行雲流水

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地獄の思想

2018年04月03日 | 仏の心
恵心僧都源信の「往生要集」に描かれている地獄は、現代社会に生きる私たちに、正直に人徳をもって生きて行くことの大切さを教えてくれます。
黒縄地獄。身を引き裂かれ、鋸でひかれ、刀で切られてしまうのです。意識のある状態なのでたまったものではありません。
あるいは、現代人の迷いの世界そのものかもしれません。
衆合地獄は邪淫を犯した人が行きます。美女を追っているうちに、後ろから身を切り裂かれて行きます。骨になろうとも、美女を追いかけて行きます。現代、家族を崩壊させようが、財産を失おうが、不倫のみちに走る人に似ています。
地獄の思想は、日本人の倫理観を支えてきたのです。