映画の豆

映画の感想をだらだらと。
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「マッシブ・タレント」

2023年04月10日 | コメディ
ニコラス・ケイジが事件に巻き込まれて、CIAのエージェントもどきをすることになって、
適当にカーアクションとかして、妻子に見直されてハッピーエンドなんだろう。パス。
と思っていたが、褒めている人を何人か見かけて劇場へ行った。

たしかに、中年迷走モヤモヤ期の男がCIAの要請で活躍する、
中年男性の「わたしがプリキュア…?」ものなんですが、
男性が威厳を取り戻してドヤァする点ではなく、オモロと友情に重点が置かれていてよかった。
最近パッとしない俳優のニコラス・ケイジは、狙っていた仕事を逃し、
ホテルの支払いも滞る日常を送っていた。
金策として彼はマヨルカ島に住む富豪の誕生パーティーに出る仕事を受けるが、
富豪には裏の顔があり、CIAから捜査協力を依頼されるというあらすじ。
あらすじを読むと普通でしょう?

下記は見に行こうと思った人は読まなくていいですが、
富豪はニコラス・ケイジの大大大大ファンで、宇宙の宝・地球の光くらいに思っていて、
彼の前に出るとモジモジして、映画の話になると早口ろくろ回しをやらかします。
常軌を逸した富豪(ペドロ・パスカル) の大好きパワーが、
この映画をなんか分からんハッピーなものにしている。

ラストまでばれ
「自分の話ばかりしてはいけません。人の話も聞こう。相手に関心を持とう」
というテーマがあって、そこを学んだニックは家族の愛を得るんですが、
自分の話や自分の興味あるもののマシンガントークをしても
目をキラキラさせて聞いてくれる心の友が出てきて二律背反している (笑)
誰も同意してくれない好きなもの (カリガリ博士とか)も彼は元々好きだし。
富豪と再婚しなよ…。

最近評価急上昇しているっぽいペドロ・パスカル氏、
ニコラス・ケイジが、あらすじに少女誘拐を盛り込もうと言った時のスン…とした顔、
「この人がこんなくだらないアイディアを出すなんて…」 って失望を
小さな表情の変化で語っているのを見て、上手いんだなって思いました。
LSDの演技はどちらもバカバカしく大真面目でよかった。

富豪の映画の話、フェイス/オフ、カリガリ博士とパディントン2が好きって、
絶妙に深いので私も「面白い人だな!?」 と話を聞きたくなったと思う。
イニャリトゥ監督とトリアー監督が悪魔合体した感じの映画
(あと1人はお名前を存じない監督だった)ってどんななんだろう…この映画なのか?
あ、 でももう1人のニコケイと口論したりキスしたりして最後決別する筋は、
リスペクトなのかもだけど無くてもよかったかもだ。

スーパーニコラス・ケイジ大戦だったけど、見てなくても全然平気です。
私も 「不機嫌な赤いバラ」をなぜか見てない。

唯一の不満点は、同性愛ではないという証明のためだけに出てくる、
ほぼあらすじに絡まない女性がいる点です。
それとまあ一応、留守番のネコチャン、
家の中をめちゃくちゃにして生きてるところを確認したかったかな。


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