股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

伝説のスリッパ

2012-07-11 06:03:15 | 股関節の基礎
おそらく初めてだと思うのですが、6月は3カ所に出張していました。
鹿児島、大阪、そして高松。

今から12年前の5月の話です。
まだブログも本もホームページもないときです。
当時院長をしていた川越市の整骨院に鹿児島から患者さんがみえました。
その方は、その後数回おみえになり、友達も連れてくるようになりました。
ある日、「先生、鹿児島にもいっぱい股関節痛で悩んでいる人がいるから、鹿児島へ来てよ。」
その方が霧島に所有している別荘を使っていいからとのことでした。
さっそく、その年の8月に鹿児島へ行きました。
初めての出張治療でした。
ここだけの話ですが、その頃私は“専門は膝関節です”と患者さんに聞かれると答えていたのに・・・不思議なものです。

あれから12年、まだ鹿児島へ通っています。
もう50回くらい通ったかなぁ・・・。
その別荘には、“伝説のスリッパ”があります。
いつもは下駄箱の中にしまわれているので、鹿児島の皆さんにもほとんど知られていないスリッパです。
今日はそのスリッパの話です。




これがその“伝説のスリッパ”です。




そのスリッパには名前が書かれています。

左脚には後●さんの名前、この方は鹿児島県の方です。
右脚には福●さんの名前、この方は熊本県の方です。


2人には全く接点がなかったのですが、この別荘で知り合い、今では姉妹のような関係になっています。
私にとってはやさしくて厳しい2人の姉的存在です。




このスリッパのかかとの高さは2cmです。


後●さんは松本の分類 タイプ1で、左脚が2cm短い状態です。
福●さんは松本の分類 タイプ7で、右脚が2cm短い状態です。


似ているようで経過が全く異なる2人です。
今では2人とも変形の進行はありません。


このスリッパは、お二人の脚長差を補うためにお二人が準備され、お二人が霧島へ治療に来られた時だけ使われます。


しかし、最近ほとんど使われていないので、私も懐かしくなり先月の出張時に写真に撮りました。



後●さんは、11年前「左足の小指の付け根が痛くて歩けないので、仕事をやめようと思っています。」の状態でした。
この方の場合は、右腓骨筋(ひこつきん)の施術で、完全に痛みが取れました。
腓骨筋の関連痛による左小指の付け根の痛みが原因でした。
最近5年ほどお会いしていません。
8年前、不意に東京原宿に現れ「ホノルルマラソンの帰りです。」と言いながら会いに来てくれたこともありました。
今では仕事が楽しいようで、全国を飛び回っていてほとんど治療には来てくれません。


福●さんは、突然の原因不明の大腿骨頭壊死でした。
10年前、初めてお会いしたときには右脚にほとんど体重がかけられず、左脚だけで跳ねる“けんけん”状態で移動していたのが印象的でした。
レントゲンをみると、見事に右大腿骨頭の半分が無い状態でした。
大腿骨頭が壊死する期間(半年くらいでしょうか?)には炎症がおこりますのでかなり痛みが出たようですが、やがて炎症が治まり痛みは全くなくなりました。

私は「絶対に左脚に全体重がかけられるようになるので、しっかり荷重訓練を繰り返して下さい。」と指導しました。
今では、肩が傾くことなく左片足立ちができます。
おそらく、レントゲン写真を見ただけでは信じられない光景です。
熊本では保育士の仕事をしていますが、最近は治療にはあまり来てくれません。



そんなわけで、このスリッパが両側同時に使われたのは今から5年ほど前だったと思います。
この時は治療は行わず、皆さんお酒を飲み、別荘に泊まって行きました。



次にこのスリッパが両側同時に使われるのはいつかわかりませんが、お二人の近況報告を楽しみにしています。








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