野々池周辺散策

野々池貯水池周辺をウォーキングしながら気がついた事や思い出した事柄をメモします。

阿蘇が爆発すると、

2020-01-22 06:27:47 | その他
2020年1月17日、伊方原発の稼働について、広島高裁は2019年3月の山口地裁岩国支部の決定(原発事故後の新規制基準に不合理な点はなく、「基準に適合するとした原子力規制委員会の判断に誤りはない」とした)を取り消し、四国電力に運転差し止めを命じる決定を出した、との神戸新聞を読んで違和感を覚えた。広島高裁は、「四国電力の地震や火山リスクに対する評価や調査は不十分」とし、安全性に問題がないとした原子力規制委員会の判断は誤りであると指摘している。

前回の運転差し止めの際も気になっていたが、熊本県阿蘇山の巨大火山爆発の発生確率と、発生した場合、遠く離れた四国の伊方原発に及ぼす被害状況だ。9万年前と同規模の巨大噴火が発生すると、火砕流による死者は阿蘇山周辺を中心に大分、福岡、宮崎、長崎、四国で700万人、火山灰で日本は壊滅的被害を被り、地球規模の大惨事になる可能性は高いとの報告があるが、その発生確率は地球への隕石衝突に次ぎ極めて低いとされている。しかしその極めて低い確率で発生するかもしれない巨大噴火にも耐える対策を原発は対応すべしとする司法の判断基準に、違和感を感じたのだ。

日本で近年、実際に発生した事例では、生まれ故郷の島原半島中央にある普賢岳が約200年ぶりに大噴火し、発生した火砕流によって40数名が亡くなった事故がある。生まれ故郷での噴火事故だったので事故後纏めた本も数冊読み、帰省時、実際に事故現場を歩いてみた。確かに凄まじい爆発事故だったことは事実で、火山灰は有明海の対岸、福岡、熊本まで飛んだ事実はあるが、火砕流は雲仙岳周辺の一部のみに発生した。火砕流の怖いところは、約800度Cに至る熱風を吸うと瞬時に肺からの内臓がやられ死亡に至ると聞いたことがある。つまり、原発が大被害を被る前に近辺住民の大方は死亡する確率が高いとも予想される。

で、問題の阿蘇山が大爆発を起こすとどうなるかのショミレーションを神戸大が2014年に発表している。その図式が下記で、「巨大カルデラ噴火は、日本という国を消滅させると言っても過言ではありません。死亡者数に発生確率を乗じた災害の「危険度」を比較すると、巨大カルデラ噴火が如何に重大な脅威であるかを理解いただけるでしょう」としている。火砕流での死者は阿蘇山周辺を中心に大分、福岡、宮崎、長崎、四国で700万人。発生確率は地球への隕石衝突に次ぎ極めて確率は低いが、発生すると地球規模の大惨事になる可能性は高いと書いてある。阿蘇山の大爆発が発生する確率は極めて低いとするのは高裁もそう書いているが、9万年前と同じ規模で発生するとすれば伊万里原発に火砕流が到達する可能性があるとした。
      「神戸大学」

これ等の広島高裁の判定に付いて、いろんな意見が、当時、FB上に投稿され、例えば、
『広島高裁も「阿蘇山で9万年前と同じ大噴火が起こったら、周囲100kmが壊滅する」と認める。そういう「噴火の可能性が小さくない」なら、130km離れた伊方原発を止めるより、阿蘇山の周辺住民を退去させるべきだ』
『伊方原発運転差し止め仮処分の直接的原因をざっくり言うと「阿蘇山が噴火したら危ないから止めます」と言う物。阿蘇山から伊方原発までは130km離れている。ハッキリ言えば阿蘇山が伊方原発に影響が出るほどの大噴火をしたら九州は壊滅状態でそれどころじゃない』
『「阿蘇山が噴火した場合の火砕流が原発に到達する可能性が小さいとは言えない」という驚くべき仮処分決定。噴火の確率は「全国で1万年に1度」。原発の寿命は40年』

この高裁裁定は九州、そして九州に近い山口、四国、さらには、火山列島日本など絶対に住むなということなんだろう。阿蘇山の大爆発による火砕流下流地域では一人残らず死に、四国まで到達し伊万里原発に到達すると、火砕流の流れる近辺の住民は殆ど死亡する確率が高い。800℃の熱風を浴びるのだから、普賢岳の例からすると、原発に異常(どんな異常なんだろう)を来す前に原発周辺の住民は殆どは死亡する可能性がある。隕石の地球諸突の確率よりか阿蘇山の巨大爆発の確率は少し高いかもしれないが、我々素人には全く同じ確率にみえる。そんな殆ど起こりえない確率の範疇で、伊万里原発に火砕流が到達する可能性ありで原発稼働は不可とする判例は、如何にもぴんと来ないのだ。しかも原発の寿命は40年とされているのにだ。

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