akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

インド映画『音楽サロン』

2008-05-17 | 映画・芸術・エンターテインメント
銀座メゾンエルメスのル・ステュディオでの上映会に伺った。エルメスの現在のモードテーマがインドということで、今回の上映プログラムはインド映画『音楽サロン』(1958)。
1920年代、社会の変化著しいインドを舞台に、没落していく大地主と、新興富裕層である成金商人がプライドをかけ音楽会を催す。自宅に音楽サロンを持ち、パトロンとして音楽家や踊り子を呼び、大勢の客を招いてもてなすー。これが権威の象徴であるが、土地も財力もほとんど失った大地主にはサロンの維持は難しくなっていく。

監督・脚本はサタジット・レイ。黒澤明監督に傾倒し影響中にも影響が見られる。
この作品は、インド映画芸術の代表作の一つとして、プレスの絶賛を浴びたらしいが、私はあまり好きではなかった。もちろん、作品の価値や面白さはストーリーや感動だけにあるわけではないので、階級制度の崩壊、旧地主階級の大邸宅の様子などは興味深く観たが。それから、全体の3分の1くらいだったろうか…音楽シーンが長いのはインド映画ならでは。シタールやタブラの音が心地よく、歌、舞踊と、サロンでのインド音楽は堪能できた。

それにしても、さすがエルメス。10階の「ル・ステュディオ」は40席のプライベートシネマ。普段あまりお目にかかれないレアなフィルムを毎週土曜日、完全予約制・入場無料で上映している。「音楽サロン」ならぬ「上映サロン」は、とても贅沢な空間と時間を提供してくれていました。
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