行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

世間は狂っている

2016年09月06日 | 仏の心
弘法大師の『秘蔵宝鑰』序です。


悠々たり悠々たり太だ悠々たり
  

内外の謙? 千万の軸あり
  

杳々たり杳々たり 甚だ杳々たり
  

 道をいい道をいうに百種の道あり
  

 書死え諷死えなましかば本何がなさん
  

 
 知らじ知らじ吾も知らじ
 

 

 思い思い思い思うとも聖も心ることなけん
  

 牛頭草を嘗めて病者を悲しみ
  

 断?車を機って迷方を愍む
  

 三界の狂人は狂せることを知らず
  

 
 四生の盲者は盲なることを識らず
  

 生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く
 

 死に死に死に死んで死の終りに冥し



遙かな、遙かな、はなはだ遙かなことよ

仏典とそれ以外の書物とは、千万巻もある

暗くて 暗くて はなはだ暗いことよ

道を説き道を説くのに百種もの道がある。

書くことも絶えて、暗唱も絶えたとすれば根本の教えはどうすればよい。

知らないで知らないで私も知らないでいるであろう

思い思い思っても聖者でも思いつくことはできない

牛頭は病人を悲しんで、草をなめて薬草を見つけた。

断?は道に迷っている者を憐れんで指南車を授けて教えた。

迷いの世界の狂人は迷っていることを知らない。

生死の苦しみで目の見えない者は目の見えないことがわからない

生まれ生まれ生まれ生まれても生の始めは暗く

死に死に死に死んでも死の終わりは冥い



この世は狂った世界です。世間は狂っているのです。

間違ったことを真実だと思い込み、デマにだまされ続けているのです。

権力者にだまされ、いいように使われているのが浮き世の人々なのです。



 

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