行雲流水

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『徒然草』に少欲知足を学ぶ

2013年08月27日 | 空海 真言宗 金剛峯寺
勝とうとするな

双六の上手といひし人に、その手立を問ひ侍りしかば、「勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり。いづれの手か疾く負けぬべきと案じて、その手を使はずして、一目なりともおそく負くべき手につくべし」と言ふ。
道を知れる教、身を治め、国を保たん道も、またしかなり。



双六の名人と言われている人にその秘訣を訪ねたところ、「勝とう思うて双六しちゃあいけんよ。負けんようにしよう思うて双六するんじゃ。どの手が早う負けるかをよう思案して、その最悪の手を使わんようにして、一目だけでも遅う負ける方の手を選ばにゃいけんよ。」と言われた。この言葉は本当にその道を知っている者の教えであって、自分の人格を磨き、国を保つ道もこれと同じである。

徒然草の第110段です。この段の一番重要な部分は最後の一行
>道を知れる教、身を治め、国を保たん道も、またしかなり。
です。何でもかんでも人に勝ことばかり考えていると、いつか身を滅ぼすことになります。会社を経営していても、大もうけしようとしなくても、会社を潰しさえしなければいいのです。国家でもそうです、他国を侵略する国は滅んでしまいます。
ここでは小欲知足ということを言っているのです。「小欲知足=欲張るな」こそ人生の極意なのです。人間から欲をなくすことはできませんが、欲を少なくすることはできます。人生何事もほどほどなのがいいのです。
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