常1年分まとめて索引つきサイトにあげていますが、
新作映画が軒並み延期なので、
別のWEB日記に書いている旧作映画の感想を順次あげます。ひまつぶしになれば幸いです。
1968年のカルト映画で、
ジャンルはエロティックSFです。
スターウォーズより10年早い。
特撮風味のポルノなんですが、ギミックが面白く
プラスチックやファーを使った衣装がオシャレ。
主人公はジェーン・フォンダで、天真爛漫なバーバレラを愛らしく演じます。
地球大統領から、行方不明の科学者を探せという命令を受けた
宇宙飛行士のバーバレラは、タウ星に向かうが…というあらすじ。
バーバレラがピンチになったりセックスしたり
ピンチになったりセックスしたりします。
ピンチは、人形に全身を齧られたり、
おびただしい数の小鳥につつかれたりする、
特撮ヒーローあるあるの、ピンチシーンの、もっと正直なやつ。
性行為は、バーバレラを助けた人が要求するんですけど、
駄目だったらいいんだけど的なニュアンスで
しかもバーバレラも、うん、別にいいわよてきなノリなんですよね。
そしてどっちも楽しんで満足する。性行為に加害性がないんです。
話は脱線しますが陰湿なポルノでよくある
嫌がっている女性に腕力とか脅迫とか薬物とかで
無理やり行為に及ぶやつ、
あれって性行為でもなければエロでもないんですよね。加害。
暴力的エロティズムを好む人はいてもいいけど、
大勢が、あれこそエロだと認識しているのは異常だと思う。
そもそも普通に裸や交尾で興奮できなくて
オプションで加害を付けないといけないのは
性欲が弱まってきているせいで、
その種族の滅びの時なんだと思います。
内容ばれ
冒頭の無重力ストリップと、
女性を絶頂させて殺すオルガスマトロンのシーンが有名です。
オルガスマトロンはグランドピアノくらいのサイズの複雑なマシーンで
女性を楽器の中に入れて悪人が演奏すると女性は快感を得ます。
バーバレラも最初は「気持ちいい」とか言ってるんですけど
だんだん快楽が大きくなってきて、喘ぎ始めます。
でもバーバレラのキャパが大きすぎて、装置が爆発してしまいます(笑)
悪人が「淫乱め!」とかプリプリ怒っている。
でもバーバレラに「服を取って」って言われると
新しくておしゃれな服を渡してあげる。渡すんかい!
バーバレラへのSM行為ですが性行為とは分けられていて、
しかも盲目の美しい男性も縛り上げられたり、
悪徳の都の住人につつかれたりします。
それと逞しい男が漬けられて悶えている丸い水槽から
伸びたチューブを水タバコのように楽しむ女たちがいたりして、
(「男エキス」なのだそう)女性も楽しめる。
あと悪の皇帝は女性なんですが
最初の出会いの時は身分を偽っていて、バーバレラのピンチを救って
「かわいこちゃん」って呼ぶんですよ…。
この映画50年早かったのでは。
それと高度に科学の発達したこの世界での性行為は、
一緒に薬を飲んで、座って手を合わせるだけで快感が得られます。
絶頂すると髪がクルンクルンになったりして面白かった。
全体的に妙にオシャレかつユーモラスなので楽しく見られました。
余談ですがこの監督、ジェーン・フォンダ、カトリーヌ・ドヌーブ、
ブリジットバルドー、アネットヴァディム、と結婚なさったらしい。
まあきっと才気煥発で面白い人だったのでしょう。