映画の豆

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「レジェンド 狂気の美学」

2016年06月20日 | 暴力orハードボイルド系

監督脚本ブライアン・ヘルゲランド

1960年代、ロンドン東部を支配した実在の双子のギャング
レジー・クレイとロニー・クレイ。
兄のレジーは度胸があって頭も切れるが、
弟のロニーは精神を病んでおり、暴力衝動を抑えられない。
2人が互いを愛し憎みながら共に成功し、
やがて転落していく様を描いた映画。

トム・ハーディさんが1人2役でギャングを演じます。
撮影技術もすごいですが、トム・ハーディさんの頑張りもすごくて、
表情の皺の入り方も微妙に違ったりして、2人の人間がいるように見えます。
そして弟のロニーの同性の愛人を演じるのが
「キングスマン」で主役を務めたタロン・エジャトン。
躁病的に陽気でクールで、怪演でした。
レジーに懇願されて彼の妻となるヒロインを演じるのは
「エンジェル・ウォーズ」のヒロインだったエミリー・ブラウニング。
60年代の女性らしくセンシティブで、綺麗だった。
ギャング団の会計士的な役割の男性をシューリス先生が演じます。
比較的黒シューリスなのですが、双子がマッドネス過ぎて
何か気の毒な感じだった。

ロンドン東部訛り?がすごくて、
最初「どこの言語だろう…?彼等は移民でお国の言葉を話してるのか?」
って思いました。
ロンドンのギャングだけあって、集まると紅茶を飲むのですが(笑)
ギャングの人達はカップの取っ手の持ち方が間違っていて、
刑事さんは正しい持ち方だった。あれは演技プランなのかな?

ラストばれ?

ガールフレンドのお母さんが怖くて玄関のチャイムが鳴らせないレジーや、
兄弟喧嘩の時に瓶を掴んだら「反則だ」って言われて戻すところとか、
とっても可愛かったので結末には結構暗い気持ちになります。

スーパー正論タイム
アル中もそうですが、自分が何とかしてやれるって思って
家族が患者を専門機関につれていかない、又は退院させてしまうっていうのは、
悪い結果しか生まない(らしい)。
これ弟を病院から出さなければ、なんか各方面ハッピーエンドになってた気がする。
弟が側にいないと、兄がおかしくなったのかもしれないけど。
あとヒロインのお母さんがもうちょっと柔らかければヒロインの悲劇だけは防げたかも。
考えてみればヒロインのお母さんは正しいけどきつすぎる、
兄弟のお母さんは柔らかいけど間違ってる、
どっちの母親も子供を悲劇の方向に進ませてる。

あっ関係ないけど英国では紅茶の淹れ方が嫁いびりの種になるんですね。
「紅茶も満足に淹れられないなんて……」とかって怖い。
あの注ぎ方の何が悪かったのか私には分からなかった。

監督は過去に「ROCK YOU!」を撮ってます。
あの映画、理由は分からないですがなんか好き。



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