映画の豆

映画の感想をだらだらと。
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http://heme.sakura.ne.jp/333/index.htm

「Ghosted」

2023年05月07日 | 恋愛映画


Apple TV+の配信。
農場の息子コールは、直販店で店番中に買い物に来た女性といい雰囲気になり、
そのままデートに出かける。
最高の一日を過ごした後、早くまた会いたいと願う彼だったが
彼女には、実はCIAエージェントであるという秘密があった

真面目で優しく、アメリカから出たこともないような地味で堅実な男性が
世界を股にかけるスーパースパイと出会って恋に落ち
ドキドキの冒険をするという、10年ほど昔の
トム・クルーズ&キャメロン・ディアスの映画
「ナイト&デイ」の完全男女逆転版ラブコメディで面白かったです。
クリス・エヴァンスさん主演。
家族仲が良く、なんでも親とフランクに話し合い、愛情深すぎてちょっと重いめの男性は
当て書きされているのは…という気も少しした。
キャプテン・アメリカファンにおすすめ。

内容ばれ
というのは、セバスチャン・スタンさんとアンソニー・マッキーさんがカメオ出演されているからなんですけど。
義手の男が出てくるし、ナイフくるくるもあるし、
アンソニー・マッキーさんは「サムの息子じゃなくて孫だ」って名乗るし(ただしこれはシリアルキラーの話)、
相当なMCUファンがスタッフの中にいる。

2人ともノリノリで演じておられました(笑)。
クリスもセバスチャンも、遊びに誘うと対応が塩だと
わりと最近のアンソニーのインタビューで見た気がするけど
撮影で再会して遊びに行けたんだろうか。

Ghostedって、コードネーム的なやつかと思ったら
メインの意味合いとしては「関係を切られる」というスラングなんですね。
2日で11通のメッセージ(一方的な)は、切られて当然の数なのか。
日本だとそれくらい独り言を送ってくる人普通にいそうですね。

コメディ部分はあれだったけど(部屋でやれとか、重ねすぎるにも程がある。
それとクリス・エヴァンスさんがいくらなんでも殴られすぎだ)
2人ともかわいいのでにこにこしました。
自分の価値を知らない、愛情深い恋人が尊いのは男女関係ないですね。
嫉妬を表すまいとしているクリス・エヴァンスさんの、草食動物のような大きな目!
素晴らしかった。

ところでApple TV+なんですが、
たぶんApple社は自社制作映画をApple製品以外では見てほしくないと思っていて、
ウィンとかドウズとかいう下賤な商品のユーザーである私は入会するのに2時間とかかかったんですが、
原因を書いておきますね。
まずAppleIDを作成する→無料トライアルor入会画面に【行かずに】AppleID管理画面に行って、
そこで支払方法を登録する→満を持して入会…が正解でした。
無料トライアル画面で支払方法を入力すると100%エラーで元に戻って、原因を書いてくれないので
あらゆるクレジットカードや、キャリア決済、色々な住所を試したわい。
そもそもクレジットカードを登録させるくせに請求書の送り先住所が必須なのはなんなのか。

同じくエラーで苦しんだ先人が解決方法を書いてくれていて助かったので私も書きました。


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「マジック・マイク ラストダンス」

2023年03月07日 | 恋愛映画
スティーヴン・ソダーバーグ監督
副業でストリッパーをするマイクの物語。
今回は英国が舞台。
ソダーバーグ監督に戻りました。
パンデミックの影響で家具屋が潰れてしまったマイク(気の毒…)は
パーティーでバーテンダーなどをして日銭を得ていたが、
彼のストリップの噂を聞き付けた富豪の女性に金で買われ
一夜の踊りを披露する。
しかしそこから意外な方向に話は進み…というあらすじ。

男女逆版マイフェアレディ要素もありつつ
ラブロマンスもあり楽しく見られました。
「エターナルズ」の中間管理職役もよかったですが、
この映画の、自分でもエネルギーが制御できていない
情熱的な女性の役も魅力的でしたサルマ・ハエック。
テイタムは最近いい役を選んでるなと思います。受動的な感じ。大きな犬っぽい。
娘ちゃんと執事さんも良かった。

内容ばれ
まさかここにきて「マジックマイク」のタイトル回収があるとはね。
舞台は、古いジェンダーの古典劇の登場人物のままでストリップをすると思っていたので、
冒頭以外は普通にストリップだったのは少し残念だった。
ダンスシーンは見ごたえありましたけども。

ダンサーさんたちの身体能力のすごさと、
大きいお姉さんたちの「ウヒョーッ」っていう好色顔の絶妙さ。

「あんなダンスと知ってたら6万ドル払ったのに」と言わせるマイクのプライベートダンス、
一晩で約800万円ってどんなダンスなんやろか。
ダイジェストに映ってないところでなんかすごいことが?

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「アラビアンナイト 三千年の願い」

2023年02月26日 | 恋愛映画

ジョージ・ミラー監督
原題:Three Thousand Years of Longing

主人公は物語の構造を解析する英国の学者。
講演会に訪れた外国のアンティークショップでガラスの瓶を購入するが、
部屋で瓶の汚れを落としていると、中から巨大な男性が現れる。
男性は自らをジンだと言い、3つの願いごとをするよう
主人公に強く働きかける…というあらすじ。

複数の古代の物語を組み合わせた短編小説
「The Djinn in the Nightingale's Eye」を元にしているらしい。

むかしのターセム・シン作品のような、
ビジュアルの凝ったお伽話風恋愛映画。
またもや脱がされるイドリス・エルバ氏なのですが、
下半身は錆青、手のひらは赤、指先は金、
そして尖った耳の片方が傷ついて裂けているという
こだわりまくったビジュアルです。
学者をティルダ・スウィントンが演じます。

少しだけホラーっぽい表現があります。ほんの少し。

内容ばれ

ジンは対話を好み、奉仕が愛情の表現で
何をされても耐え、決して恋人を裏切りません。
彼の語る昔話を聞くうちに恋に落ちるアリシアの気持ちも分かる。
(男女を逆にするとアニメに多いパターンではある)
(奉仕を身上とする美しい非実在異性が突然現れ恋仲になる)
しかしあの若い妾の貧乏ゆすりや本の読み方の癖がアリシアと同じで
明らかに子孫または生まれ変わりの伏線だと思ったのですが特に掘り下げはなく
講演会でめちゃ怒ってた霊はなんだったのかとか、
またアリシアのイマジナリーフレンドの話とか(現在の友人に少し似てる?)、
あのあたりは一体何だったのか少し気になってます。
それと科学が物語を駆逐してしまうという話や、
人は異質な物語を恐れるというあのへんが特に本筋に統合されなかったとかも。
(お隣さんのクレメンタイン、鉄馬の女の総白髪のかたなんですね。全然分からなかった)

アリシアの物語についての講義、普通に面白そうで普通に聴講してみたかった。
マーベルとDC、両方とりあげる気遣いをどうも。
それと男シェラザードのおじいちゃん、どんだけの話し上手なのか。
お話を聞いてみたかった。
おじいちゃんの死体を前に悲嘆にくれる狂王のシーンは宗教画のようでした。

音楽のトム・ホーケンボーグさんは、ジャンキーXLさんの別名だそうです。






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「別れる決心」

2023年02月20日 | 恋愛映画
登山の事故で亡くなった男性の事件を捜査していた刑事は、
死んだ男の妻が、暴力を受けていたと知り、事件に疑いを持つ。
しかし刑事は、被疑者の未亡人に次第に惹かれていく…というあらすじ。
パク・チャヌク監督

ミステリ7割、恋愛3割くらいかなと思ったが比率が逆だった。
というか私はポン・ジュノ監督作品だと勘違いして見に行った。
予告で「パラサイト」の次はこれだ!と言っていたのを誤解したのだが、
次(にアカデミー賞を取るの)はこれだ!というような意味だったんだろうな。
直接的な性描写を使わず、どこまでインモラルで濃密な愛と情欲を表現できるか
挑戦なさってるのかな?と思いました。

ラストまでばれ

パターンとしては妻のいる男が、
悲劇的な運命を負った女に出会い、運命を狂わされていく物語だが
現代風にアップデートしている部分もある。
男は仕事ができるうえに、妻のために料理をすることもできる。
食事をした後はテーブルを片付ける気遣いもできる。
リップクリームやハンドクリームを持ち歩くような、自分のケアもできる。
男の妻はエリートで、 感情的になったりしない。
ある意味被疑者の女とは真逆である。
こいつは駄目だなと判断するとスッと見切りをつける
(妻の上司さん(?)が「女性の観客さんはこれ見て機嫌直してちょんまげ」
と言わんばかりのイケメンで笑ってしまった)。
まああと細かいことながら役者さんの年齢差も、
主人公の恋の相手が役者さん年齢にして40歳離れているという
頭のわいた映画があることを考えると、
3歳差というのは当世風インモラルラブロマンスだ。

男は妻帯者であるので被疑者の女とは不倫ということになるが、
むかしの映画みたいに大胆な濡れ場などはなく、
相手の傍にいる自分を空想したり、手が触れ合ったり、
最大接触でキスする程度である。
民事裁判的にもこれは不倫とは判断されないと思われる。
ただ、妻が食べたがったときには食べさせなかった寿司を
(しかもかなり高級なやつを)被疑者の女に食べさせたりなどするところは
ジワっとそういう感情を匂わせるのがうまいなと思った。

男を狂わせる女性の設定、これは10年や20年で
それほど変わるものではないので仕方がないが、
支配虐待を受けており不幸で、適切な言葉で話すことができず、
他人のケアが上手く、ミステリアスで、どこか自暴自棄で美しい。
これは鉄板なのだろうが古風だなと思う。
逆にすると自由で幸福で弁が立ち、細かい気遣いはできず、
あけすけで、自分を大切にする、そんなに美人ではない女。
いやまあ、男性からしたらすけべ心はわかないかもしれないけど、
私は友達になりたいかな。

雑念空想と、事件の検証で時間が前後するのと、
過去の事件の再捜査とかがあるので、少しだけ混乱した。

DV男の登ってた岩山、あんな鼎泰豐の焼売みたいな山が本当にあるんだろうか。



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「バビロン」

2023年02月12日 | 恋愛映画

デイミアン・チャゼル監督
サイレント映画の時代、パーティーと薬物とアルコール、
人命軽視の現場、そこから生み出される傑作、という狂乱を
メキシコ出身の青年と、女優を夢見る女、大スターの男性、
トランペット奏者の男性、字幕技術者の女性、などを軸に描く。

注意
大便まみれあり
尿まみれあり
全裸性器あり
大大大嘔吐あり吐瀉物まみれあり
薬物摂取描写あり
動物が残酷に死にます

あらすじはセンチメンタルだが表現が過剰なうえに3時間あるので
体力のないひとにはきついかもしれない。

ラストまでばれ

気の優しい男性が振り回される、成功への夢、昔の恋人を思うほろ苦エンド、
またそれかよ!と言われるのを恐れて違う味付けにしたら、
唐辛子を入れすぎて激辛になった…みたいな印象。

ああいう頭のおかしいような表現、チャゼル監督の元々の芸風では全然ないけど、
やってみたらできた、という感じなのはすごいですね。
でもめちゃ理論武装したうえ隣で反応をうかがっている気配があり
キャハー☆!頭がおかしいー!というノリでは見られない。

あと大いなるものの一部になりたい、
映画は民衆の味方(金持ち年寄りの娯楽の舞台とは違って)、
技術的革新が進みスターは理由なく飽きられあざけりの対象となるが
その輝きは永久に保存される、等々の映画愛、
よく考えると噛み合ってなくてしかも悪趣味演出とマッチしているとは思えませんが
でもマーゴット・ロビーが何度も泣いて、エキストラが事故死し、
大スターは泥酔しているのに、圧倒的な美の瞬間がカメラに収まってしまうあのシーン、
高まっていくリズムが、チャゼル監督十八番という感じでした。

サイコパスマフィア、トビー・マグワイア氏の演技最高でした。
「エスターの話をしてるのかな?」と思った(笑)
しかしあの先天性異常の人たちを見世物にする暗黒ダンジョン描写、
あれは必要だったろうか???あそこでリアリティレベルがドーンと落ちたような。
(インスパイア元と言われる「ブギーナイツ」未見)

ラストで様々な革新的映画の断片が流れるシーンで帰っていったお客さんがいた。
キャメロン監督作品が2作あったが、長らく技術刷新の牽引役だったのだな。
あと「アンダルシアの犬」の例の眼球のシーンがあって、フフって思った。



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