花、鳥、風、上弦の月、下弦の月、と連続公演を行った「髑髏城の七人」、
そのドクロイヤーのフィナーレとなる作品です。
それにふさわしい、驚きと華やかさのあるお話でした。
Season極は、髑髏城の七人という舞台劇から主要登場人物3人を抜いて
1人にまとめたストーリーなんですが、
いやあ、もはや髑髏城に変えるところはないだろう、と思ってましたが、
案外できるもんですな。
現在の中島さんによる、過去作品のアップグレードという感じ。
(でも捨之介、蘭兵衛、極楽がいなくなるというか、溶けるので
彼等に思い入れの強い人には、少し受け入れ難いかも)
主演は天海祐希さん。
舞台がぱあっと明るくなるお姿と、低いドスのきいた声、
緊張感と殺気、男性の役者さんと女性の役者さん、
両方の良いところがある演技でした。
捨之介が背負っていたつらいものが、
女性主人公になる事によって、しなやかに受け流されて、
すごいハッピーエンドの髑髏城でした。
「髑髏城の七人」を見るのは今回で10パターン目ですけど、
とうとう迎えたトゥルーエンディング…って、ちょっと思いました(笑)。
冒頭の口上が
「修羅と仏の一重の境、 渡り歩いて居どころ知らず。
渡り遊女を名乗っていても、紅は血飛沫、吐息は硝煙。
それが定めの極楽太夫!」なんですけど、
これだけで気分ブチ上がりでした…。
ただしこの「極」から見ると、普通にワクワクするスペクタクル演劇なので、
ほかの髑髏城を一度ご覧になってください。
そうですね、私のイチオシはアオドクロですが、
劇場で観るのが難しいので「下弦の月」とか如何ですか。
下弦の月予告
https://www.youtube.com/watch?v=ZlWKOaIC9Gw
一律2000円、割引なしですが、
観劇する事を思えば全然安い。チケットも簡単にとれるし。
花鳥風月極DVDボックスだと、5まんえんもするのです。
2019年現在 ゲキシネ公開予定一覧
http://www.geki-cine.jp/schedule/
オチばれ
男主人公に男狭霧もなかなかよかったですけど、
女主人公に女狭霧もいいですね…!T6といい、これは世界的流行の兆では?
信長なのか影武者なのか分からないというのは、
かなりどきどきする仕掛けでした。
そして捨がいないので、1人足りない!
6人しかいない!どうするの!?というのもかなりドキドキした(笑)。
天魔王がアホだな…というのはシリーズずっと思ってたんですが、
この天魔王はかなり改善されてた気がします。
信長が手出しをせず、ただ愛でていた女を、
どうしても手に入れたくて、それで判断が狂ってしまったという背景が
なんとなく察せられて。
最後、完全復興した無界の里で
極楽太夫が出て来てフィナーレかなと思ったけど、それはなかった。残念。
これまで何度となく虐殺されてきた無界の住人が最後に蘇ったのを見届けて
髑髏城の見納めにしたかったなあ。
勿論あのセリフを太夫が言って、締めるというのも実にいいんですけどね。
まったくどうでもいいことですが、家康の首がものすごくよくできてた。
肌の質感、切断面といい、垂れ下がった何かといい、
舞台レベルの首ではなかった(首評論家)。