行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

「がんばるな」

2010年11月16日 | 禅の心
百尺竿頭に一歩を進む


スポーツ選手がお寺で座禅を組むのは悪いことだと思いませんが、何のために座るのだろうかと思うことがあります。度胸をつけるため、精神力を鍛えるため、集中力をつけるためなど、様々な目的があると思うのですが、私は頑張るために座禅をするのではないと思っています。
現代人は「がんばれ」という言葉が大好きです。ある意味、「がんばれ」病におかされています。しかし、残念ながら、禅では「がんばるな」と言っているのです。このような話をすると、顔を真っ赤にして「でたらめ言うな」と怒る人がいます。それは、鎌倉時代・室町時代から禅を武家政権の基礎固めに利用してきた名残りなのです。権力者としては、下の者に「がんばって」欲しいわけなのです。現代では「企業戦士」としてがんばって欲しいのです。
禅とは「もっと楽に生きよう」ということなのです。
頑張って、定年直後に倒れて亡くなってしまう人もいます。頑張ることが本当に良いことなのか、もう一度考えてみようではありませんか。

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