映画の豆

映画の感想をだらだらと。
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「阿弖流為」

2016年06月26日 | 舞台

シネマ歌舞伎です。
劇団新感線「アテルイ」の脚本を歌舞伎にアレンジしたもの。
坂上田村麻呂の蝦夷討伐、阿弖流為との闘いを
大胆に脚色したお話です。

愛する女を守るため、神の使いを殺した部族長の息子阿弖流為は
名と記憶を封じられ、故郷を追われていた。
朝廷の蝦夷討伐を知り、故郷に帰る事を決意する。
坂上田村麻呂は太陽のような人柄で、都の多くの人に人気があった。
大臣より蝦夷討伐の任務を与えられ…というあらすじ。
阿弖流為と田村麻呂の出会いと友情、
阿弖流為の最愛の女性、鈴鹿との再会、
そして意外な真実が明らかになります。
燃えと愛と笑いと意外性のバランスいい話でした。
新感線バージョンよりかなり削ってあるようです。
剣戟あり、コメディあり、踊りのシーンありと、あまり歌舞伎という感じはしません。
でももちろん見え切りはありますし、アクションのスローモーションは、
みなさんさすが、ピタッと決まってた。
私はやっぱり染五郎さんのチャンバラが好きで、特に刀の取り回しと、
打ちこんで、相手の刀が重くて弾かれるときの、
振動まで再現したモーションがいいと思う。
意外な真実に関しては、伏線が少しあって、あって思ったんですが、
何か切ない話だし、役者さんの演技がそれを2倍3倍にしてました。

舞台装置に関してはアラハバキの神がすごかった!
少なくとも操者が15人以上いたと思うんですが、大迫力でした。
観客席の一番後ろとかだとどうか分からないので、
これはスクリーンで見て良かったという感じ。

阿弖流為が市川染五郎さん、坂上田村麻呂が中村勘九郎さん、
鈴鹿が中村七之助さん。
御霊御前が市村萬次郎さん、藤原稀継が坂東彌十郎さん。
観客は年配のかた多めだった。

ラストばれ
神の通じない片想いが切ない…。
北の神と、都の神の闘いでもあったと思うんですが、
力も弱まり、愛した男には拒絶され、殺されてしまうという…。

坂上田村麻呂が助命嘆願するが、朝廷にはねのけられ処刑されるという記述が
平安時代の文献にあるんですね。それは色々創作もしたくなる。

えみし、というのは完全に蔑称だったんじゃなかったっけ…?って調べたんですが
勇敢と言う意味じゃないの?とか諸説あるんですね。

クマコかわいかった。
蛮甲がバンクォーに聞こえて、他の人の名前もシェイクスピアネタかな?って思いましたが
調べても出てこず。阿毛斗とか、なにかであったような気がするんですが。



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