MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

「かたわれ時」は夕暮れ時。「かはたれ時」は夜明け前。

2016年10月14日 | いろいろ
 古典の授業で、「黄昏時(たそかれどき・たそがれどき)は夕方、彼は誰時(かはたれどき)は朝」って習いませんでしたか?
 映画「君の名は。」で出てくる、糸守町の言葉「カタワレ時」は夕暮れ時ですけれど。

 古語辞典(旺文社「全訳古語辞典」)を引いてみたら、

・かはたれどき【彼は誰時】 =(薄暗くて彼はだれとはっきり見分けられない時の意)おもに明け方の薄暗い時。夕暮れ時にもいう。
       〔参考〕夕暮れ時を「たそかれどき」とし、「かはたれどき」を夜明け前のころにいうことが多い。
・たそかれどき【黄昏時】 =(「誰ぞ彼(だれだ、あれは)」と人の顔が見分けにくくなる時刻の意)夕方の薄暗い時。夕暮れ時。

 同じく夕暮れ時の、昼でも夜でもない時間を「逢魔が時」なんていいますが、映画「君の名は。」の夕暮れの景色はまるで「魔法に出逢う時」。
 映画を見てから、娘と綺麗なグラデーションの夕焼け空を見るたびに「かたわれどき!」と言い合っています。
 最近の観客動員数のニュースを見ていると、「かたわれ時」も新語として認知されそうな気がしますね。


〔注〕(2019.06.04.追記)
 「カタワレ時」は、2016年公開の映画「君の名は。」に出てくる大事な言葉になっています。
 糸守町の方言という設定で、もちろん辞書には載っていません。
 ふと、「かた-われ【片割れ】」を調べてみたら、「かたわれ・ぼし【片割れ星】」という言葉も載っていました。
   ・かたわれ・ぼし【片割れ星】
    流星。走り星。よばいぼし。 (岩波書店「広辞苑 第7版」)
 ちょっと、「君の名は。」を思い出してしまうような言葉ですね。

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3 コメント

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Unknown (おー)
2019-06-03 17:10:30
かはたれ時とたそかれ時は意味が通りますが、「かたわれ時」とは意味が通らないのでは?
文法的に………
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Unknown (おー)
2019-06-03 17:17:29
すみません、表記揺れというか方言だったんっですね。コメントしてから、調べてみたらわかりました。m(__)m
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>おーさん (ムーニー)
2019-06-04 09:45:08
映画に登場する架空の街「糸守町」の方言という設定ですね。
 映画の前半の方で、古典のユキちゃん先生が話していたように思います。
 「かたわれ」が「片割れ」であるからこその、映画を貫く大事な言葉になっているのかなぁと思っています。

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