行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

天の気持ち

2010年04月02日 | 禅の心
菜根譚から
天は一人を賢にして、以って衆人の愚を誨(おし)えんとす。而るに世は反りて長ずる所を逞しくして、以って人の短を形す(あらはす)。
天は一人を富ましめて、以って衆人の困(くるしみ)を済はんとす。
而るに世は反りて有する所を挟みて(さしはさみて)以って人の貧を凌る(あなどる)真に天の戮民(りくみん)なるかな。
まさに、菜根譚の著者、洪自誠の現代人へのメッセージであります。
他人を教え導くために、天は人に才能を授けているのに、才能を授かった人は、その才能を鼻にかけて他人を見下して威張っている。
貧しい人を救うために、人に富を与えているのに、富を与えられた人は、自分だけ豪華な生活をして、貧しい人たちを見下している。
そのような人は死刑に値するとまで、洪自誠は、いつになく激しい論調で語っています。
才能があっても、お金があっても、人徳のない人は、かえって危険です。現代、才能や収入だけで人の勝ち負けを決めてしまう世の中に警鐘を鳴らしていると言っていいかもしれません。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 理性と感性 | トップ | 動静にもとらわれず »
最新の画像もっと見る

禅の心」カテゴリの最新記事